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NECものづくりコラム 匠の系譜 <第5回>

~ NECネットワークプロダクツの経営革新活動 後編 ~

NECものづくりコラム 匠の系譜 <第5回>

全社一丸となり、枠を超えた力を発揮するための人財育成

「匠の系譜」第5回は、NECネットワークプロダクツの経営革新活動を紹介する後編です。全社員が一丸となってものづくりを推進するために必要な人財育成の在り方について、執行役員の佐藤 秀哉と経営革新推進室長の国原 英二に聞きました。

経営革新活動を支える土台は人財育成

2011年4月、NECワイヤレスネットワークスとNEC東北、NECアンテンの3社が統合し、NECネットワークプロダクツとしての歩みがはじまった。同じNECグループ内の統合とはいえ、当初は仕事の進め方や社内文化が異なるため、組織としてまとまるのが難しかったという。
「例えるなら、球技スポーツという枠組みは同じでも、野球選手とサッカー選手とラグビー選手が集まったみたいなもので、一緒に野球やろうと言っても自分はサッカー選手だから、ラグビー選手だから・・といった状態でしたね」と国原は当時を振り返る。

こうした課題を解消し、全員の心をひとつにするために全社ビジョンを作成し、「フロントローディング」「生産革新」「環境経営」を3本柱とする経営革新活動に取り組んだことは、前回のコラムで紹介した。今回は、その経営革新活動を支える土台である「人財育成」の取り組みを紹介する。

ラインクリエイター制度を全社展開して活動のベースに

統合前から各社で「生産革新」という言葉は使っていました。しかし、各社各人によってその解釈はまちまちでした。一般論で言われる「人財育成が重要」はその通りなのですが、我々推進者に最初に突きつけられた課題は、我々の活動の中核をなす「生産革新人財とはいったい何なのか?」について再定義することでした、と佐藤・国原は当時を振り返る。

そこで工場における「生産革新活動」を以下のように再定義した。

  • 工場のIN~OUTまでの「モノの流れ」「人の動き」に着目して、徹底的に生産性を上げ「品質とコスト」を造り込んでいく活動

さらに、この活動を支えるマインドとしては

  • 自らの創意工夫を自らの力で実現できる活動
  • 全員が「流れ」を構成している一員としてプロ意識を持ち、共に感動しあえる活動

とし、これを実現するスキルを有した人財を「生産革新人財」と位置づけた。

本社工場では、以前から製造ラインの担当者が自らのアイデアで簡易設備を製作しており、彼らは“ラインクリエイター”と呼ばれていた。彼らは生産革新の基礎知識やエアシリンダーの機構原理や加工設備の扱い方など、自らのアイデアを形にする上で必要な最低限の知識・技能教育(ラインクリエイター教育)を受け、日々の改善活動にこれを活かしていた。

既に製造部門の直接作業者全員がこの資格を有しており「改善は人が行うもの。誰かにやってもらうものではなく、自らがやれるようにスキルを身につけるもの」との考えも日常的に浸透していた。そこで、まずは活動のベースを合わせるために、このラインクリエイター教育を全社制度化し、全工場へ展開することにした。

また、既に展開を終えている本社工場においては、ラインクリエイターのスキルに加え「自ら改善活動を計画・立案し、設備製作や改善を指導できる人財」の拡充を目指し、この指導的な立場の人財を「スーパーラインクリエイター」として全社制度の中に位置づけた。

現在ではこの人財育成制度も定着し、2013年度からはさらなるスキルアップを図るため、最上位カテゴリとして「ラインマイスター」を追加した。これは新機種立上げなどの生産企画に対し、より上流で改善提案を行い、常に総コストと全体最適の視点でラインを評価し、競争力のある生産企画・推進を行う役割の人財だ。“今”の改善だけでなく、少し先の将来も見据えて幅広い視点で改善を企画していくことを狙っている。
ラインマイスターになるには2年間に渡る厳しい教育プログラムを修了しなければならない。

ピラミッド最下部のライククリエイター(LC)は自らの発案で、ライン改善・設備制作を行う。中間のスーパーラインクリエイター(SLC)は自ら改善活動を計画・立案し、整備制作・改善の指導を行う。最上部のラインマイスター(LM)は、生産企画に対して、より上流で改善提案(Q・C)を行う。常に「総コスト」と「全体最適」の視点で、ライン評価を行い、競争力のある生産企画・推進を行う。必要なスキルは、下部から上位に向かって、ライン分析力、設備開発力、未然防止力、そして生産企画力。

ラインクリエイター教育 体系図

「座学やペーパーテストも実施しますが、重視するのは実践経験です。自部門の課題に対し、従来の目線とは異なる高いレベルのテーマを設定させて改善に取り組んでもらいます。さらに製造容易性や検査容易性に関わる改善案を開発サイドに提案させ、それがどの程度採用されたのかも評価します。また、他工場における改善活動、海外のサプライヤ指導なども経験させます。要は幅広い活動の場を与えることで、自ら試行錯誤しながら経験値を増やし、実践のスキルアップを図っていく自己研鑽プログラムです」と国原は説明する。

「四半期に1回、ラインマイスター教育の成果を評価・確認する場があるのですが、彼らの成果を前にすると、『もっと上を目指してほしい』という欲が出てくるんですね。自分の枠からもう一歩外に踏み出してほしくて、つい『志はもっと高く持て!』と厳しい言葉が口をついてしまうんですよ(笑)」と佐藤は話す。

ものづくりの現場から

~ 15ミクロンの精度の裏に、結集された叡智 ~
50ミクロンの幅で設置されたチップを、目視で15ミクロンまで近づけていく。人間の毛髪が70ミクロンだというから、その微細さは驚異的だ。このラインは通信設備に欠かせない高周波モジュールの製造現場である。

既 存の自動機を活かしながら、ラインクリエイターの技を組み合わせることで、難題をクリアし競争力のある製品をつくりあげている。先端技術だけではない、み んなの叡智を結集して工夫された生産ライン、そして熟練の技、すべてが噛み合うことで、現在のものづくりが実現しているのである。

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