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第1回 データサイエンティスト女子部 セミナー
「わたしはこうしてデータサイエンティストになった」開催レポート

2016年8月30日

WISDOM編集部

見上紗和子氏(NECビッグデータ戦略本部・データサイエンス研究所)

ビッグデータを分析し、ビジネスに新たな価値を生み出す「データサイエンティスト」。「女性の職業としてのデータサイエンティストのあり方」を検討し、働く女性やこれからキャリアを考える女性に向けて積極的に啓発活動を行っているのが一般社団法人データサイエンティスト協会所属の女性が有志で行っている「データサイエンティスト女子部」だ。

平成28年8月1日、東京・渋谷dots.にて『第1回 データサイエンティスト女子部セミナー 「わたしはこうしてデータサイエンティストになった」』が開催された。

本セミナーは女性限定。データサイエンティストに興味を持つ参加者で席は埋まり、会場は和らいだ雰囲気に包まれていた。

松永智子氏(日本IBM・データサイエンティスト協会企画委員)による開会のあいさつ

講演1:『データサイエンティストになって見えたこと』

趣味は「自分センシング」。身のまわりのデータを日々収集、分析

NEC見上紗和子氏が登壇

最初にスピーカーとして見上紗和子氏(NECビッグデータ戦略本部・データサイエンス研究所)が登壇した。

大学時代は“符号理論”を学び、NECに入社後は研究所に配属。先端技術をビジネスに生かしたいと、2013年度ビッグデータ分析の部署に異動した。現在は「社内外の分析案件」「ソリューション企画」「NECの分析プロセス標準化」に従事している。

趣味は「自分センシング」であり、毎日のお弁当の写真を2年間撮り続け、家計簿も11年間つけ続ける等、日々データの収集や数字を計測しているという。

課題抽出とデータ分析で、お客さまのビジネスを改善

見上氏の業務は、お客さまを訪問して課題整理を行う『課題抽出フェーズ』と、実際にデータ分析を行う『分析フェーズ』に分かれる。ここで彼女が携わったある施設の来客者分析の事例をあげ、業務を具体的に説明した。

通常、分析はチームで行っており、コンサル、分析プロマネ、分析技術者と分業している。
今回、コンサル以外は女性のみのチームであった。

まず、お客さまに業務内容や課題をヒアリングし、データの収集を行い、分析する。来客者数を予測するにあたり、過去の来客者数、イベントカレンダー、気象等さまざまなデータをもとに分析するが、分析ツールにはNECの「異種混合学習技術」を使用した。

分析の精度を上げるには、予測と結果のグラフから、予測が当たっていないところを見る。例えば、水曜が予測と違っていれば水曜のフラグを追加するというように調整を行い、改善して行く。

来客数予測を行うことで、人員コストや廃棄ロスの削減などの効果が見込まれ、お客さまには、人手の予測による「経験や勘」でない分析ツールの力を認識していただけた。

データサイエンティストになってわかったこと

「分析は手段」そして「好きこそ物の上手なれ」

データサイエンティストになってわかったことは、「分析は手段」ということ。分析はあくまでも手段であり、ビジネスに生かして成果を出すことが何より大切だ。そしてもう一つ、「好きこそ物の上手なれ」ということだ。自分が興味を持てる分野は理解が早いという。

例えば、先ほどのお客さまの事例では「連休に遊びに行くなら最終日はゆっくりしたいから外すよね」と自分の身になって考えることができるので、予測を行うにあたり「連休何日目」であるかを考慮して分析することを思いつくことができたという。

同僚のデータサイエンティストに仕事のやりがいについて聞いたら「今注目の職業であり、若手でもお客さまから話を聞いてもらえる」「未開拓分野のため参加のチャンスがある」「権限委譲が多い」と言われたとのこと。若手でも責任を持てることが魅力のようだ。

「必要なスキルは、“一般常識”つまりユーザーの気持ちになれること。また“段取り力”も大事です。女性は家事などで鍛えられていますので“段取り力”があると言われたことがあります。」

講演2:『文系女子からデータサイエンティストになるまでの道のり』

「ド文系」からデータサイエンティストに

JALインフォテック木下朋子氏が登壇

続いて木下朋子氏(株式会社JALインフォテック 事業企画本部 経営企画部 マーケティンググループ)が登壇した。木下氏は会場に向けて「ここに文系の方はいらっしゃいますか?」と問いかけた。おおむね半数の人が手を挙げる。安心したように木下氏は続ける。

「私は文系でもともと国文学専攻。数学嫌い、数式読めない、統計学って何ですか?という状態だったんです。それが日本航空(JAL)のWeb販売部への出向を機にデータ分析業務に関わるようになりました。Web販売部ではJALのサイトの閲覧履歴やお客さまの情報を分析し、効果的な販促を企画します。今ではデータサイエンティストと呼んでいただけるようになって、専門誌の取材を受けたり寄稿したりしています。」

最初は失敗の連続。データ分析の楽しさで苦手意識を克服

セミナーには文系女子も多く参加

最初は失敗も多かったという。分析を行っても、売り上げに結びつかない結果しか出なかったり、分析結果を報告しに行っても「それは当たり前だろう」と言われたりしたことも。

また、データを分析用にクレンジングする作業が大変なこと、ビジネスの内容をよく知らないまま分析に入るにはひらめきの限界があったこと、数学的な考えの苦手意識を克服することが大変だったことなど、当初の苦労を語った。

そんな彼女が多くの失敗を乗り越え、苦手意識を克服した理由は「やっぱり楽しいから」だという。

データが導き出した結果にはビジネスを決定する力があり、その分析の現場にいるのは楽しいことなのだ。「そんなの当たり前だろう」と言われたことでも、見方を変えればデータが裏付けした事実なので、胸をはって正しいといえる。小さなデータで成功を積み重ねたことも自信につながった。

自分を成長させてくれたこと

彼女が成長したポイントとは何だったのか?

一つ目はやはり自分で勉強することだ。難しい専門書を読むのではなく、自分にあったレベルで参考になるものを見つけること。二つ目はツールを味方につけること。彼女はSPSS のModelerを使い倒しているそうだ。使いながら自分の小さなノートにマニュアルをまとめて、自分なりのルールブックを作ったという。そして三つ目は分析対象をよくわかっている担当との対話を大切にすること。それにより聞く力を養うことができた。

文系でもビジネス部門と対話ができればいい、ツールを使いこなせるようになればいい、自分で勉強すれば何とかなると、木下氏は会場の文系女子にメッセージを送って結んだ。

講演3:『パネルディスカッション』

データサイエンティスト協会企画委員多根悦子氏がモデレーターを勤めるパネルディスカッション

最後に、株式会社ブロードバンドタワー コンシューマ事業本部・データサイエンティスト協会 企画委員の多根悦子氏をモデレーターに、パネルディスカッションを行った。

Q

(多根氏 : 以下同)データサイエンティストとしての“やりがい”は何ですか?

A

「第2回データサイエンティスト・オブ・ザ・イヤーを受賞した同僚と同じ職場で仕事ができることでしょうか(笑)。彼も文系であり、理系でないと難しいと思っていた仕事のハードルを下げてくれました。」(木下氏)

「お客さまと分析結果が共感できた時ですね。数字で裏付けが取れたり、新しい要素が影響していることを発見したりして、それをお客さまと共感できた時がうれしいです。」(見上氏)

お客さまと分析結果が共感できた時はうれしい(見上氏)

Q

データサイエンティストとしてのスキルを身につけるためにどんなことをしましたか?

A

「セミナーに参加したり本を読んだりしました。自分のレベル感にあった本を読めばいいと思います。私は、難しい理論を無理に理解するのはあきらめてツールに頼るようにしました。やってみて“なぜこの数字?”と疑問に思ったところで、初めて理解できると思うのです。」(木下氏)

「統計学を一から勉強し直しました。私も難しい本は不得意で入門書的なものを読みました。先輩データサイエンティストに付いて行き現場で学ぶことも大切だと思います。あとは“段取り力”をお弁当作りで磨くことですか(笑)」(見上氏)

Q

女性データサイエンティストならではのエピソードは?

A

「各案件、可能な限り自分自身もエンドユーザとしての体験をするようにします。先ほどの講演で紹介した来客者数予測では、自身も来客者になって体験してみました。また、来客者を観察し、外国人が多いので、外国人客の観察も分析に必要だということがわかりました。余談ですが、靴の色を見て、日本人はシックな色が多く、他のアジアの方はビビッドな色が多いということに気がついたんです。そういうことは、女性ならではの視点かなと思います。」(見上氏)

「“いつ旅行に行きたい?”とたずねると女子はだいたい“9月”と答えます。“女子旅”の企画の時にそういう発想を盛り込めたのは女子ならではだと思いました。」(木下氏)

「データサイエンティストは、外のユーザーとの接する機会が多く、活躍できる場が多い職種ではないでしょうか?」(見上氏)

「一生続けられる仕事だと思います。色んな変化があっても対応できる職種。また、データをいじるのは会社でしかできないので、会社を出れば解放されます(笑)。ワークライフバランスに適した職種ではないでしょうか?」(木下氏)

データサイエンティストは一生続けられる仕事かも(木下氏)

会場からの質問を受け付け、パネルディスカッションは終了。その後の交流タイムでは両氏を囲んであちこちに人の輪ができていた。

本セミナーに参加し、これまではどんなすごい人たちなんだろうと感じていたデータサイエンティストだが、壇上で話されたお二人も、ふだんは普通の生活者であることにほっとした。また、文系であってもデータサイエンティストとして活躍できること、自分のレベルを考えた本から入ればいいこと、自分なりのツールを作るなどの工夫をして取り組めばいいことに共感できた。そして、こもりっきりでデータ分析を行っている仕事ではなく、外に出てお客さまと接したり、実際に体験して自分たちの感性を分析に生かしたりできるという職種であることが、強く印象に残った。

(2016年8月30日)

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