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NECものづくりコラム 匠の系譜 <第6回>

NECものづくりコラム 匠の系譜 <第6回>

全員参加型の経営革新活動で、ものづくりの戦いに勝ち続ける

「匠の系譜」第6回は、静岡県掛川市に本社を置き、ルーターや車載機器をはじめとして、多品種少量生産に強みを持つNECアクセステクニカです。全員参加型の経営革新活動「SIMPLE21」を推進する執行役員兼製造本部長の大畑 喜義と製造本部 プロセス革新推進部長の丸山 康久に話を聞きました。

現場主義であれ、当事者であれ、プロ意識を持て、危機感を持て

本社所在地にある掛川城を引用し、「常在戦場」という勇ましい全社スローガンを掲げるNECアクセステクニカ。この言葉は読んで字のごとく『常に戦場にあり』という意味があり、長岡藩の藩主・牧野家に300年前から伝わる家訓である。

「ビジネスはまさに戦いの場であり、勝ち続けなければいけません。ときに苦しい局面もあります。そのとき必要になるのは個々が自律して戦える力です。私どもは、現場主義であれ、当事者であれ、プロ意識を持て、危機感を持て、という言葉を使い、一人ひとりに“ものづくり”の戦場にいる意識を持たせるようにしています」と大畑はスローガンの意図を話す。

“一目一直線一方向”の流れでものをつくれ

NECアクセステクニカは「SIMPLE21」と名付けた全員参加型の経営革新活動に取り組んでいる。その活動は、生産革新の「一流運動」、開発革新の「F3T運動」、調達革新の「Value Up 200」、間接業務革新の「はやぶさ運動」の4つの柱で構成されている。

概要図:SIMPLE21, to realize the NECAT - Vision 2017の概念を説明した図。CSR、生産革新、開発革新、間接革新、調達革新、環境、CSなどにより、自立によるものづくり力強化、次に応授援、そして市場連携し成長へと繋げる図

全員参加型の経営革新活動「SIMPLE21」の体系図

1つ目の柱は、生産革新の「一流運動」だ。2000年、岩城生産システム研究所代表の故 岩城 宏一氏を招きトヨタ生産方式の指導を受けた。「初めて岩城さんが指導にいらした日に、工場のラインを見学していただきました。当時の工場では一番のモデルラインを、自信を持ってお見せしたのですが、岩城さんから『全部壊せ』と言われてしまい、徹夜して組み直したことがありました。岩城さんからは、いつも『“一目一直線一方向”の流れで、短く単純にものをつくれ』『フロアレイアウトで儲けろ』と言われるのですが、そのときは何をおっしゃっているのかさっぱりわかりませんでした」と丸山は当時を振り返る。

「正直な話、現場の反発もありました。我々も今まで何もやってこなかったわけではなく、IEを駆使したセル方式に取り組むなど、様々な現場改善をしてきたわけで、それが一晩でひっくり返されたわけですから。特に生産管理や調達部門のメンバーは、在庫を1日にしろ、半日にしろ、2時間にしろといわれても、部品はまとめて買えば安くなるという文化で仕事をしてきましたから、そんな頻繁に運んだらコストが高くなると抵抗していましたね。
でも、言われたようにやってみると目に見えて効果が上がるわけです。出来高が上がる、滞留が減る、仕掛かりが減る、管理工数が減る、安くできる、まさに目から鱗でした」と大畑は話す。

この“一目一直線一方向、短く単純に”に流すという教えが、今もNECアクセステクニカの生産革新の基盤となっており、その言葉から名付けられたのが「一流運動」である。この言葉には、“一目一直線一方向”を源流として、現在では独自に『一流の仕組み・仕掛けで、一流の人たちが、一流のものを開発・生産して、一流の稼ぎを得て、一流の会社として成長し続ける』という経営革新につながる意味合いが加味されるようになった。

開発革新と生産革新を融合し、ものづくりを次のステージへ

2つ目の柱は、開発革新の「F3T運動」である。開発部門は2002年から、プロジェクトリスクコストを抑え、開発のQCDを改善して利益増加に貢献する活動を続けてきたが、2013年に新たな節目を迎えた。これまでは開発革新推進部として独自に活動を進めてきたが、2013年に生産効率推進部と組織統合し、プロセス革新推進部として生産革新と開発革新を一体的に進めることになったのだ。

「開発部門は、企画、デザイン、レビュー、量産という流れ。ものづくりは部品発注、製造、検査という流れで動いていますが、実際のプロセスはバラバラではなくお互い絡みあっています。そこで、製造はより源流に、開発はより下流にも入り込んでコンカレント・エンジニアリングができるように組織を変更しました」と大畑はその背景を話す。

「今は、生産能力、品質も含め、総合的に効率がいいラインをつくるにはどうすればいいのか、調達から開発、製造、生産技術まで一カ所に集まって現場ですり合わせを行っています。その取り組みの特徴は、3D CADによるシミュレーションを使ってライン仕様を決めていることです。設計前の上流工程で、部品サイズなどの設計仕様を反映した3Dデータでのシミュレーションで、”作らずに創る”ことが出来るので、例えば間口が大きすぎるとか、部品は30個ではなく10個単位で流した方がいいとか、すごく具体的な議論ができます。
また、フロアの柱の位置や作業者の平均身長、ストアの位置、みずすましの動線までデータに反映しているので、ライン設計を効率的に行えます。実際、3D CADによるシミュレーションをはじめたことで、後戻り作業が大幅に削減され、ラインの立ち上げリードタイムが従来の半分に短縮できました」と丸山はプロセス革新の効果を話す。

民生用の製品を中心に扱う同社にとって、近年の製品ライフサイクルの短縮化に対応するため、ラインの立ち上げリードタイムをいかに早めるかは、ものづくりの重要な課題である。NECアクセステクニカのプロセス革新はこうした時代の変化を捉えた取り組みであり、戦場で勝ち続けるための重要な戦術となっている。

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