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NECものづくりコラム 匠の系譜 <第1回>

NECものづくりコラム 匠の系譜 <第1回>

現場で実践を重ねる中、ある日突然、神が降りる

1997年頃、米国のDELLコンピュータが個別受注生産のBTO(Build to Order)方式で急成長を遂げ、業界に大きな衝撃をもたらす。NECも、1998年には本格的なBTOへの取り組みを開始。2000年には、かんばん方式を採用した全社規模のデリバリ改革に着手した。その時期、トヨタ生産方式を知り尽くした岩城生産システム研究所代表の故岩城 宏一氏が生産革新のコンサルタントとして指導についた。

「最初は、岩城さんが何を話しているのか理解できませんでした。たとえば、岩城さんはどの現場に行っても大事なことは『レイアウトです』と言うのです。それを聞いた私たちは、あちこち飛び地になっていた工程を一本にまとめて一生懸命レイアウトをつくるのですが、何度やっても『レイアウトです』と言われてしまう。
今でこそ、『真の狙い』の理解が十分でなかったことが言わせた言葉だとわかるのですが、最初の1年間はその言葉の意味を理解できませんでした。」

しかし、理解できないながらも、自分なりに整理し、実践を続けていくと、ある日突然、“わかる”瞬間が来ると渡邉は言う。
「理論を考え続け、現場で実践を重ねていると、ある日突然『あ、これが狙っていた姿なんだ』と、神が降りたようにわかる瞬間があるんです。岩城さんが言っていた『レイアウト』って、これかとすっきり理解できる瞬間がくるんですね。」

BTO:受注生産、製品在庫と欠品を撲滅。1.受注は、営業が受注管理システムに注文入力、2.受注情報が工場へ、受注単位で生産、3.納期回答が受注管理システムへ、4.工場から出荷。※個別仕様で組立出荷も可能に

図 BTO生産方式の生産プロセス

デリバリ改革なくして、生産革新は成り立たない

BTO実現に欠かせない生販連携実現の肝は、デリバリ改革だった。NECのデリバリ改革のポイントは、お客様の要求納期に対して工場が直接回答する仕組みにある。工場が回答する理由は、現場の近くでしか、資材のひっ迫状況などの詳細情報を正確に把握できないからである。
納期回答には、ATP(Available to Promise)システムを利用する。納入日時が決定すると、全国の物流便が、どこに何時までに着かなければならないかを逆算して算出し、それに応じて工場からの出荷便の日時を確定。お客様にお届けする配送便の出発時間に合わせて、すべてが同期して動く仕組みが構築されている。商品の供給方式は2つに分かれる。

1つは、在庫を持ち後補充で対応する標準品の供給。もう1つは、ある程度の標準的なユニットまで後補充で行い、その先は個別仕様に沿って作れるよう情報システムで現場を補強するBTO製品の供給。BTOラインでは、一台ずつ違う構成の製品が流れるが、お客様ご指定の構成で検査できるよう工程が整備されている。

大震災の様な特別な事態が起こらない限り、工場は回答した納期を100%遵守しなければならない。また、サプライヤも、同期を取りながら受注した部品だけを出荷時間までに生産、その部品は各エリアの物流ターミナルに集められ、時間通りに補充できるよう物流網が整備されている。
この仕組みは、NECグループだけで実現できるものではない。パートナーである物流会社およびサプライヤまで、すべてのサプライチェーンがシームレスに連動しなければ機能しない。

「2000年にデリバリ改革の構想を描き、ようやく実現したのが2003年でした。従来は工場に不信感を持っていた営業たちの理解を得るために何度も何度も説明に伺い、工場見学もして貰って、信頼関係を築き、綿密な計画を行い、3年かかってようやく実現できたのです。

新デリバリ体制での出荷は、忘れもしない2003年の2月14日バレンタインデーでした。午前0時、凍てつくような寒さの郡山のセンターで出荷式が行われ、東京行きの第1号便を手を振って送り出しました。運転手さんに何か記念品を渡そうという話になり、チョコレートを渡したことを今も覚えています。」

お客様の希望商品(PC、プリンタ、サーバ、NW製品(音声サーバ)、電話機)は、営業(納期シミュレーション、受注計上、納期調整要求、搬入日決定)、 次に工場(生産開始、生産、工場出荷)、そして物流(客先最寄りTM(品揃)、客先への搬入)

図 全生産拠点が同じ生産方式で同期

20年以上に亘る活動を経て見出した、ものづくりの極意

振り返ればNECグループの生産革新の歴史は、「製造現場単位」の活動を進めた1990年代、次に販売・生産・物流を連係する「サプライチェーン構築」を推進し「事業単位」の活動に取り組んだ2000年代前半、さらに開発生産連係、業務標準化を進め、顧客起点のものづくりとして、「工場、BU(Business Unit)単位」の「経営革新」活動に取り組んだ2000年代後半があり、そして2010年頃から現在も続く「One NEC単位」と呼ぶNECグループ全体の活動へ進化してきました。

「NECグループは、宇宙へ旅立つ『はやぶさ』のような一点ものから、在庫を構えて販売する量産品まで、さまざまな製品を製造しています。目的や製造方法が異なるさまざまな製品をつくるラインはすべて異なると思われがちですが、実は現場の作り方はいくつかの標準パターンの組み合わせでしかありません。

ある意味、この標準化されたパターンこそ、過去20年間に渡り取り組んできた生産革新の成果であり、ものづくりの極意といえるものです。この標準化されたものづくりのノウハウを、外部に提供できるよう体系化したものが、2012年6月からスタートした『ものづくり共創プログラム』です。」

後編では、生産革新に欠かせない人材育成の話を中心に、「ものづくり共創プログラム」の概要や目的を紹介します。

(2013年11月掲載)

NECグループが挑み続けた生産革新の舞台裏に迫る <後編>

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