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Innovators 100 Series Vol.20 グレッグ・トレメリング

大規模蓄電システムの開発に取り組むエンジニア

2015年2月2日

Vol.20 CHAPTER1 大規模蓄電システムの開発に取り組むエンジニア グレッグ・トレメリング"設計から現場まで一通り経験することによって、結果的に、製品設計の全体像をつかむことができました。電気的観点や製品設計に限定せず、高い視点から見ることができたと思います。"
NECエナジーソリューションズ シニアマネージャー:グレッグ・トレメリング

グレッグ・トレメリングはアメリカ、マサチューセッツ州ウエストボロ市にあるNECエナジーソリューションズでシニアマネージャーを務める大規模蓄電システムのエンジニアです。ここではグレッグの仕事や、本事業において重要な安全性、彼自身とチームの歩み、さらにはNECにおける蓄電池の将来展望について語ります。

設計から現場のマネジメントまで一通り経験して、得たものとは

―まず、これまでの経歴について簡単に教えてください。

写真:グレッグ・トレメリング 氏

グレッグ:私はマサチューセッツ州ベーリンの出身です。生まれてからずっとここで育ち、住んでいます。出身大学はワーセスター工科大学で、数学を専攻しました。大学では主に2つのプロジェクトに参加しました。ひとつは、スイスで2カ月間、環境を観察するためのWEBカメラを設置するプロジェクトに参加、そしてもうひとつはゴダード宇宙飛行センターで、NASA向けの光学エンコーダを設計したというのが大学時代での大きな経験ですね。

―これまで携わった仕事について教えていただけますか。

グレッグ:NECエナジーソリューションズに入社する前は、アメリカのメーカーで無停止電源装置を設計していました。NECチームに電気設計技師として入社してからは、ハイブリッドバス用の200kWの蓄電システムや大規模蓄電システムなど、数多くのバッテリーマネジメントシステムの設計を担当しました。

設計部門で勤務した後は、プラットフォームエンジニアリングチームを作り、チームのマネジメントをするという新たな役割を担うようになったのです。ここでは、私が設計した製品の長期的な技術サポートを行いました。

プラットフォームエンジニアリングチームが軌道にのってから、スマートグリッド統合チームという社内の別チームを発足させることになりました。そこでは、受注から市場投入までの大規模蓄電システムの管理を一任されていました。

現在は新製品の開発側に戻り、設計・技術試験部門で勤務しています。この一連の意義は設計の仕事から始まって、次に下流で実際に自分が設計した製品をサポート・管理する仕事を経て再び設計へ戻るという、お客さまに対するプロジェクトを一通り経験できたことです。

この経験を通して、製品のライフサイクルを改善するためにはどのように製品が定義・設計され、開発されるべきなのか、特に製品がどうしたら使いやすくなるのか、どうやって作ればいいのか、どうやってテストしたらいいのかといったことについて、独自の見方ができるようになりました。

―このような経験を通して得たこととは何でしょうか?

グレッグ:こうした経験をつむことによって、製品設計の全体像をつかむことができました。つまり、単に電気的観点や製品設計に限定せず、高い視点から見ることができるようになったということです。この経験を通して、いかにして製造するか、テストを行うかということに重点を置くようになりました。

お客さまが実際に、製品を現場でどのように使おうとしているのかを理解することによって「どうしたら製品が壊れてしまうのか?どうしたらこの製品は動かなくなってしまうのか?」ということがわかるのです。やはり、直接たくさんのことを自分の目で見るのが一番なのです。私は現場に出て多くのお客さまと対話し、実際に起こった問題に対処してきました。そうすることにより、本当の意味で学習することができたと思っています。

次世代バッテリーマネジメントシステムの設計を担当

―現在携わっている業務についてご説明ください。

写真:グレッグ・トレメリング 氏

グレッグ:私たちのチームは、NECエナジーソリューションズにおける蓄電池の商品ラインのバッテリーマネジメントシステムと大規模蓄電システムを管理する、あらゆる商材の設計を担当しています。テストエンジニアリングチームの報告も、私のグループを通しているんです。

―各チームの業務内容について、もう少し詳しく教えてください。

グレッグ:試験設備グループは、品質管理のために生産過程で製品を試験する設備を設計しています。製品や電子機器を開発するのと同時に、それを支える試験設備も開発しなければなりません。試験設備を作れば、出荷する前に品質や機能をテストすることができます。必要に応じて、電気エンジニアリングチームと一緒に、多様な商品や大規模蓄電システムのバッテリーマネジメントの構築中にテストを行います。

今新しく設計している製品がいくつかあるのですが、とても面白いものなんです。新技術によって、低コストでフレキシブルに製造できるようになりました。また、従来よりも高いパフォーマンスを発揮し、拡張性も高まりました。現在は、次世代のバッテリーマネジメントシステムを開発しているところです。

再生可能エネルギーをうまく活用したい

―大規模蓄電システムとはどんな働きをするのか教えてください。

写真:グレッグ・トレメリング 氏

グレッグ:大規模蓄電システムは、本質的には電力系統の受給バランスを調整するシステムです。発電量が過多になった場合、電力系統からエネルギーを吸収することができます。また、電力が必要になったときには、蓄電システムに貯めたエネルギーを電力系統に戻すことも可能です。

時間をずらして電力量を均等にすることによって、多くの問題を解決することができます。太陽光発電や風力発電が採用されているところに大規模蓄電システムを導入すれば、非常に大きな価値が得られます。再生可能エネルギーは発電量が不安定なのですが、NECの蓄電システムがあれば電力の激しい変動を平衡にすることができます。蓄電池のアプリケーションとしては他に周波数調整や運転予備力に関するものがあります。

―大規模蓄電システムはどのように使われているのでしょうか?

グレッグ:NECエナジーソリューションズの大規模蓄電システムは世界で110MW以上の導入実績があり、さまざまな用途でお客さまにお使いいただいています。今回は時間の都合でほんの一部しかお話できませんが、実際にはもっと多くの蓄電システムを提供しています。たとえば風力発電によって生成された電力のランプ・レート(電源の立ち上がり時間)を制御する大規模蓄電システムの事例があります。また、運転予備力を提供するための蓄電システムサイトの事例もあります。これは小規模な蓄電システムを複数組み合わせて導入しました。

―大規模蓄電システムの特徴をいくつかご説明いただけますか。

グレッグ:通常、大規模蓄電システムは、システムが導入されたサイトで周波数、電圧と電流レベルを監視しています。計測された数値を使ってNECエナジーソリューションズの「AEROSコントロールシステム」は、定められた範囲の中でこれらのパラメータを使って全体のシステムを制御します。あるサイトでは16台の「53フィートコンテナ」を連携して稼働させることによって、1台の32MWの電源として使われています。

―日本ではたとえばどんな使い方ができるでしょうか。

グレッグ:そうですね、代表例は太陽光発電ではないでしょうか?太陽光発電は発電出力が急峻に変化します。系統が持つベースロードとしての発電量は、太陽光発電量の急峻な変化に応じた変更ができないため、ここには発電量のギャップが存在します。系統電力では安定性が求められるため、このギャップが太陽光発電が普及するのを妨げているのです※。つまり太陽光で発電しても、その電力を利用できない実態があるということです。この点は、日本に特有な電力問題として非常に興味深いです。それでも、現在日本で太陽光発電は実際に立ち上がりつつあります。

  • 電力には同時同量の原則があり、時々刻々と変動する電気の需要量に合わせ、供給量(発電量)を一致させ続ける必要がある。これが一致しないと大規模停電等が発生する恐れがある。

写真:バッテリーマネジメントシステム

写真のバッテリーマネジメントシステムはDC 960vで稼働するラック型の100kwh蓄電池を制御するものです。この製品には、NECエナジーソリューションズが特許を持つ「イコライザー」という大変ユニークな特徴があります。イコライザーとは異なるDC電圧の高電圧ラックをひとつのメインDC電源バスに自動接続するものです。高電圧ラックを他のシステムに接続する前に、他のシステムをオフラインにしたり、手動でラックの電圧を合わせる必要はありません。この製品により当社のシステムの可用性や保守性が向上します。このバッテリーマネジメントシステムで、蓄電池の制御や冗長による安全性の向上、さらに完全なる可視化を実現します。

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