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キヤノングループの皆さまへ
NEC Mail Magazine for Canonグループ様
松下裕に聞く。日本の製造業が継続成長するための「ものづくり共創」とは?

松下裕に聞く。日本の製造業が継続成長するための「ものづくり共創」とは?

製造業こそは日本のお家芸である。という自負と、海外のグローバル製造業の台頭への危機感とで、「ものづくり」現場の改善や革新を日々続けている日本の製造業。キヤノングループの皆様も、【内製化】【自動化】【コストダウン】によるグローバルものづくり競争力の強化を実践されてきたと思います。

NECにおいても1990年代より生産現場での生産革新活動に注力するとともにサプライヤーやロジスティクスにも革新の領域を拡げ、設計からデリバリーまでのサプライチェーン全体の改革に現在も取組んでいます。
このNECグループのノウハウを広く日本の製造業の皆様にお伝えし、互いに学びあい課題解決のための気づきを得られる場をご提供したいと考え、2012月10月に「ものづくり共創プログラム」をスタートさせました。

グローバル化や市場の多様性が急ピッチで進む中、一企業の力だけでイノベーションを起こすことはほぼ不可能です。このプログラムをスタートさせて2年が経過した今、ものづくり共創への新たな思いや更なる改革への期待について、プログラムのオーナーであるNECエンタープライズビジネスユニット執行役員の松下裕(まつした ゆたか)に聞きました。

「今日の最適解が、明日の最適解とは限らない。」

写真:執行役員 松下裕

NEC エンタープライズビジネスユニット
執行役員 松下裕

Q.ものづくり共創プログラムをスタートしたきっかけを教えてください。
A.NECのものづくりは1990年代、そしてリーマンショックと何度か危機的な状況を経験しました。最近でも携帯電話事業の見直し等、事業構造の見直しに生産現場がスピーディーに追従しなければならない場面がありました。そのたびに、15年以上生産革新に携わってきたメンバーによる構造改革や改善活動で危機を脱してきた。その手法は、広く枠にとらわれずに改革を進めること。具体的には自社だけでなくサプライチェーン全体の改革を実践です。そのノウハウを外出しすることにより、日本の製造業全体に生かしていただき元気を取り戻してほしいという思いから「ものづくり共創プログラム」を発足させました。

サプライチェーン全体の改革イメージ

Q.「日本の製造業が元気になる」というのは具体的にどのようなことですか?
A.グローバル化で生産工場が海外にシフトしてきた中で、NECの日本におけるものづくりは労働生産性の高さと品質の高さによる高付加価値製品の生産で競争優位性を追求してきました。しかし、市場変動のスピードがますます加速する今、自社内だけの改革では限界があります。そこでNECは、NECの価値定義やコスト意識を協業するサプライヤーさんや物流業者にも広げて改革を進めています。日本の製造業が元気になるためには、こうしたものづくり革新の文化を事業規模や業種の枠を超えて、広く日本の製造業に残していくことだと考えます。
Q.それで「ものづくり共創」なのですね。
A.はい。NECもトヨタの生産革新に学びながらイノベーションを続けてきました。ただし、トヨタからすべてを学んだのかというとそうではない。
みなイノベーションには“気づき”が必要だとわかっているが、気づくためには殻に閉じこもっていてはいけない。どういうことかというと、「この企業は規模が違いすぎる。」とか「作っているものが違うから参考にならない。」などという先入観を持たずに、広く学ぶことが重要だと思っています。
言い方を変えると、グローバル化が一気に進み、中国をはじめとする新興国が市場として重要になってきている中では、自社で昨年来検討してきた改革はもう古いかもしれない。最適解は常に一定ではない、ということです。
写真
写真NECグループ工場の外観

具体的な例を挙げると、先日、NECの米沢にある工場見学を食品、化学、素材業の皆様に向けて実施させていただいたところ、大変大きな反響をいただきました。NECの工場=労働集約型の工場のオペレーションを見ていただくことでお役にたてるのかどうか正直自信がなかったのですが、結果は非常に参考になったと言っていただきました。スペース設計(配置)や時間管理手法等が非常に参考になり、新たな視点で改革を考えてみたいというご意見をいただき、大企業だから中小だから、素材だから組立だから、という枠組みはイノベーションの妨げになっていると確信しました。

Q.「ものづくり共創プログラム」2年を経過していますが、当初と変わったことやこれからの進め方についてお聞かせください。
A.
写真分科会の様子

当初はNECグループの“ものづくり革新”の取組みをご紹介して、同じ“ものづくり”に携わるお客様同士でディスカッションしていただこうと考え、その場を提供しました。徐々に会員が増えテーマごとの分科会も活発に行われるようになり、参加企業の皆様が自主的に自社の取組みをお話しくださるように なりました。「ものづくり共創プログラム」も次のステージに上がろうとしている。つまり、様々な領域で“日本の製造業”が共に勉強し高めあう場に発展していると感じています。

Q.最後に、キヤノングループの読者の皆様へメッセージをお願いします。
A.
写真:執行役員 松下裕ユーザー交流会での松下

かつて、NECもキヤノン様とともにトヨタ生産革新を学び、共に現場改善を進めてきた時期がありました。その後両社ともグローバルビジネスでの競争力強化を其々の事業で進めてきています。今、再び共に学び共に「日本の製造業」をより元気にするために、高めあうパートナーとして活動させていただきたいと強く思います。多数のキヤノングループの皆様に「ものづくり共創プログラム」へご参加いただきたいと思います。

ものづくり共創プログラム 「ものづくり研究グループ」について

写真全体交流会の様子

NEC C&Cシステムユーザー会(NUA)が運営する「ものづくり研究グループ」は、会員企業のものづくりへの見識、実際の検証や事例を持ち寄り交流することによって、気づきを持ち帰っていただく場をご提供するための実践的ユーザー会です。年に2度(東京、大阪毎)の全体交流会のほかに、テーマごとの分科会を設けています。また、非常に人気の高い工場見学も年に4回程度実施しています。

分科会について

「ロジスティクス分科会」 「設計・生産インターフェイス分科会」 「含有化学物質管理分科会」の3つの分科会活動を実施しています。それぞれのテーマごとにより深く学び、語り、課題検証をします。

2014年9月10日に開催した「ものづくり共創セミナー」(中国NUA主催)では、マツダ株式会社 常務執行役員の菖蒲田氏が、「マツダのモノ造り革新」によるご講演が大好評で、1ラインで複数車種を生産する混合ラインの見学も実施しました。参加者から「自社に持ち帰りたい」という声が多く聞かれたセミナーの概要をユーザー会冊子「コンセンサス」でご紹介しています。