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NECものづくりコラム 匠の系譜 <第10回>

NECものづくりコラム 匠の系譜 <第10回>

現場の力と先進のインフラを融合し、BTOサーバの業界最短納期を実現

「匠の系譜」第10回は、2014年7月1日にNECインフロンティア、NECインフロンティア東北、NECアクセステクニカ、NECコンピュータテクノの4社統合により発足した新会社NECプラットフォームズです。旧NECコンピュータテクノで行われていた生産革新の取り組みについて、滝沢 正(旧NECコンピュータテクノ取締役)と中西 孝征(NECプラットフォームズ生産本部甲府生産統括部装置製造部シニアエキスパート)に話を聞きました。

弱いからこそ地道に続けてきた生産革新の歩み

「生産革新は、絶対に止めてはいけません。止まったらあっという間に衰退してしまいます。だから、地道に足を止めずに進み続けるしかないのです」と、旧NECコンピュータテクノで生産革新活動を先導してきた滝沢は言う。

「我々は、製造会社の中で決して強者ではありませんでした。弱いからこそ鍛えなければならなかった。愚直に、着実に、足を止めずに。ふと気付いたら、いつの間にかそれが自分たちの宝物になっていた。それが我々の生産革新活動だと思っています」と中西は生産革新の道のりを振り返る。

多品種・偏量に対応するBTO生産ラインが強み

甲府事業所では、スーパーコンピュータやサーバ、ストレージ、またATMや家庭用蓄電装置など、さまざまな製品を開発・生産している。数ある製品群の中でも、ものづくりのノウハウが凝縮されているのが、BTOのサーバ生産ラインである。

「我々の特徴を端的に言えば『多品種・偏量生産』です。『へん』は“変わる”ではなく“偏る(かたよる)”がふさわしいので、あえてこの字を使っています。BTO製品は、カタログの機種名だけで40以上あり、CPUやメモリなどのカスタマイズを行うと、数えきれない組み合わせがあります。また、ボード生産では1日に100種類以上の製品を造ることも珍しくありません。変動する条件に合わせて生産方式の改革を行いながら、無駄なく効率的に生産できる仕組みを整えてきたこと、それが我々の強みです」と滝沢は説明する。

「量と品種。この2つの変動要素にどう対応するか、そこにノウハウがあります。量の変動へは人員を柔軟に変動させて対応します。ラインは数量に応じてオペレータを増減出来るようにしており、それでも間に合わない時には、隣合う2本のラインで同じ製品を造れるようにしておいて、変動に応じて2本のラインで生産する『ブリッジ』という方法を使って対応します。品種の変動には、同一ラインで複数の機種を生産できるようにすることで対応しています」と中西が補足する。

注文から4営業日後の納品を実現するSCMシステム

甲府事業所の最大の特徴は、注文からわずか4営業日(※遠地の場合、日数は異なる)で納品を可能にした業界最短のスピード生産である。サーバの仕様が数万通りを超える注文に対しても、「100%納期回答、100%回答納期遵守」をうたっている。

この仕組みの起点となるのが納期回答システム(ATP)だ。営業担当者は、注文を受けた時点で、このATPから工場の空き状況を確認し、まるで飛行機の座席予約をするようにラインの枠を確保する。枠が決まると自動的に納期が算出され、出荷便の日程が確定、そこから逆算して生産投入日が決まる。

「短納期実現の肝はインフラです。生産管理システム『VICS』、自社開発の生産ライン支援システム『Shingen』、物流管理システム『BOSS』、納期回答システム『ATP』、これらのシステムがリアルタイムに連携し、各部門に適切な指示を出せるからこそ、地道に改善を積み上げてきた生産ラインと連携して4営業日という短納期が実現できるのです」と滝沢は説明する。

概要図:BTO生産を支えるSCMシステム。NECグループ基盤システムとシームレスに連携した生産管理/支援システムでSCM全体を最適化。

図 注文から4営業日後の納品を実現するSCMシステム

「なぜ?」を5回繰り返した先に、本当の原因が見えてくる

甲府事業所の現場では、「工程FMEA」と「なぜなぜ分析」と呼ばれる品質を高める取り組みが活発に行われている。

FMEA(Failure Mode and Effect Analysis)とは、工程設計の潜在的な欠点を見出すために起こりうる故障モードと影響を事前対策として定量的に解析・評価することで、トラブルの未然防止を図る手法である。もともとは1940年代に米国陸軍が開発した手法で、1970年代にフォードが取り入れ、その後自動車業界を中心に拡大し、現在ではさまざまな産業で使われている。

甲府事業所では、新製品の立ち上げ前に不具合を想定し、その発生頻度、検出可能性、影響度などを数値化し、リスクを明確化するために活用している。

「作業者のミスがお客様の要求品質にどのような影響を与えるのか、事前に想定してリスト化しています。その上で不具合が発生しない様にまた、万が一発生しても流出しない様に工程設計をしています」と中西は説明する。

しかし、どれほどリスク回避策を講じても、ミスはゼロにならない。だから、ミスの発生時に、その原因を究明し再発を防ぐ仕組みが必要になる。その役割を果たすのが「なぜなぜ分析」だ。

「問題はミスをしたとき、真因を突き止められるかどうかです。一般的には、3回『なぜ?』を問えといいますが、私は5回まで問うべきだと言っています。たとえば、1度目に問うた『なぜ』への答えは、寝不足のうっかりミスかもしれません。それを受けて2度目の『なぜ』には、間違いに気付かず作業を続けてしまったという答えが返ってくる。さらに3度目の『なぜ』を重ねると、部品の取り違えがあったことがわかります。
ここで『以後、気をつけるように』で終わらせてはいけません。さらに『なぜ』を重ねることで、配置や供給方法など仕組みやプロセスに潜む課題がみえてくることがあるからです。そこまで『なぜ?』を繰り返して、ようやく根っこがわかり改善策が打てるのです。作業者を叱るのではなく、仕組み、プロセスの改善に繋げることが大切です。」と滝沢は言う。

概要図:未然防止:不具合を作り込まない作業の確立。施策:行程FMEA用拡大。生産ラインの品質を予測/評価、リスクある作業へ未然防止を実施

図 生産ラインに潜むリスクのある作業を未然防止する「工程FMEA」

概要図:再発防止:起きた問題は源流から徹底分析し二度と起こさない。施策:なぜなぜスキル向上。再発防止活動推進:なぜなぜ教育で問題解決力を向上

図 ミス発生時に原因を究明して再発を防ぐ「なぜなぜ分析」

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