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Innovators 100 Series Vol.29 喜田 弘司

未知のサイバー攻撃に立ち向かう研究者

2016年6月30日

Vol.29 CHAPTER2 未知のサイバー攻撃に立ち向かう研究者 喜田 弘司NEC ビジネスイノベーション統括ユニット サイバーセキュリティ戦略本部 エキスパート/セキュリティ研究所 主任研究員・工学博士:喜田 弘司

開発は、チームの結束力で

―新技術の特長や開発におけるこだわりなど、もう少し詳しく教えてください。

写真:喜田 弘司 氏

喜田:研究者は、ここだというピンポイントの機能に絞って研究を進める場合が多いのですが、セキュリティ対策には異常の発見から対応、運用を見据えたユーザインタフェースなど、いろいろな機能が求められてきます。そうしたいくつもの機能に対して、研究者自らがトータルに取り組まなくてはならないところに他の研究との大きな違いがあり、さまざまな苦労もありました。

この技術の最大の特長は、異常の検知、範囲の絞り込み、隔離までの自動化ですが、それ以外にも、さまざまなこだわりや工夫があります。異常を検知する判断基準は、実際の攻撃データを用いて、被害が出る一歩手前まで検証するなど、3年間かけて精査しました。

また、利用者にはエージェントをインストールしたPCの快適性を損なわないようにソフトウェアの軽量化を図ったり、最終判断を下す管理者に対しては管理用コンソールのGUIを向上させてネットワーク構造に合わせ全体像を可視化したりするなど、さまざまな工夫を行っています。

開発期間中は、社内の情報システム部門の責任者と何度もデモやディスカッションを重ねて、受け入れられるレベルまでたどり着きました。この新技術は、チームメンバー全員で作り上げた努力の証なのです。

―新技術開発において、喜田さんにはどんな苦労があったのでしょうか。

喜田:チームメンバーのモチベーション管理にいちばん苦労しましたね。研究者には、過去に蓄積された知識や実績を踏まえ、その先の目標を追求するという習性を持った人が多いのです。ところが、従来のセキュリティの常識と異なる今回の新技術開発は、逆転の発想で、過去の研究実績もなければ、ノウハウもありません。ゼロスタートで、ゴールもはっきり見えていないこの技術開発は研究の王道からズレていて、研究者にとってはかなり戸惑うものだったと思います。そうした状況ですから、チームみんなに対する求心力を維持することが大変でした。

新技術の実用化と商品化に向けて

―現在、喜田さんが担当している業務とは、何ですか。

写真:喜田 弘司 氏

喜田:現在は、開発研究者に加えセキュリティ事業や運用の関係者とともに、具体的な製品化や事業化に向けた体制作りを進めています。具体的な業務はマーケティング計画や商品化計画ですね。事業部門と折衝して、その結果を開発チームにフィードバックして商品化に向けた実験を依頼するなど、事業部門と研究者の間に立って、開発した技術を世に受け入れられる商品にするためのスキーム作りが、私の今の主な業務です。

―NECにおける喜田さんの歩みについて、教えてください。

喜田:私自身は、ずっとソフトウェアの研究者です。学生時代は、画像認識の研究を行っていました。NEC入社後に配属された関西の研究所では、今でいう秘書機能のようなヒューマンインタフェースの研究を行い、携帯電話から自分のオフィスのPCに電話をかけて音声認識によってスケジュール管理を行うソフトを開発しました。その後はウイルス対策のソフトウェア製作者として、実際にソフトを作っていた経験もあります。

産業や社会システムへの貢献も期待

―「自己学習型システム異常検知技術」の今後の展望を聞かせてください。

写真:喜田 弘司 氏

喜田:開発チームとしては、2016年度中の実用化を目指しています。今後は、実際に情報システムを運用している人たちの役に立つレベルまで、AIやマイニングを使ったこの技術をさらに磨き上げることが重要だと思っています。

ICT分野におけるセキュリティ対策はもちろんのこと、IoTの進展に伴い、さらに脅威が広がる産業や社会システムの分野における活用にも、大きな期待を寄せています。この技術は、社会システムのセキュリティ対策にも大きな強みを発揮してくれます。

―仕事に対する喜田さんのこだわりとは、何ですか。

喜田:企業の研究者としては、技術的に強い部分を持っているだけでは不十分で、事業化につなげるプロデュース力が重要と思っています。研究者が言うのも変なのですが、実は世の中ローテクでなんとかなっていて、新技術はなかなか受け入れられません。新技術だけにとらわれず、最終的に人に使われることを意識して、トータルな社会価値を考えることが重要と思っています。そのためには、「わからないことは、わかるひとに聞く」ことが大事です。さまざまな人と議論を繰り返し、広い視野と柔軟性を持つことがプロデュース力の源泉です。

写真:喜田 弘司 氏

―趣味や余暇の過ごし方を、教えてください。

喜田:趣味は、ロードバイクです。週末は、横浜から箱根まで足を伸ばしたり、横浜・江の島間を往復するなど、月に500kmくらい走っています。ロードバイクに乗って走ると、ランナーズハイのような気分になれます。日曜日に気持ちを無にしながら、自転車のチェーンをピカピカに磨いている瞬間も、自分ではけっこう気に入っています。

(2016年6月30日)

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