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林エバンジェリストが語る 最新技術動向

林エバンジェリストの顔写真

エバンジェリストの林です。

今回は、小売業界で起こっている大きな変化である「O2O(オーツーオー)」を取り上げてみます。

「O2O」は、オンライン・ツー・オフライン(インターネットを利用したオンラインショッピングの世界からリアル店舗の世界への誘導)、またはその逆で、オフライン・ツー・オンライン(リアル店舗の世界から、オンラインショッピングの世界への誘導)を行う仕組みです。

従来、オンラインショッピングのみ、リアル店舗販売のみなどの単独の販売チャネルを利用することが一般的でしたが、近年では、これらを融合し、うまく活用することにより、顧客囲い込みや利益拡大を目指すという方向に変わってきています。そのために位置情報や、SNS(Social Media Network)、電子マネー(ポイント)といったICTの有効活用が必須となってきています。

今回は、この「O2O」に焦点を当て、どこまで利用が進んでいるのか等の最新動向をご紹介します。

第25回 O2O(オーツーオー)

「O2O」は、オンライン(インターネット)の情報がオフライン(実世界)の購買活動に影響を与えたり、オンラインからオフラインへと生活者の行動を促す施策を指すもので、主にEコマースの分野で使われていた概念です。昨今ではEコマース分野に限らず幅広い分野で、「オンラインとオフラインが融合し相互に影響を及ぼす」仕組みや状況を表す言葉として使われるようになっています。

一般的には、オンライン・ツー・オフラインは、ネットからリアル店舗への誘導(スマートフォン等を利用した店舗への誘導を促すクーポン配置、店舗検索アプリ・SNS等によるリアル店舗への誘導など)であり、オフライン・ツー・オンラインは、リアル店舗からネットへの誘導(スマホアプリ・QRコード等を利用したECサイトへの誘導、リアル店舗とECサイトのポイント制度統合など)を意味します。オンライン・ツー・オフラインは、店舗での売り上げに大きな影響があるため、積極的に取り入れて行こうという店舗が増えてきています。一方、オフライン・ツー・オンラインは、店舗がショールーミング化するという理由から、嫌われる傾向にあります。たとえば、家電量販店で商品を吟味して、実際にはオンラインショッピングで安く購入するといった購買行動になります。

オンライン・ツー・オフラインの場合には、商品の認知・来店・購買といった購買行動における認知の部分で、ネットの情報をうまく活用し、ユーザを自社のリアル店舗へ誘導することになります。例えば、バーゲンなどを開催し、特定の日時に特定の店舗へ顧客を誘導します。この際、オンラインでの告知に加えて、バーゲンで利用できるディスカウントクーポンを配布したり、来店者に特別のプレゼントを渡すなど、実際にリアル店舗へ足を運んでもらう方法を検討する必要があります。

実際に店舗に来店しているのかどうかを判断する仕組みは、来店検知(チェックイン)技術として知られており、様々な方式が検討されています。

いかにユーザに面倒をかけさせることなく、確実に来店を検知する仕組みを構築することが重要です。NECでは、「スマホセンサー」と呼ばれる、Wi-Fi通信の電波を利用した来店検知技術を保有しています。スマートフォンでWi-Fiの利用をONにしておけば、実際にデータ通信がなされなくても、センサから30m程度の有効範囲でスマートフォンが発する無線LANのフレームを検知し、そのフレームから端末を識別できる情報を取得して、サーバで誰が所有しているスマートフォンかを割り出すということが可能となります。(もちろん利用に関しては、ユーザ端末の事前登録が必要です)

近年では、O2Oからもう一歩進んで、オムニチャネルという考え方も出てきています。実店舗やオンラインストアをはじめとするあらゆる販売チャネルや流通チャネルを統合すること、および、そうした統合販売チャネルの構築によってどのような販売チャネルからも同じように商品を購入できる環境を実現することを意味し、販路融合方式などとして知られるようになってきました。

このように、顧客をリアル店舗へ誘導する方式として、O2Oの利用が進んでいますが、反面、問題点も指摘されるようになってきています。

消費者がスマートフォンで価格情報を簡単に入手できるようになったことで、実店舗はオンライン店舗との価格競争に直面しています。店頭で商品を手に取りながら、スマートフォンで価格やクチコミを調べ、結果的にはオンライン店舗で購入するという購買スタイルなども出てきているのは前述の通りです。

また、常時携帯デバイスであるスマートフォンによって得られる行動履歴、購買実績などのパーソナル情報をはじめとしたいわゆる「ビッグデータ」は、うまく活用すれば新たな消費の喚起に繋がる資産となりえますが、一歩間違えるとプライバシーを侵害してしまう危険性も孕んでいます。

販売側では、今後ますますO2Oの利用検討が進むことでしょう。消費者側も、この仕組みのメリット・デメリットを十分理解し、安全に利用することが今後の健全な売買に必要となることでしょう。


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