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NECものづくりコラム 匠の系譜 <第2回>

NECものづくりコラム 匠の系譜 <第2回>

NECグループが挑み続けた生産革新の舞台裏に迫る <後編>

「匠の系譜」第2回は、前回に引き続きSC統括本部 エグゼクティブエキスパートの渡邉 祐子の後編です。本編では、生産革新に欠かせない人材育成の話を中心に、2012年6月にスタートした「ものづくり共創プログラム」発足の経緯やその狙いを紹介します。

現場での失敗なくして、改革の伝道師は育たない

生産革新の実情を知り尽くす渡邉は、現場を変えるには伝道師の存在が不可欠だと話す。

「同じコンサルタントの先生が教えても、できる企業とできない企業が必ずあるんですね。前回、私が岩城さん(※)の言葉を理解できなかった話をしましたが、ああいうことはどこの企業でも起きるのです。コンサルタントは、四六時中工場にいるわけではないので、結局、改革のカギは現場でその言葉を咀嚼してみんなに伝道できる人の存在なんですね。
伝道師は、頭で理解するだけではダメで、体感を伴った言葉を持てるかどうかが重要です。指導会では理解できたつもりでも、それを現場に伝え、一緒に実践するのは難しいものです。結局、コンサルタントの言葉は自身の体験に基づいているから説得力があるわけで、社内に広める伝道師にも体験が必要なのですね。」

渡邉は、伝道師になるには多くの失敗が必要だと言う。

「私も数多くの失敗を重ねてきました。それを許してもらえる環境があったことが、私にとって幸せでした。ひどいときは複数の工場で、3通りの生産方式を試し、一番うまくいった方式を後で全工場に展開し直すといったように、壮大な実験をさせてもらいました。何度も失敗を繰り返すと、そのうちに、こうするとうまくいかないという結果が、あらかじめわかるようになるのです。

今、現場では、私より10歳ほど若い人たちが必死に考えて『このやり方ならうまくいくと思います』と、以前失敗したやり方を提案してくることがあります。そのやり方で以前失敗したことを伝えた上で、それでもやってみたいという時には、あえてやらせています。なぜ失敗するのか、本人が体感しないければわかりませんから。企業が絶えず生産改革を続けていくには、10年20年先の後輩が同じような経験をしながらスパイラルアップして成長することが、何よりも重要なのです。」

  • *(※)トヨタ生産方式のコンサルタントとして2000年からNECの生産現場を指導した岩城生産システム研究所代表の故岩城宏一氏

切磋琢磨しお互いを高めあう、“One NEC”の理念

NECは、現場の改革と並行して生産革新を担う人材の育成にも注力してきた。具体的な取り組みとしては、グループが一堂に会して各社の事例発表や勉強会を行う「ものづくり総合展」、NECの社長と幹部、BU(Business Unit)や生産拠点トップ、生産革新の推進担当者らが集まって開催する「統合SCM生産革新セミナー」などがある。

さらに、2006年10月からは「生産革新の社長会」を開催。これは先輩社長が後輩社長に現場のマネジメントを伝える勉強会。新たに社長に就任する人の中には、製造マネジメントから長く離れていた人や、現場の経験がない人もいるので、この会で先輩社長と後輩社長が議論を交わす場を設け、さらに、ここでの学びを次の社長会までに「私の変化」と題するレポートにまとめて提出させる課題もある。

こうした活動以外にも、各社の生産革新の推進責任者を対象とする「室長自主研」、生産拠点の将来の幹部候補生を対象とする「NEPS自主研」などを開催している。この会は会社の枠を超えて40人前後のメンバーが集まってチームを編成し、2泊3日で他社の現場を改善する勉強会だ。会場を提供する企業は『我々はここまで改善してきた。さらに改善できるならやってみろ』と意気込み、参加者は『必ず改善して結果を出してやる』と腕まくりする。

この活動に参加した各社の生産性は、過去6年間で3~10倍も向上するという驚くべき成果が現れている。

ほかにも、生産技術での自主研や論文大会、幹部候補生に対する外部での教育機会の提供など、生産革新を推進する人材育成の活動は、今も継続して行われている。

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「統合SCM生産革新セミナー」の模様

日本の製造業の素晴らしさを、伝え続けるために

生産革新活動を続けてきたこの20年は、組織づくりの歴史でもあった。人のレベルが上がらなければ製造のレベルは上がらない。ものづくりだけをやってきたように見えるが、実際にはお客様との関係も含め、どうやったら効率のよい会社になるかのチャレンジだった。

そのひな形としてトヨタ生産方式を学び、お客様とサプライヤと工場の関係のベストマッチをデザインし、そこへ登る方法をコンサルタントに解きほぐしてもらったというのが、これまでの歩みだった。

「この活動を通して、私たちはあらためて日本の製造業の素晴らしさを実感しました。先にお話しした勉強会で、国内大手メーカーの社長さんに講演を依頼したことがありました。どこかの会議で名刺1枚いただいただけのご縁にもかかわらず、お願いすると快く引き受けてくださり、本当に感動しました。
これが日本の製造業の素晴らしさなんです。日本の製造業にそういう素地があったから、私たちは学ぶことができたのです。だから、今度はそれをお返ししなければいけない。その取り組みとして立ち上げたのが『ものづくり共創プログラム』なのです。」

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