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Innovators 100 Series Vol.05 岩田 淳

Mr.OpenFlow(ミスター・オープンフロー)

2014年1月31日

Vol.05 CHAPTER1 Mr.OpenFlow(ミスター・オープンフロー) 岩田 淳NEC 情報・ナレッジ研究所 所長代理/工学博士: 岩田 淳

―NECが製品化したUNIVERGE PFシリーズには、どんな特長があるのでしょうか?

岩田
:UNIVERGE PFシリーズは、OpenFlowをもとにNECが独自開発した技術、ProgrammableFlow(プログラマブルフロー)を実装しています。
この製品には、3つの大きな特長があります。第一の特長は、ネットワークのシンプル化です。サーバの位置など物理的な制約がないUNIVERGE PFシリーズなら、増設したいサーバをただラックにつなぐだけでネットワークの接続設定がOKです。離れた位置にあるサーバ同士でも、同じ機能を持った通信グループごとに設定を簡単に行うことができます。サーバの増設が頻繁に行われるデータセンターなどでは、これまで増設のたびに行っていた面倒で煩雑なネットワークの変更・設定から解放され、ネットワーク運用が驚くほどシンプル化できます。
第二の特長は、ネットワークの仮想化です。UNIVERGE PFシリーズは、物理サーバの移動や仮想サーバの増設・削除する際に、サーバやスイッチに手を加えることなく、ネットワークの再設定が自動的に行われます。いったん設定してしまえば、システムに変更があっても、ネットワークが自動的に追随するので追加の設定変更がいらなくなります。ネットワークの仮想化で、特にお客さまに評判が高いのが、バックアップシステムへの活用やセキュリティへの活用ですね。UNIVERGE PFシリーズの仮想化を利用すれば、本番システムとして設定したネットワーク環境を、そのままバックアップシステムへ転用ができます。これにより、短期間に少ないコストでバックアップシステム構築が可能になります。もちろん、NECのデータセンターでも、ネットワークの仮想化技術をバックアップシステムに活用しています。また、セキュリティへの活用は、医療機関など、様々な医療機器をネットワークへつないで診断を行う環境で頻繁に発生する医療機器の移動に際しても、間違わずに所定のネットワークに接続し、迅速に診断、治療可能な環境を実現したいといったシーンで役に立ちます。
UNIVERGE PFシリーズを利用すると、医療機器を移動させても、必要なネットワークへ自動的に接続させることが可能となり、人為的な誤接続のリスクを撲滅できます。
三つ目の特長は、ネットワークの可視化です。UNIVERGE PFシリーズは、判りやすいGUI画面で、ネットワーク全体のトラフィックの流れを、アプリケーション単位に見える化できます。可視化したネットワークの一元管理によって、混雑しているルートを瞬時に把握。別ルートにトラフィックの流れを切り換えることで、ネットワークの渋滞緩和を図ることも簡単にできます。また、万一ネットワークに障害が発生した時も、可視化によって障害箇所のすばやい特定ができるので原因追究や復旧のスピードアップが可能になります。

ビジネスの成長や社会ソリューションに貢献。

―OpenFlowを利用してSDNを実現すると、
データセンターや企業には、どんなメリットが生まれるのでしょうか?

岩田
:まずは、システム運用面からのメリットをお話しします。これまでは、新たなシステムやネットワークを構築するとなると、多くの期間とコストがかかっていました。SDNを活用すると、マッピングしたさまざまなネットワークをテンプレート化することで、ニーズや規模などに合わせたネットワークを簡単にデザインできるようになるでしょう。また、ネットワークの一元管理によるボトルネックの解消や、業務やシステムを止めずにサーバの増設やネットワーク機器の変更ができるのも、大きなメリットですね。
続いて経営面でのメリットです。一般企業などでは、サーバの増設やネットワーク変更の際にかかっていた多くの時間とコストが削減できます。UNIVERGE PFシリーズを導入いただいた日本通運様では、これまでネットワークの設定変更にかかっていた3ヵ月という期間が2週間に短縮。また年間約600万円の外注コストがゼロになったという成果が実証されています。ほかにも金沢大学附属病院様では、ネットワークの運用管理の人的コストが約1/5に減ったという効果もでています。

―通信キャリアやプロバイダなど、グローバルなビジネスを
展開する企業にもたらされるメリットも教えてください。

岩田
:世界の各拠点に複数のデータセンターを置いている通信キャリアやプロバイダなどの企業では、データセンターの構築や設計が革新できます。いままでは、世界各地を結ぶデータセンターの共通の仕様を細かく決めて、それにもとづいて現地の異なるSIerがシステムづくりを行っていました。このため、膨大な時間とコストに加え、共通化を図るための徹底した品質やセキュリティ管理が必要でした。ところが、SDNなら1ヵ所のデータセンターでつくったネットワーク設定が、そのまま同じ品質、同じセキュリティレベルで世界各地に展開できるので、国内外に新しいデータセンターをすばやく立ち上げて、サービスをスタートすることも可能になります。これは、グローバル展開している日本企業にとっても、大きなメリットと言えると思います。
また、サーバやストレージの仮想化とSDNを融合させて、データセンターの運用を自動化する仕組みも、すでにソリューションメニューとして提供しています。
クラウド化に向けて更なるコスト効率化が期待できるでしょう。

さらに、特に企業間、データセンタ間などの費用の掛かる公衆網(WAN)の回線部分の、ネットワーク全体を可視化してトラフィックの現状をモニタリングすることで、混雑した通信ルートを迂回させ、ネットワークにおける負荷を分散して最適化を図ることもできます。また、現状のネットワーク資源を最大限活用することで、つまりネットワークのケチケチ活用(笑)によって、光ファイバの新設などが抑えられるといったメリットもあります。これによって、大きくコストが削減できる企業も出てくるでしょう。

―SDN領域における、NECの強みとは?

岩田
:NECの強みはSDNを研究レベルではなく、製品レベルでさまざまなお客さまのネットワークへ実際に提供し、サービスで活用していただいているという点にあります。NECのデータセンターでも順次採用されていますし、国内外で100システム以上に納入した実績があります。NECでは、世界初の製品化に満足することなく、実務や運用面からネットワークをさらに使いやすくするソフトウェアの技術開発を続けています。

―現在から将来に向けたNECの取り組みやビジョンを教えてください。

岩田:今後は、OpenFlowをさらに進化・拡大させていこうと考えています。データセンターから通信キャリア、そして一般企業へとSDNの市場拡大を図り、ネットワーク運用の効率化や資源の最適化、コスト削減、障害発生の低減など、OpenFlowの魅力と価値を、幅広いお客さまにお届けしたいと思っています。
例えば災害時など、電話やメールが集中して、つながりづらくなりますね。
SDNの技術を使えば、そのような緊急時には、通常時は動画などのリッチメディアで利用されているネットワークリソースを、電話やメールに振り向けることで、ネットワークの輻輳を回避し、みんなが連絡手段を確保できるようになります。
また、社会インフラ分野におけるビッグデータの進展が注目されていますが、SDNであれば、データ取得の必要性に応えて、ネットワークを柔軟かつスピーディに構築することもできます。ここで取得したデータはどこに渡すというような設定もSDN側でできますので、膨大なビッグデータを効率的にさばくことが可能になります。
 SDNは、安心・安全で効率的な社会を支えていく社会ソリューションとしても、今後大きな貢献ができるのではないかと、自負しています。

今後も研究を通して世の中にブレークスルーを。

―ネットワーク研究者として、岩田さん自身の経歴を紹介してください。

写真:岩田 淳 氏

岩田:大学時代には顔画像認識や画像符号化の研究を行っていたのですが、学内で個人的にサーバシステムやメールシステムをつくったり、研究室のネットワーク運用をしたりしているうちに、だんだんネットワークに興味が湧くようになりました。NECに入社した理由は、見学をしたNECの中央研究所が当時からグローバルな視点で研究を行っていたことや、ユニークな研究をしているアクティブな先輩が多くいたことが理由です。ある先輩から言われた、NECの中央研究所に来れば、世界を股にかけた大きな仕事ができるぞという言葉に乗せられたところもちょっとありますが(笑)。NECの研究所は、若くても自由な発想で研究ができるというボトムアップ的な雰囲気がありました。また、世界を舞台にさまざまな学会での研究発表なども積極的に行っていました。NEC入社後は、中央研究所にて、主に新しい通信技術であるATMやスイッチ、インターネットなどネットワーク系の研究を担当しました。SDNに対しては、2006年頃からOpenFlow及びProgrammableFlowの研究開発とそれを実装したUNIVERGE PFシリーズという製品開発の両面から関わりました。

―研究者としてのこだわりやポリシーを教えてください。

岩田
:機能強化の積み重ねといった研究ももちろん大切ですが、私としては競争の原理を変えたり、世界にパラダイムシフトをもたらすような研究にやりがいを感じますね。もちろん研究には試行錯誤や葛藤はつきものですが、やるからには世の中にブレークスルーを起こすために、自分のベストをつくしたいという思いがあります。それから、大切にしているのはグローバルな視点と交流です。国内だけを見ていては、新しいニーズが拾いにくいと感じています。いろいろな国やお客さまに触れたり、お話しすることで、通信インフラが発達した日本ではわからない埋もれたニーズを発掘したり、新しいヒントが見えてきて、それが次の市場形成につながったりします。

―日常生活における趣味など、研究者以外の素顔を教えてください。

岩田
:以前は、週末に走るのが習慣でした。アメリカに仕事で長期間訪れた時も、ランニングは続けていましたね。走っていると頭がリラックスして、新しいアイデアがひらめくことがあるんです。ただ現在、ランニングはサボり気味ですね(笑)。代わりに最近は、ゴルフ練習場によく行っています。打ちっぱなしでドライバーを思い切りかっ飛ばして、ストレスを発散しています。読書も好きで、日本の小説をよく読みます。最近話題の池井戸潤さんの作品もずっと以前から読んでいました。あとは、東野圭吾さんの本も好きですね。ネットワークとはあまり関係ないですが、ガリレオシリーズなどで理工系の話が出てきた時など、思わず真剣に考えたりしてしまいます(笑)。

(2014年1月31日)

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