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  6. 第5回 全社一丸となり、枠を超えた力を発揮するための人財育成
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NECものづくりコラム 匠の系譜 <第5回>

~ NECネットワークプロダクツの経営革新活動 後編 ~

NECものづくりコラム 匠の系譜 <第5回>

大きな目標をクリアするために、全員の叡智を結集する

工場間で統一されたラインクリエイター教育を3年間推進することで改善が行える人財は増え、一定の成果は上がったが、全社を見渡してみると4つの課題があった。それは(1)社内人財活用(さらなる経験値アップ)の場の不足、(2)職場間の改善進捗の二極化、(3)ライン立ち上げスピードのバラつき、(4)人財交流機会の不足である。

「野球とサッカーとラグビーの混成状態から、3年間試行錯誤して、ようやく競技種目が統一された感じでした。しかし、まだ草野球、実業団、プロ野球のようにチーム毎にレベルがばらばらでした。幸い、競技ルールが統一されたおかげで連合チームが組めるようになったので、次の一手は、お互いが競い合うのではなく、相乗効果で各自のスキルをより一層伸ばせるような“場”を創り出せばよい、と考えました。
少し大きな目標を与えこれを協業で成し遂げれば、改善成果のみならず、その力自体が大きな財産になりますからね」と国原は言う。

「全員が一つのチームになるには、大きな目標を立てることが必要です。目標というのは小さくてはダメ。小さな目標は個人の努力でも達成可能で、これでは革新は生まれないし、みんなの力を結集する必要性も生まれません。
我々は、2013年に立てた中期経営計画でストレッチな数値目標を設定しました。お互いの力を最大限生かし、実現が厳しいと思われる目標をクリアする、そのプロセス、そして達成感を全員で味わうことで、心が一つになれると考えたのです」と佐藤は話す。

写真

経営革新活動でリーダーシップを発揮した
執行役員 佐藤秀哉(写真左)と経営革新推進室長 国原英二(写真右)

身につけたスキルを実践の場で活かし、成長するための実践会

そこでその“場”として、工場横断の改善実践会(NP実践会)を立ち上げた。これは本社工場、一関工場、那須塩原工場の持ち回りで4半期に1回、各工場に集まり、垣根を越えて1つの目的に向かい、問題解決する改善実践の場だ。その狙いは、「職場の改善促進(QCD)」のみならず、「ライン立ち上げプロセスの標準化と水平展開の促進」、「他流試合による改善スキルアップ」、「人財交流」と一石四鳥を狙っている。

「特に重視しているのは他流試合です。見慣れない他工場の現場で、どこに改善の課題があるかを瞬時に見抜く力は大変重要です。また実践会は単なる学びの場ではなく、ゴールは結果を出すことです。そのために活動成果は常に数値で示し、目標を達成するまでトコトンやりきるようにしています。
四半期1テーマをだいたい4~5回くらいの実践会で仕上げますので短期決戦といえます。ある期間・回数を与えることの意味は、この活動過程における失敗も大事な経験となるからです。失敗が許されない状況下での教育・訓練は、指導する側も指導を受ける側もストレスが溜まり、教育効果も半減します。失敗から学ぶことも多いからです」と国原は話す。

失敗の経験が、自分自身の中に核となるものを育てる

「野球は、ヒットもあれば三振もアウトもありますよね。どんなに偉大なバッターでも3回に2回はアウトになっているわけです。必要なことはいかに多く打席に立つかです。最初はヒットなんか打てなくていい。ただし、何も考えず打席に入って空振りしたのでは意味がない。

『あの球が来ると思ったからこう打った、だけど結果は悪かった』ということならば、それは成長の糧になります。場数を踏む、場に臨むマインドを持ってやる、要は「仮説-検証」のサイクルを沢山回すことですね。それを繰り返すと、いつの間にか自分の引出しが充実する。それが自信につながって人に教えられる力となっていく。だから、トップマネジメントも含め上の人間が「本気でやって、大いに失敗してみろ」、といえるかどうかが大切です。
人はそういう環境に立たされれば、必ず失敗を無駄にできないという意識が芽生えますから。このような条件・環境下で経験を積み重ねることで、ここぞという大事なときに確実に得点を稼ぎ出してくれる一流プレーヤー(指導者)が育つのだと思います」と国原は野球に例えて指導者育成のポイントを話してくれた。

教え方には“正しい教え方”がある

「よく“名選手が必ずしも名監督・名コーチではない”といわれることがあります。
自分でやることはできるが、人にうまく伝えられない。“技は教わるものではなく、盗むものだ”と私も教わったことがありますが、これは教えることを放棄しているようにも感じられます。
作業者に正しい手順で仕事を教えることができるかどうかは製品品質に大きく影響するわけだし、“教えたつもり”と“相手が理解してやれるようになった”との間には大きなギャップがあると思うのです。闇雲にやって不良を出しながら仕事を覚えろ!ではあまりにも効率が悪すぎます。効率的な“正しい教え方”というものがあるはずです」と国原は語る。

そこで、NECネットワークプロダクツでは、今年からTWI(Training Within Industry)という管理監督者教育プログラムを用いて、正しい作業指導が行えるトレーナー育成を実施している。TWIは1940年代にアメリカで開発され、戦後GHQによって日本へ導入されたものであり、仕事の教え方(JI)、改善の仕方(JM)、人の扱い方(JR)の3つから構成される。
人間の特性を研究してつくりあげられた、極めて合理的なプログラムだ。

ヒューマンエラーによる作業ミスの原因を追究していくと「伝えたはず、教えたはず」と作業者を責めるような発言に行き着くことも少なくない。TWI(JI)の精神は「相手が覚えていないのは自分が教えなかったのだ」という精神だ。「指導者が正しい教え方で仕事を教え、この輪を広げ、皆がハッピーになれば」と自らTWI-JIトレーナーの資格を有する佐藤はトレーナーの活躍に期待する。

研修の様子

教えるスキルを学ぶためのTWI-JIトレーナー研修

教材の例

TWIトレーナー研修で使用している教材(一部)

全社一丸となったものづくりで「枠を超え」、世界と勝負する

全社経営革新の理念のもと、「ラインマイスター/ラインクリエイター教育」という“人財育成プログラム”、「NP実践会」という“実践の場”、「TWI」という“継承のための正しい教え方”、がNECネットワークプロダクツにおける生産革新人財育成において欠かせない要素となっている。日本が世界に誇れる「勤勉さとチームワーク」を武器に、世代が変わってもこれらが脈々と受け継がれる“文化”を作り上げ、常に「枠を越え」世界で勝負する工場であり続けるよう、今日も切磋琢磨を続けている。

(2014年3月掲載)

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