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製造業におけるビッグデータ活用とは ~安心・安全・省エネ・競争力強化に向けて

多様かつ膨大なデータの中から新たな価値創出を図る「ビッグデータ」への注目がますます高まっています。多方面での活用が検討される中、大きな効果が期待されている分野が製造業です。RFIDやセンサー技術の進歩により、これまでとは比べものにならない多種多様なデータを収集・活用できるようになっているのが、その理由です。NECは「データ収集基盤」「高度な分析技術」「データサイエンティストの育成強化」という3つのアプローチでビッグデータ事業を推進し、製造業のさらなる発展に貢献しています。


エンタープライズビジネスユニット
理事
平野文康
(2013年11月14日「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2013」より)


「Internet of things」が生み出すデータを収集・蓄積する「CONNEXIVE」

NECはICTを活用した社会ソリューションの提供を通じ、社会・企業・団体の新たな価値創造への貢献に取り組んでいます。社会ソリューションの提供を支えるICTの一つとして、近年注力しているのがビッグデータ事業です。

当然、ビッグデータ活用を支援するソリューションの提供にも力を入れています。それがビッグデータ製品・サービス群を体系化した「NEC Big Data Solutions」です。多様なプラットフォームに対応したビッグデータ基盤をベースに、高度な分析技術や各種支援サービスをワンストップで提供し、ビッグデータからの新たな価値創出を実現します。

このソリューションは幅広い分野に活用が可能ですが、なかでも期待が高まっているのが、ものづくりを担う製造業分野です。昨今の製造業は製品を販売するだけでなく、提案型営業による付加価値の高いサービス提供や顧客との関係性強化が求められています。また機械・装置における保守作業の品質・効率の向上も大きな課題です。ビッグデータを活用すれば、こうした課題に対応し、競争力強化につながります。

製造業におけるビッグデータ活用を考える上で、重要なポイントになるのが「Internet of things(モノのインターネット)」です。製造業では完成品の品質管理や部品・部材の単品管理のためにRFIDを活用したり、機械・装置の安全管理のためにセンサー技術を活用するケースが増えています。つまり、コンピュータ以外にRFIDやセンサーを備えた様々な製品や設備といった「モノ」が情報通信インフラの一部になっているのです。ある調査によると、2015年までに160億台以上のデバイスがインターネットに接続されるようになると言われています。

今後のものづくりでは、「モノ」から収集される様々な情報を分析することにより、顧客サービスの向上や付加価値の提供に結び付けることが重要になってきます。情報通信インフラの一部となったモノをどう活用していくか。それが他社との大きな差異化ポイントになるからです。例えば、出荷する機械・装置にセンサーを設置し、幅広いお客様から収集される情報をもとに稼働状況、機器への負荷状況、トラブルの発生頻度などを分析すれば、歩留りを高める最適な運用形態などを提案できるようになります。

すなわち、モノの通信が生み出す大量のデータを収集する基盤を整えることが製造業におけるビッグデータ活用の第一歩と言えるでしょう。そのためのソリューションとして、NECは「NEC Big Data Solutions」を構成するプラットフォームの一つとして、M2M基盤「CONNEXIVE(コネクシブ)」を提供しています。

これは様々なデバイスに対応した統合的なデータ収集基盤です。業種横断可能な水平統合型プラットフォームで、デバイスの違いを意識することなく、あらゆるデータを収集することが可能です。

例えば、工作機械から稼働時間、加工回数、負荷主要部品の状態、消耗品の状態といった様々なデータをCONNEXIVEで収集・分析すれば、故障を予知し、早い段階でのメンテナンスを行うことが可能になります。

スケールアウト型のプラットフォームなので、拡張も容易です。まずは対象を絞り込んでスモールスタートし、順次適用範囲を広げていけるので、機会損失や無駄な投資を抑制できます。

グローバル展開を行っている場合では、海外拠点からのデータ収集にかかる海外通信事業者との交渉・手続きはNECがワンストップでサポートし、グローバル展開を強力に支援します。


「NEC Big Data Solutions」の構成概要

インフラやM2M基盤「CONNEXIVE」、高度な分析技術などで構成されるビッグデータ基盤をベースに、様々な支援サービスをワンストップで提供し、ビッグデータ活用による社会価値創造を強力に支援しています



センサーデータの分析から故障箇所の早期特定、設備不良の予兆検知が可能に

収集したデータから価値を創出するには、データの分析が欠かせません。そのため、NECはデータ分析の高度化に向け、独自技術の開発に積極的に取り組んでいます。その一つが「インバリアント分析」です。機械や装置に設置したセンサーからのデータ分析に活用すれば、モデルデータと観測データを比較して「いつもと違う挙動」を検出することができます。もちろん、その発生箇所を特定することも可能です。膨大な時間と熟練者の経験知が必要だったセンサーデータの分析作業を、自動で高速かつ高精度に行えるようになるのが最大の特徴です。

仕組みとしては、まず平常時に成り立つセンサー間の不変関係(インバリアント)を関係式として自動でモデル化します。このモデルの予測値とリアルタイムの観測データを比較し「いつもと違う挙動」を見つけ出します。

センサー間の関連性は機械学習により自動的に抽出。その際、データの相関関係の“強弱”から関係式を導き出すメソッドに独自の工夫が施されています。この関係式は高速演算可能なように単純化されており、人が総合的に判断するプロセスと同様に全てのセンサー間の関係性を網羅的に俯瞰します。これにより、専門家でも気づきにくい関係性を明らかにすることができます。例えば、これまでは関連がないと思われていた、ある機器の挙動が別の機器の異常予兆と強い相関関係にあるといった新たな発見も可能になるのです。

この技術は工場の生産ライン、、製造プラント、社会インフラなど様々な重要施設の故障予兆監視などに威力を発揮します。故障箇所の早期特定、設備不良の予兆検知が可能になれば、保全作業の効率化や維持コスト低減などの効果が期待できます。インバリアント技術は、プラントの監視において、熟練工による対応と設備機器による閾値監視に加え、“第三の眼”として位置付けられ、安全管理レベルの向上、維持を推進します。

実際、インバリアント分析を活用した「大規模プラント故障予兆監視システム」をある電力会社様の協力のもと、同社の発電所で実証を行い有効性が確認できました。具体的には発電所1基あたりに、約3,500個のセンサーから毎秒100件のデータを収集し、いつもと違う」を早期に検出できるようになり予兆監視精度の向上を実現しています。


「インバリアント分析」の概要

センサーからの時系列データをもとに不変関係(インバリアント)を関係式として自動でモデル化。このモデルデータとリアルタイムの観測データを比較することで「いつもと違う挙動」を検出し、その発生箇所まで特定します


混在するデータの中から規則性を発見し、高精度な需要予測を実現

データ分析に関しては、「異種混合学習技術」もNECが開発した技術として注目を集めています。高度な機械学習技術を応用しており、人の判断に頼ることなく、多種多様なビッグデータの中から、正確な規則性やパターンを自動で高速かつ高精度に見つけ出すことができるのが特徴です。

ビッグデータは異なる規則性を持つデータが混在している場合が多いため、小さなデータの集まりに分割しなければ実際の分析作業は行えません。しかし、人手による分割作業では膨大な分割パターンを網羅するのは非常に困難です。かといって、分割パターンが粗すぎると、パターンから外れるデータが多くなり、誤差が発生。予測精度の低下につながります。

その点、異種混合学習技術は、膨大なデータを適切に自動で分割します。そして分割パターンごとに他のデータに影響する因子と係数を自動算出し、予測式に基づく高精度な予知・予測を実現。従来、人が行っていたデータ分割、分析による規則性の発見という試行錯誤の作業を機械的かつ高速に実行し、有意な規則性やパターンを抽出するのです。この技術を活用すれば、様々な分野の需要予測や動向・傾向分析などが可能になります。

その結果、人手で5.8%だった予測の平均誤差率が2.7%に向上しました。またある小売業のお客様は賞味期限が短く、発注頻度が高い日配食品の需要予測にこの技術を応用。実証実験の結果、熟練の発注者に比べ、30%の廃棄ロス改善につながる成果が得られました。

異種混合学習技術はそのほかにも製品の適正価格予測、機器の劣化予測など、様々な分野への適応が期待できます。

この異種混合学習技術を活用して、大林組様はビルのエネルギー需要を予測する実証実験をNECと共同で実施しました。また、三菱重工業様とは船舶向けのエネルギー需要予測システムを共同開発し、省エネルギーによる運航コスト削減や環境負荷低減への貢献を目指します。


「異種混合学習技術」の概要

膨大なデータを適切に自動分割し、その中から人では検出が困難な規則性やパターンを抽出。その規則性やパターンを読み解くことで、今後の動向や傾向を予測することが可能です。エネルギーの需要予測や機器の劣化予測などに活用できます



2015年までにデータサイエンティストを600名体制に拡充

ビッグデータの利活用により価値創造を図るには、データ収集基盤や高度な分析技術に加え、データ活用の専門家の育成も重要なポイントになります。高度な分析で得られた規則性やパターンを予知・予測につなげるには、データを読み解き、実ビジネスへの適用をデザインする「データサイエンティスト」の存在が不可欠になるからです。 NECは現在約200名のデータサイエンティストを擁していますが、今後は人材の育成に力を注ぎ、2015年までにデータサイエンティストを600名体制に拡充する方針です。

今回ご説明しましたとおり、NECはデータ収集基盤や高度な分析技術と、データサイエンティストの育成、強化により、ビッグデータ事業を強力に推進しています。今後はICTを活用したものづくりのさらなる革新に取り組み、生産ラインの高品質化・安定量産化、設備障害・事故の防止、エネルギーロスの低減、サービス融合による新事業創出など、製造業の競争力強化支援をより一層加速していきます。