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林エバンジェリストが語る 最新技術動向

林エバンジェリストの顔写真

エバンジェリストの林です。

今回は、IoTInternet of Things)での利用が進みつつある新しい無線通信である「LPWA」を取り上げてみます。

IoTで利用する通信システムには、従来のインターネット通信とは異なる特性が必要となります。流れる通信パケット(データサイズ)が小さく、高頻度に利用される(センサ・デバイスから見て「のぼり」が主)、消費電力を低く抑える等の要件を満たす必要があります。

このような要件を満たした無線通信技術で最近注目が集まっているのが「LPWALow Power Wide Area)」です。

今回は、この「LPWA」の基本的な概要と、その中で特に注目されているいくつかの通信規格の特徴について紹介してみます。

第42回 LPWA

LPWALow Power Wide Area)」とは、新しい無線通信技術で、最近IoTInternet of Things)向けの無線通信技術として注目が集まっています。

IoTで利用する通信の場合、一般的なインターネット通信とは異なる特性が必要となります。たとえば、低消費電力である点(様々な現場でセンサを利用する場合、電源をどう確保するかは常に問題となります)や、小さなデータパケットが大量に流れる点(各センサで取得されたデータを時系列で収集するために、小さなデータパケットが大量に流れる)、上り回線中心となる等です。

これらの条件を満たす無線通信技術として「LPWA」と呼ばれるカテゴリの無線通信技術があります。「LPWA」は、その字のごとく、低消費電力(Low Power)で、通信距離が長く、広いエリアで利用できる(Wide Area)といった特徴を備えた無線通信技術です。

無線通信技術を、通信距離(サービスレンジ)を横軸に、通信速度(帯域)を縦軸にとった図で表すと以下ようになります。

IoTシステムの全体像から見た場合の「LPWA」の適用領域は、図2の下半分の部分となります。すなわち、センサやデバイスから、エッジサーバまでの通信に利用される無線通信技術と言えるでしょう。

総務省発行の平成28年度情報通信白書によると、「LPWA」の利用者数は、2015年から2020年までの平均成長率38%となっており、2020年には、IoT接続総デバイス数31億台の28%を占めるまでに成長する予測です。

一般的によく利用される無線LANWi-Fi)の場合、通信帯域は、最大で約3.5Gbpsと高速な通信が可能(IEEE802.11ac:アンテナ4x4本の場合)ですが、通信距離が見通し100mBluetoothの場合は、24Mbpsで通信距離は数10m程度となっています。一方「LPWA」では、「LoRA」の場合、通信体域は250kbpsと低速ですが、通信距離が約10Kmと桁違いに遠くまで通信できるようになります。すなわち、より遠くまで届くが、あまり高速ではないという特徴を持っており、一般的なインターネットのような画像や動画ストリーミングを流したり、音楽ファイルをダウンロードしたりといった用途には不向きですが、IoTには非常に適していると言えるでしょう。

「LPWA」領域での無線通信規格としては、様々なものが存在していますが、このカテゴリで免許不要で利用できる無線通信技術として注目されているのは、「LoRA」、「Wi-Fi HaLow」、「Wi-SUN」の3つです。いずれもサブギガ帯と呼ばれる920MHz帯を利用するものです。

IoTで利用する通信の場合、ネットワークとして構成できるトポロジー(ネットワーク上の機器をどのような形態で接続するか)も重要になってきます。このトポロジーにより、接続できる総デバイス数や対障害性、通信効率も異なってきます。

一般的には、スター型、クラスタ・ツリー型、メッシュ型等のトポロジーが存在しますが、このうちIoTにとって理想的なネットワークトポロジーはメッシュ型でしょう。

メッシュ型ネットワークの場合、どこかのデバイスが電池切れや故障で通信できなくなっても、代替えルートを自動的に作り出すことが可能となるので、対障害性に優れています。

「LoRA」と「Wi-SUN」は既に利用開始されていますが、「Wi-Fi HaLow」は、現在規格が決まった段階で、実際の利用は来年度以降の予定です。

IoTの進化とともに、そこで利用される無線通信技術も日々進化しており、これらの技術は、IoT以外の領域でも利用されるようになるでしょう。今後の無線通信技術の進化に期待してください。


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