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大気・海洋モデルの開発

独立行政法人海洋研究開発機構様では、自然災害による被害軽減のため、台風、局地的豪雨、異常気象を引き起こす要因となる気候変動(ENSO,IOD)などの予測や、再生可能エネルギー(風力発電)のフィージビリティ、油流出による海洋汚染、都市部のヒートアイランド対策の影響などを評価するため、地球シミュレータを最大限活用できる大気海洋結合モデルの開発を行っています。NECではモデルの機能強化のための調査、その機能の実装から計算性能最適化、モデルを用いた事例シミュレーションの実行・解析など、さまざまな研究・開発の支援を行いました。

お客様

  • 独立行政法人海洋研究開発機構 様

機能強化

高精度移流スキームの導入・実装

大気海洋モデルでは、空気や水の流れにより、水蒸気、熱、エネルギーなどが運ばれます。モデルの精度向上には、これらの輸送(移流)現象の精度を上げる必要があります。NECは、従来気候モデルで用いられてきたものよりも精度の高い計算法(例えば、5次精度Wicker-SkamarcokスキームやCIP法など)の実装を担当しました。輸送(移流)現象のテスト計算例を図 1に示します。計算法によっては、物質が拡散したり、誤った速度で輸送されたりしますが、高精度な計算法を用いることで、そのような問題が改善されます。

図 1 左から右に物質(水蒸気など)が輸送されるテストの計算例。(a)から(c)は物質の水平分布。(d)から(f)は赤道上の分布。(a),(d)は初期値から5日後, (b),(e)は10日後, (c),(f)は12日後の分布。図1 左から右に物質(水蒸気など)が輸送されるテストの計算例

(a)から(c)は物質の水平分布; (d)から(f)は赤道上の分布;
(a),(d)は初期値から5日後, (b),(e)は10日後, (c),(f)は12日後の分布

海面・地表面フラックススキームの導入・実装

海面からの水蒸気や熱の供給や地表面(海面)での摩擦をモデル化した計算法として地表面フラックススキームがあります。台風は海面から水蒸気や熱の供給を受け発達します。また、台風の形成には、海面での摩擦が影響します。そのため、地表面フラックススキームは、台風の強度を予測する上で重要です。NECは、最新の観測結果に基づく地表面フラックススキーム(COARE3.0)の導入を担当しました。

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性能強化

NECでは、地球シミュレータを最大限活用するため、処理毎にメモリアクセスなどの計算特性を調べ、ベクトル化はもとより、ノード内並列化時のメモリ競合や命令実行効率改善のためのアセンブラ化などCPUコア単体での計算性能最適化を実施しました。また地球シミュレータ(SX-9E)の1280CPUコア(160ノード)での計算負荷の不均衡を調べ、解消することにより、並列性能を改善しました。並列性能の改善により図 2(a)のような、ほぼ理想的なスケーラビリティを得ることができました。また、CPUコア単体での計算性能最適化と並列性能最適化により、図 2(b)のように実行時間を約半分に短縮することができました。これにより水平解像度1.9kmでの全球大気シミュレーションも現実的な時間で計算可能となりました。このシミュレーションは、2011年4月時点での大気モデルによるシミュレーションとしては、世界最大の問題規模となります。

図 2 (a) 最適化後のスケーラビリティ, (b) 最適化前の実行時間を1とした場合の最適化前後の実行時間の比較図2 (a) 最適化後のスケーラビリティ, (b) 最適化前の実行時間を1とした場合の最適化前後の実行時間の比較

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実行支援

モデル開発においては、開発したモデルの妥当性評価や予測精度向上のため、数多くの事例シミュレーションを行い、観測や他のモデルでの結果と比較検証します。事例シミュレーションには、初期値・境界値のための入力データとして、観測データや再解析データを加工して使用します。その加工には、データ形式の変換や解像度の変換などが必要となります。モデルの予測精度に対し、境界値として用いたデータの影響を調べるため、いくつもの異なる境界値データを用いてシミュレーションを実施し、どの境界値データがよかったかを比較することもあります。NECでは、事例シミュレーションに必要な数多くのデータの入手・加工や実際のシミュレーションの実行、観測データとの比較など、モデルの予測精度向上をより迅速に行うための支援を行いました。

図 3 大気海洋モデルによる計算事例 (a) 大気モデルによる降水シミュレーション, (b) 海洋モデルによる流速の大きさ分布, (c) 大気海洋結合モデルによる台風シミュレーション, (d) 大気モデルによる大手町の温度・気流シミュレーション図3 大気海洋モデルによる計算事例

(a) 大気モデルによる降水シミュレーション, (b) 海洋モデルによる流速の大きさ分布, (c) 大気海洋結合モデルによる台風シミュレーション, (d) 大気モデルによる大手町の温度・気流シミュレーション

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