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林エバンジェリストが語る 最新技術動向

林エバンジェリストの顔写真

エバンジェリストの林です。

今回は、「フィンテック」を取り上げてみます。

「フィンテック」は、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、先進的なICTを活用して、新たな金融商品・サービスを生み出す動きを表しています。金融機関で利用できる新技術の集合体のみを指す言葉ではありません。例えば、ビットコイン等の仮想通貨に利用されている「ブロックチェーン」と呼ばれる技術や、店舗での決済でも利用が始まっている「顔認証」なども「フィンテック」の要素技術です。

これらで利用されている要素技術は、金融業のみならず、サービス業や製造業での経理や、トレーサビリティといったシーンでも利用が検討され始めています。

今回は、この「フィンテック」に焦点を当て、どのような技術が利用されており、どのような使い方ができるのか等のポイントをご紹介します。

第37回 フィンテック

「フィンテック」は、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、先進的なICTを活用して、新たな金融商品・サービスを生み出す動きを表しています。けっして金融機関で利用できる新技術の集合体のみを指す言葉ではありません。例えば、ビットコイン等の仮想通貨(電子マネー)に利用されている「ブロックチェーン」と呼ばれる技術や、店舗での決済でも利用が始まっている「顔認証」なども「フィンテック」の要素技術です。

「フィンテック」の普及に向けては、未来投資会議(議長・安倍晋三首相)で、2017年6月にまとめる政府の新たな成長戦略「未来投資戦略2017」にも取り上げられる予定です。その中で具体的なKPI(重要業績評価指標)を設定し、今後3年間で「オープンAPI」と呼ばれるフィンテック事業者が銀行のシステムに接続するための仕組みを80行以上に導入することを目指す意向です。また非現金決済の比率に関しても27年6月までの10年間で現行の倍以上に引き上げ、4割程度とする目標を定める予定です。

NECでも、20164月から、「FinTech事業開発室」を新設し、オープンイノベーションを通じたフィンテックサービスの開発、金融業・流通業・通信業や政府/自治体などとの協業による新規サービスの創出を進めています。

http://jpn.nec.com/press/201603/20160329_01.html

フィンテックを支える要素技術は、ブロックチェーン、AI、ビッグデータ、IoT、生体認証、ウエアラブルデバイスの6つになるのではないかと考えられています。今回は、この中で、ビットコインで有名になった「ブロックチェーン」を中心に説明して行きます。

「ブロックチェーン」は、「信頼できる主体」が存在しなくても「信頼できる分散台帳」を実現した技術と言えます。例えば、従来であれば、銀行にあるサーバ(民間銀行の勘定系システム)が帳簿を集中管理することにより、どの口座に幾らの残高があるといった情報や、実際の取引では現金を動かさず、銀行間のサーバのデータを移動させるだけで決済が終了するといった方法がとられていますが、このことは、「銀行にあるサーバ」=「信頼できる主体」といった関係があるからこそ成り立っています。

一方、「ブロックチェーン」は、この「信頼できる主体」を分散台帳という形で参加者全員が保有することにより、銀行にあるサーバをなくすことができるのです。従来の方式が集中管理方式に対して、「ブロックチェーン」は、P2P(ピア・ツウ・ピア)型の分散管理方式と言えるでしょう。

「ブロックチェーン」は、パブリック型とプライベート型に分類することができます。パブリック型は、運営主体が存在しないタイプで、仮想通貨で言えばビットコインなどがこれに相当します。また、プライベート型は、運営主体が存在するタイプで、リップルと呼ばれるアメリカの「Ripple Inc」社によって開発が進められている決済・送金システムなどがその代表です。

さて、「ブロックチェーン」は、仮想通貨や決済のみに利用できる技術ではありません。例えば製造業では、製品装置を構成する部品のトレーサビリティ・システム(いつ、どこで、誰が作った部品かを追跡できる仕掛け)として利用することができます。

従来のトレーサビリティ・システムであれば、主体者=製造メーカにサーバを置き、そこにすべての情報を集約するといった方法がとられますが、パブリック型「ブロックチェーン」方式を採用すれば、製造メーカにサーバを置く必要がなくなります。利用者を含めたサプライチェーン全体でトレーサビリティ情報を共有することが可能となります。

このような利用シーンが考えられる為、金融業のみならず、サービス業や製造業でも利用シーンが検討され始めています。

「フィンテック」の発展により、金融業が進化するのみでなく、産業構造や労働者の働き方、消費者の消費行動までもが大きく変化するでしょう。例えば、コンビニエンスストアやスーパー等での導入が進み始めているセルフレジ(自分で会計を行う方式)などが一般化すれば、財布に現金を用意するということ自体が古い考え方になります。公共交通機関を利用する際にも、SuicaIcocaといった電子マネーが当たり前になり、日常の移動や買い物には現金が無くても不自由しない状況になっています。

これらの中核をなすであろう「フィンテック」技術の進化に期待しましょう。


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