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車から発電所まで。社会を支える“ものづくり”に欠かせない! NECの「電子ビーム溶接機」

2016年6月24日

みなさん突然ですが、「溶接」って聞くと、どんなイメージを思い浮かべますか? わたしは町工場なんかで、お面をかぶった職人さんが火花を散らして、部材を溶かしているところを思い浮かべます。多くの方がこういったシーンを思い出すのでは?

「溶接」というのは、2つ以上の部材を溶かし合わせて、くっつける作業のことですが、実はわたしが思い浮かべる町工場の作業のほかにもいろいろな工法があるそうです。そしてNECエンジニアリングでは、一般的な工法では溶接するのが難しい金属の溶接ができる「電子ビーム溶接機」という特殊な機器を提供しているのだとか。NECがこんな溶接機を作っているなんてはじめて聞きました!

NECの「電子ビーム溶接機」は、自動車や航空機、発電所など、わたしたちの生活を支えるいろいろなモノや施設を作るときに欠かせないそうです。さらに、以前取材した海底ケーブルの製造にも深く関わっているとのことで、わたしはがぜん興味をそそられています(笑)。というわけで今回は、日本のものづくりを支えている「電子ビーム溶接機」にフォーカスをあてようと、NECの担当者にたっぷりお話を聞きました!

お話を聞いた相手:中島 透(なかじま とおる)さん
NECエンジニアリング所属、溶接関連の仕事に30年近く携わる専門家。業界最高水準の加速電圧を実現する最新電子ビーム溶接機「NEB-175シリーズ」の開発中心メンバー。

まずは実物とデモを見学!

  • 三田今回はNEC内の「電子ビーム溶接機」のデモ機が置いてある施設に伺いました。では中島さん、さっそく実物を見せてもらえますか?
  • 中島わかりました。これが「電子ビーム溶接機」です(とデモ機を見せる)。一つひとつの構成要素を説明していると、わかりにくくなってしまいますから、ざっと理解してもらうために、まずは作業の流れを見ていただきましょう。

電子ビーム溶接機全体イメージ

  • 三田お願いします。
  • 中島はじめに、溶接したい部材を加工テーブルの上に設置します。そして、そのまま作業スペース(真空チャンバ)の中に入れて、中を真空にしていきます。
  • 三田え、作業スペースを真空にするんですか?
  • 中島はい。ここは大切なポイントなので、あとで詳しくご説明しますね。作業スペースの中が真空になったら、準備完了です。この状態で操作盤のスタートボタンを押すと、作業スペースの上にある電子銃から電子の束(電子ビーム)が発射されて、部材を溶かしてくれるというわけです。では、ステンレスの部材を溶かすところを見てもらいましょう。スイッチオン!
  • 三田わー! 部材がまぶしく輝いています!

モニターに映し出された、部材を溶かしている様子。

  • 中島その輝いているところが、電子ビームがあたって部材が溶けているところです。はい、終了しました(と、真空チャンバをあけて、部材を三田に見せる)。この筋が、今溶かした部分です。

電子ビーム溶接機で溶かした細くて深い筋が見える部材(ステンレス)。

  • 三田あっという間に、こんな硬い金属を溶かすことができるんですね! しかも溶かした跡が、すごく細くて深い!
  • 中島その「細くて深い」ことが、電子ビーム溶接機の最大の強みなんですよ。

「細くて深い」が最大の強み!

  • 三田会議室に移動してきました。中島さん、ここであらためて電子ビーム溶接機とはどういうものか教えていただけますか?
  • 中島電子ビーム溶接機とは、細く絞り込んだ電子の束(電子ビーム)を高速でぶつけることで、部材を溶かして溶接する機器です。部材と部材を溶かし合わせた跡を「ビード」と呼ぶのですが、このビードが他の工法と比べて、非常に「細くて深い」のが電子ビーム溶接の特長です。ちょっとこれを見てもらいましょう。

各種溶接の比較図

  • 三田いろいろな溶接を比べた図ですか?
  • 中島はい。図の上の部分がエネルギー密度で、下がビードの深さを表しているのですが、ご覧のように、電子ビーム溶接は、他の溶接に比べて溶け込みが深くて細いですね。
  • 三田全然違うんですね! わたしたちがよく町工場なんかでお面をつけて溶接しているのを見かけますが、あれとはどう違うのでしょう?
  • 中島三田さんが言っているのはおそらくガス溶接だと思います。ガス溶接でも電子ビーム溶接でも、部材が溶けないと溶接することはできません。どちらも融点以上に温度をあげて部材を溶かしているんですね。ところがエネルギー密度の低いガス溶接では溶かすまでに時間がかかってしまいます。一方、電子ビーム溶接は、エネルギーの密度が高いので瞬時に溶かしてしまいます。
  • 三田さっきのデモでも、あっという間に溶かしていましたね。
  • 中島部材をゆっくり溶かすと、熱の影響が周りに広がってしまうため、ビードの形も横に広がってしまいます。一方、電子ビーム溶接は、焦点を絞って溶かしますから、溶かしたい部分だけ集中して熱をあてて、「細く深く」溶かすことができます。
  • 三田「細くて深い」ことはどんなメリットがあるんでしょう?
  • 中島ものを溶かすには、それだけの熱を部材に入れるわけです。熱を入れる範囲が広がると、それだけ膨張したり、冷えたときに縮んだりします。すると部材にひずみが生じてしまうのですね。ところが、熱を「細くて深い」範囲に入れられるとなると、ひずみが少ない高精度な製品ができあがるわけです。
  • 三田なるほど!
  • 中島また、例えばAとBの部材を溶接したときに、溶け合わせる部分が深くなると、合わさっている部分が広がるわけですから、接合強度も高くなります。つまり、「細くて深い」ことは、ひずみが少なく、接合強度が高い、良いこと尽くめの溶接につながるわけです。
  • 三田徐々に電子ビーム溶接の強みがわかってきた気がします! ほかに特長はありますか?
  • 中島融点の高い金属、つまり高い温度で溶ける金属の溶接ができます。高い温度で溶ける金属は、ガス溶接などほかの工法で溶接しようとすると、それなりに長い時間をかけて熱しないといけません。ところが電子ビーム溶接機は、エネルギー密度が高いので、一気に融点以上にすることができます。
  • 三田すると、周りへの熱の影響も減ると?
  • 中島その通り! さらに2つの金属の融点が違ったとしても、融点が高い方の温度以上に熱することができるので、同時に溶かすことができます。そういったことから、異種金属の溶接も得意です。そしてもうひとつ、「真空中で溶接する」というのも特長です。
  • 三田それ、デモのときにすごく気になりました!
  • 中島電子ビーム溶接では、電子の束を部材にぶつけるのですが、この電子は大気中だと、窒素や酸素などほかの分子の影響を受けてしまうんですね。そのため、真空中で溶接する必要があります。それで部材の中には、酸素と結びつきやすい活性金属などもあります。こうした金属を溶接するときには、「真空中で溶接する」ことが大きなメリットになるのですね。
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