ページの先頭です。
サイト内の現在位置を表示しています。
  1. ホーム
  2. ソリューション・サービス
  3. 製造業・プロセス業
  4. ものづくり研究グループ
  5. NECものづくりコラム「匠の系譜」
  6. 第3回 生産革新を武器にものづくりを進化させる純日本型EMS企業
ここから本文です。

NECものづくりコラム 匠の系譜 <第3回>

NECものづくりコラム 匠の系譜 <第3回>

メガEMSとは対極にある多品種少量型EMS

1980年代以降、大手メーカーは積極的にEMSへのアウトソーシングを進めた。水平分業化が進む中、この流れは加速し東アジアを中心にEMS企業が急速に台頭した。

「EMSと一括りにされますが、我々が狙うのは、B to Bで、ロットが比較的小さく、海外で安く大量につくる方法があてはまらない製品の製造です。現在、当社では月当たり300品種の製品をつくっていますが、約4分の3が月産100台以下の小ロット品です。つまり、我々は中台韓に代表されるようなメガEMSとは対極にある多品種少量型のEMSです。
メガEMSは、大規模な設備投資で安価かつ大量に部品を供給できることが強みですが、我々の強みは製造だけではありません。必要な時に、必要なものを、必要なだけ供給するサプライチェーン全般のノウハウやインフラを持っていること、これが他にはない強みです。これは過去20年に渡り、NECグループ全体で切磋琢磨してきた生産革新活動の賜物なのです。」

NEC長野は、高品質なものづくりと、NECグループ全体のノウハウやインフラをフル活用してEMSの収益率を高めていきたいと考えている。

製品領域には車載ECU、医療・産業用機器、映像関連機器がある。機能には中心から製造(装置、ユニット、パッケージ)、資材調達、修理サービス、保守サービス、コールセンター、検査装置開発、製品評価、試作製造、AW(アートワーク)設計、開発設計があり配置されている。下部に、確かな品質のH/W商品を市場にお届けするまでの充実した機能を提供

図:開発設計から部材調達、試作品評価、製造、保守・修理までのフルサービスの機能を保持

ものづくりも人づくりも「現地・現物」、すべては現場からはじまる

絶え間ない生産革新には、現場で作業する一人ひとりの問題意識や高いモチベーションが欠かせない。しかし、手塩にかけた製品が他社ブランドで世に送り出されるEMSという事業形態は、“仕事のやりがい”を感じにくく、現場社員のモチベーション向上が難しいという問題が指摘される。

「どうやって、現場にやりがいを感じてもらうか、これはEMS業態の大きな課題です。我々はマネージャークラスに会議の場で、お客様からの声や最終製品の評価などを伝えますが、これだけでは足りません。そこで、製品評価につながる情報を掲示物として貼りだしたり、社長賞を与えるなどの取り組みもしていますが、私がより大切だと考えているのは、どんな小さな仕事でもきちんと見ていることを現場に印象付けることです。
そのために、当社では週1回役員全員で現場をまわる日を設けています。そこで、気になる改善活動を見つけては『これ、いつからやっているの?』と声を掛けています。たいていは『実は、3日前です』とか『昨日から』とか答えるのですが、それはそれでいいと思っています。役員が見に来るから直前にはじめたとしても、そこには前回より改善した姿をみせたいという気持ちがあるわけですから、それで十分です。
改善点を褒められれば、誰でもうれしいですし、それが仕事のやる気につながれば何より。やはり、ものづくりは『現地・現物』が大切、役員も現場に顔を出して自分で確認しないとダメなんですよ。」と五十嵐は笑う。

この話題に続いて五十嵐が話してくれたエピソードが、冒頭の「はずの議論」である。管理者が現場で一人ひとりに目を配り、仕事ぶりをいつも見ていると感じさせることがいかに大切かを五十嵐は力説する。「できたはず」「やっているはず」と考え、管理職が現場から離れたら、改善は止まってしまう。結局、ものづくりも、人づくりも、現場次第なのである。

伊那谷から抜け出したキーパーソンが組織を引っ張る

五十嵐は、組織のレベルアップを図るには、キーパーソンをどう動かすかが大事だと話す。

「私はよく『伊那谷に、こもっていてはだめだ』って言うんですよ。当社は、中央アルプスと南アルプスに挟まれた伊那谷に立地していて、私と取締役以外、全員が伊那出身なんですね。地域性なのか伊那の人は、あまり外に出たがりません。何かテーマを与えても一生懸命調べるだけで外に答えを求めない。それも悪くないですが、もっと視野を広げないと、新しいアイデアは生まれません。
でも、そんな環境にあり、同じ伊那出身者でも、広い視野を持ち、フットワーク軽く、社内に風を起こすキーパーソンもいるんですね。彼らは、もともと伊那谷にこもっていましたが、私が連れまわすうちに、グループ会社のチャネルがつながり、行動範囲が広がりました。今では、キーパーソンに直接問題を投げかければ、彼らが自主的にグループ会社と連絡を取って勉強したり、新しいアイデアを出して、現場に刺激を与えてくれるので、それが組織の活性化につながっています。」

伊那谷には驚嘆すべきものづくりの匠がいる

国内の製造業を取り巻く環境は、依然厳しい。今後も工場の海外移転が続き、国内の製造業は生き残りをかけた改革が求められるだろう。国内をターゲットにEMSを展開するNEC長野は、この環境下でどのような未来予想図を描くのだろうか。

「一言でいえば、不易流行です。国内に生産拠点を持つ住宅や医療、工作機械などの分野を変わらずしっかり支えていく『不易』の部分と、自動車がガソリン車からEV、燃料電池車へ変わるように次世代型へ転換する業種もあるので、そこをしっかりキャッチアップしていく、これが『流行』の部分、その両方を備えた会社を目指します。」と五十嵐は今後の展望を話す。

最後に「ものづくり共創プログラム」の会員企業へのメッセージをお願いした。

「当社の商品は、工場であり、そこで働く人により生み出される“ものづくり”です。この力を、NECグループだけではなく、より多くの企業に活用いただき、国内のものづくりを盛り上げたい。それに向けたメッセージとしては、ぜひ当社のラインを見ていただきたいということ。そこには、当社が続けてきた生産革新のすべてが凝縮されたラインがあります。このラインを見学した多くの企業の方は、両手を使い流れるように作業する匠の姿をみて、驚き、感動の声を上げます。そのすごさは言葉で表現できませんので、ものづくりを学びたい方は、ぜひ一度伊那谷まで足を運んでいただきたい。」

伊那谷には、驚嘆すべきものづくりの匠がいる。生産革新とは何か、改善活動の目指す姿とは何か、流れをつくるとは何か、その答えを知りたい方は、一度伊那谷の匠に会ってみてはいかがだろうか。

(2014年1月掲載)

ページの先頭へ戻る