ページの先頭です。
ここから本文です。
サイト内の現在位置を表示しています。
  1. ホーム
  2. NEC Information Square
  3. Innovators 100 Series
  4. Vol.08 データ分析基盤設計のスペシャリスト 菅野 亨太
ここから本文です。

Innovators 100 Series Vol.08 菅野 亨太

データ分析基盤設計のスペシャリスト

2014年3月10日

Vol.08 CHAPTER1 データ分析基盤設計のスペシャリスト 菅野 亨太NEC 中央研究所 情報・ナレッジ研究所 データ&テキストマイニング テクノロジーグループ 主任: 菅野 亨太

膨大かつ多様なデータから、高精度な「予知・予測」を可能にする異種混合学習技術。世界に誇るこのNEC独自の分析エンジンのソフトウェア基盤の開発を担当するのが菅野 亨太。基盤開発チームのリーダーとして10年、20年を見据え、真に価値あるソフトウェアづくりに懸ける、研究者としての熱い思いやこだわり、その苦労などを語ります。

デザインするのは、ソフトウェアビジョン

―はじめに、菅野さんの仕事の内容について、わかりやすく説明してください。

写真:菅野 亨太 氏

菅野:現在、私の仕事は大きく2つあります。ひとつは、大規模なデータ分析に必要となる分散処理やデータ管理技術などの基盤技術研究です。たとえばNECが開発した高度な分析エンジンのアルゴリズムなどを、データセンター内のコンピュータを使って大規模かつ効率的に分散処理を行うための基盤づくりです。
もうひとつは、先進的ですぐれたソフトウェアをデザインしたり、つくり上げる仕事です。NECが強みを発揮する複数の分析エンジンやアルゴリズム、さらに分散処理技術やデータベース技術などを組み合わせて、お客さまにとってより高い価値を提供するためのソフトウェアのデザインを研究しています。
研究者というと、技術を追求して論文を書くといったイメージが強いと思いますが、NECのビジネスとして分析ソリューションなどが重要度を増す中で、高度な技術を組み合わせたソフトウェア開発も、私が勤務する研究所の大切な仕事となっているのです。ソフトウェアの基盤開発の仕事をひと言で表すなら、つくるソフトウェアの「ビジョン」をプラットフォームとしてカタチにすることです。

―ソフトウェアの基盤デザインは、ソフトウェア開発と、どう違うのでしょうか。

菅野
:それは、ソフトウェア開発という言葉の捉え方だと思います。一般的には決められた動作を処理するための機能を設計してコード化することだと認識されていますよね。たしかに、こうした設計やコード化もソフトウェア開発といえますが、それはソフトウェア開発の一部分だと私は思っています。

いいソフトウェアというのは、変更や強化を加えながら、お客さまや社会から求められる価値を10年、20年にわたって長期的に提供し続けられるモノです。その時々で求められる機能や技術だけをカタチにするだけでは、不十分なのです。新しいアルゴリズムの登場やお客さまからの新たな要望などの変化する環境に対して、ソフトウェアは成長しながら長期にわたって応えてくことが求められます。単純な動作設計と区別するために、私はソフトウェアの基盤デザインという言い方をしましたが、私の仕事がまさに本質的な意味でのソフトウェア開発だと思っています。

―ソフトウェアの基盤デザインは、ソリューション提供において、どんな役割を果たしているのでしょうか。

菅野:ICTベンダーが提供するソリューションにおいて、近年ではハードウェア技術やSI力に加えて、ソフトウェアの力が大きくモノをいうようになってきています。つまり、長期的な視点にもとづいて開発した強くて、高度なソフトウェアは、ICTベンダーの重要な資産となり、それがお客さまに対するより価値の高いソリューション提供につながります。どんなにすぐれた分析エンジンやアルゴリズムがあっても、それをソフトウェアとして効果的に機能させなければ、その価値は十分に発揮できません。また、お客さまの要求や技術の変化に応え続けていかなければ、いずれお客さまは離れてしまいます。ですから、先進アルゴリズムの開発者やお客さまの課題などに精通したデータサイエンティスト、そして私たちがチームとなって緊密に連携しながら、ソフトウェアとしての価値最大化を日々追求しています。

業種SEの実務経験を活かして基盤研究

―ソフトウェアの基盤デザインには、どんな知識や技術が求められるのですか。

写真:菅野 亨太 氏

菅野:ひと言で言うと、すぐれたソフトウェアをデザインして、コード化できる技術が求められます。
具体的には、データ分析におけるアルゴリズムの今後の動向や、将来におけるお客さまや社会の要求の変化に対する見識がまず必要です。さらに、分散処理など周辺領域における広い知識、オープンソースソフトウェアなどをはじめとする外部の技術にも目を向けることも必要になってきます。また、NECには世界に誇るさまざまな分析技術がありますが、こうした技術を理解しておくことも大切ですね。
もちろん、これらのすべてをひとりでカバーするのは難しいですから、それぞれの分野のエキスパートたちと連携することが、重要になってきます。

―菅野さんのNECにおける、これまでの歩みについて教えてください。

菅野
:大学時代は、ソフトウェアエンジニアリングを専攻していたのですが、卒業後はもっと現場を知りたいという思いから、業種SEとしてNECに入社しました。就職先としてNECを選んだ理由は、先進技術開発に対する真摯な姿勢やお客さまときちんと向き合う実直さを感じたからでした。
入社後は、Web系アプリケーションのフレームワーク開発のほか、物流や製造業などのお客さまのもとで実際のシステム開発などを手がけていました。さまざまなお客さまや課題に接しながら、業種SEとしてお客さまに育てていただいたという実感があります。当時のお客さまが、いまでも時々飲みに誘ってくださるのですが、そんな時はホントにうれしいですね。こうした業種SE経験は、いまの基盤デザインにおいても、とても役立っています。

その後は、社内の人材公募制度を利用して基盤ソフトウェアを開発する部門に移りました。業種SEとしての実務の経験と、研究所で開発している先進技術をうまく関係づけられたらいいなというのが、異動の理由でした。
現在の研究所での勤務は、2007年からです。研究所では、先進の技術開発や論文作成などの仕事も重要ですが、私としては単体の技術開発や論文の先にある実践的な価値の創造に関心がありました。お客さまの要求は、多様化かつ複雑化しています。従来のようにひとつの技術だけでは解決が難しくなっています。現在私がいる研究所の役割も、お客さまと一緒に価値を生み出す「価値共創の時代」へと大きくシフトしつつあります。研究所で開発された高度な先進技術を組み合わせたり、統合しながらお客さまに対して最適な解決法をソフトウェアというカタチで提供したい。いま、仕事を通して、そうした思いを実現しつつあるのでとても充実しています。

「10年に1度」くらいの、凄い技術との出会い

―基盤開発を進めている異種混合学習技術とは、どんな技術なのでしょうか。

写真:菅野 亨太 氏

菅野:流通の販売予測やエネルギーの需要予測をはじめ、ビッグデータを活用してさまざまな分野における高精度な「予知・予測」を可能にする異種混合学習技術は、NECが独自に開発した分析エンジンです。
私が、異種混合学習技術と出会ったのは2012年でした。アルゴリズム開発が専門でない私にとって、当初はその凄さがよくわからなかったというのが正直な印象でした。この技術の基盤デザインを担当することになり、応用数学や機械学習についてひたすら勉強をしたのですが、深く知るにしたがって、この分析エンジンの素晴らしさがわかってきました。私の実感としては「10年に1度」と言えるくらいの、すぐれた技術ですね。ソフトウェアの基盤デザインの開発者として、私が何よりワクワクするのは、その発展性にあります。このアルゴリズムをもとにいろんな分析エンジンがつくれる、いろいろな用途に拡がるという、未来への期待感が大きくふくらむからです。

―異種混合学習技術の基盤開発で、菅野さんはどのような業務を担当したのでしょうか。

写真:菅野 亨太 氏

菅野:異種混合学習技術に限らず、ソフトウェアの開発は「何をつくるか」という要求を分析し、設計してコード化するという作業は変わりません。そうした作業の中で、最も難しいのが、「何をつくるか」を決めることです。つまりソフトウェア基盤として目的やビジョンを明確にしたフレームづくりです。これを誤ると、つくるソフトウェアがぜんぜん違ったモノになってしまいます。
失敗しないためにはエンジンについての原理研究、お客さまの要求、そしてソフトウェアの実装技術について、深く知ることが必要です。さらに、間違えた時の損失をできるだけ減らすことも重要です。ですから基盤デザインでは、この「3+1」の工夫がつねに不可欠です。
異種混合学習の基盤開発では、ソフトウェアとしてのフレームをまず決めて、その将来像を描くロードマップづくりを行います。そして、策定したロードマップに沿って、実際のソフトウェア制作が進みます。2ヶ月ごとに検証を行い、間違いがないよう小まめに確認や修正をしながら、設計や制作を進めています。
私は制作におけるマネジメントやメンバーへの指示など、基盤開発の全体的な取りまとめが主な仕事ですが、書かれたコードには特に目を配るようにしています。今回の異種混合学習技術のソフトウェア基盤デザインにおいても、長期的な視野に立ってアルゴリズムや他の周辺技術などの最適な組み合わせによって、お客さまが求める価値の最大化を図るために力を注ぎました。

関連資料ダウンロード

会員登録(無料)が必要です。

ページ共通メニューここまで。

ページの先頭へ戻る