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NECものづくりコラム 匠の系譜 <第7回>

NECものづくりコラム 匠の系譜 <第7回>

“グリーンベルト方式”と“One Cycle かんばん”でグローバルな生産革新を実現

「匠の系譜」第7回は、企業向けテレフォニー製品で国内およびグローバルSMB(中小量領域)のトップシェアを誇るNECインフロンティアです。グローバルな生産革新に挑む同社の取り組みについて、NECインフロンティア東北の代表取締役社長 加登 達也とNECインフロンティア 生産統括本部 生産推進グループ グループマネージャー 埜本 康之に聞きました。

グローバルサプライチェーンにおける適正在庫を実現する“グリーンベルト方式”

1918年(大正7年)の創業以来、半世紀に渡り電話機やIPテレフォニーなどの企業向けネットワーク機器および、POS端末など店舗・工場向けの情報機器を開発・製造・販売を手掛けてきたNECインフロンティア。同社は、宮城県白石市(NECインフロンティア東北)とタイ(NEC Infrontia Thai)、香港(NEC Platform Technologies Hong Kong)に生産拠点を構え、グローバルサプライチェーンを通じて世界に製品を届けている。

「当社は、製品出荷の3~4割を海外が占め、生産拠点は日本、タイ、香港、販売はNECの海外法人が担当するというグローバルな体制でビジネスを展開しています。このサプライチェーンの入口から出口までをトータルで管理するために構築したのが、当社独自の仕組みである“グリーンベルト方式”です。

これは主要出荷国の販社在庫を一定に保ち、余剰在庫を防ぐグローバルなプル型在庫補充の仕組みで、たとえば北米の販社に3週間分の在庫を置き、その販売状況を工場側で常に把握、売れた分だけ生産し、週単位で販社へ届ける仕組みです。販売数が落ちて在庫が増えると、その情報をもとに工場では出荷および生産調整を行うので、在庫が積みあがる心配はありません。

ちなみに“グリーンベルト”とは、販社における棚卸しの推移をグラフ表示した時、上限と下限の間のセイフティゾーンを緑色で示していたことから名付けられました」とNECインフロンティア 生産統括本部 生産推進グループのグループマネージャー埜本は説明する。

「要するに『売れた分だけつくる、使った部品だけ買う』という国内で当たり前にやっていることをグローバルに当てはめただけです。しかし、その当たり前の実現も簡単にはいきませんでした。一番の問題は、販売サイドと生産サイドの立場の違いによるもので、販社は販売機会を失いたくないので、常に多めに在庫を持ちたがり、生産は棚卸しを増やしたくない、いくら定期的に在庫を補充すると説明しても、なかなか信用してもらえませんでした。

とにかく現地に足を運んで何度も説明し、まずは多めの在庫からスタートし、信頼を得ながら在庫数を減らして、適正在庫を探るという試行を重ねました。苦労の末ようやく“グリーンベルト方式”が機能するようになり、棚卸しが常に適正値に収まるようになりました」とNECインフロンティア東北 社長の加登は当時を振り返る。

後補充(PULL)と計画生産(PUSH)を組合わせ「変動」に注力、北米、タイに標準在庫→毎週売れた分だけタイ出荷 (タイで北米の実売・在庫情報をウォッチ) (以下、その概要図)

図:グローバルサプライチェーンで適正在庫を実現する“グリーンベルト方式”

業務フローの混在が作業負荷を生む悪循環

同社は、2001年にトヨタ生産方式を導入し、試行錯誤しながら現場改善を進め、生産効率を高めてきた。しかし、次第に従来のやり方では解決できない課題が浮かび上がってきた。その課題とは、工場内に複数の業務フローが混在することによる作業負荷の増大だった。

「当社の生い立ちはM&Aと事業統合の歴史でもあります。東北日通工として創業し、他社の事業を買収したり、あるいはグループ事業を移管したり、今の社名になったのも事業統合によるものです。そうした歴史の中で、M&Aや事業統合の際、以前から使っていた帳票などをそのまま移管してしまったため、1工場内に複数の業務フローが混在する状況を招きました。そのため、どの段階で何の伝票がどう動いているのか、全体が見えなくなり、かんばんの管理も煩雑化してしまいました」と加登は、当時の状況を振り返る。

同社では、生産量に応じたかんばんの増減を『金庫の出し入れ』と呼ぶ。今週は1000台生産していた製品を、来週から1500台に増産する場合、部品数量が増えるので金庫から同アイテムのかんばんを取り出し、生産工程へ流す。翌週、生産を再び1000台に戻す場合、流したかんばんを抜き取り、また金庫へ戻す作業を行っていた。

この管理を手作業で行っていたため、膨大な工数となり人為的ミスの温床となっていた。また、かんばんは現場でランダムに外れてくるので、それをベンダーごとに分類する作業は、まるでカルタ取りの様相を呈し、現場の負担となっていた。

こうした課題を解決するため、同社は「One Cycleかんばん」という独自の生産方式を編み出すことになる。

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