NEC、デジタル産業革命の進展を加速させる新プラットフォーム「SX-Aurora TSUBASA」を発売 (2017/10/25)

NECは、処理性能と拡張性を大幅に強化し、HPC領域の科学技術計算に加え、AI・ビッグデータ解析、資源探査、画像解析、セキュリティなどの新しい領域にも活用可能な新プラットフォーム「SX-Aurora TSUBASA」を日本国内および海外向けに販売開始します。
10/25(水)に行った記者会見の資料を以下に掲載しますのでご覧ください。

新製品に搭載されたカード型のベクトルエンジンを手に持つ
NEC 執行役員常務 福田 公彦

プレゼン資料を説明する
NEC ITプラットフォーム事業部 事業部長代理 愛野 茂幸

発表概要

ベクトル型プロセッサの位置付け

近年、IoTの普及などにより、全世界で扱われるデータ量は2年で2倍の割合で爆発的に増大しています。AIやシミュレーション技術も驚異的に進化し、それに伴う必要な計算量も増加しており、例えば台風の進路予測の精度を上げるには、現状の最大1万倍の解析データ量が必要と言われています。

このような課題を受け、処理速度を向上させる手段として、CPUの周波数を上げる手段がありますが、近年周波数が向上しなくなっており、アプリケーション性能が伸び悩む傾向にあります。これに対しては、コア数を上げる/GPGPUで並列度を上げるなどの新たな技術が登場しています。

当社でも、汎用プロセッサにGPGPUを搭載した製品を提供していますが、昨今ますます計算能力が必要となる領域において、メモリ性能がボトルネックになりアプリケーション性能が上がらないという声をお客さまからも聞いています。
例えば、AI領域においては、画像系や音声認識などは並列計算が有効な領域ですが、機械学習系のアプリケーション(需要予測、価格予測、レコメンドなど)では、大量データを計算するベクトル型プロセッサでの計算が向いています。

このような背景を受け、従来のGPGPUを活用した超並列型向け製品に加え、30年間培ってきたベクトル技術を活用した新アーキテクチャの製品を投入します。

連携による新しい価値提供

さらに、シミュレーション(自動車の衝突解析や気象予測など)による予測と、AI・ビックデータ解析による知見が相互に連携・融合することで、様々な産業における課題を解決し、より高度な意思決定による新しい価値提供創出を支援することが見込まれています。

ターゲット領域の拡大

このような需要に対し、従来のシミュレーションとAI・ビックデータ解析の連携を可能とするプラットフォームを提供し、構造解析などをはじめとする様々な技術の進展を背景に、ものづくり系やセキュリティなどといったあらゆる業種・業態に関して、その解を提供するのが狙いです。

それに先駆け、長年培ったベクトル技術をこれまでのシミュレーション領域に加え、AI、ビックデータ領域にも広げてビジネスを拡大するため、NECはベクトル型プロセッサを搭載した新プラットフォーム「SX-Aurora TSUBASA」を2018年2月より出荷開始します。

この製品は、従来の研究開発向けのシミュレーション領域に加え、新たにAI・ビッグデータ解析をはじめとした幅広いビジネス用途向けに最適なプラットフォームです。このプラットフォームのコアとなるのが、カード化されたベクトルエンジンで、従来のスーパーコンピュータの機能をこの一枚に収めました。

新アーキテクチャ

ここからは、新製品「SX-Aurora TSUBASA」の特長を紹介します。

まず、今回の新製品は、進化した高性能ベクトルプロセッサをカード型にし、汎用性の高いx86プロセッサと融合したハイブリッドアーキテクチャを採用しました。

これにより、(1)高性能 (2)使いやすさ (3)豊富なラインアップを実現した、高性能なプラットフォームです。

(1) 高性能:新アーキテクチャによる高速化

まず、(1)高性能についてご説明します。

世界最速のコア性能や世界初のメモリ搭載CPUを駆使した世界最速ベクトルエンジンを用い、GPGPUを代表とするアクセラレータ型の問題点になる可能性のあるプログラム実行中における通信時間ロスを解消し、プログラム全体をベクトルエンジンで処理するアーキテクチャに移行することで、高速化を実現しています。

また、今回のプロセッサにおいては、このベクトルプロセッサを発展させて、世界最高速のコア性能を実現しています。
さらに、大量のデータ処理を実現するメモリ性能も向上しており、1CPUあたり6個の高速積層メモリを世界で初めて搭載し、世界最高速のデータアクセス性能を実現しました。

(2) 使いやすさ : オープン環境への対応

続いて、(2)使いやすさについて説明します。

アプリケーションのプログラミングにおいて、GPGPUの場合では、実行までに一度専用言語を使用してプログラムを書き換える必要がありましたが、「SX-Aurora TSUBASA」では30年の経験を活かしたベクトルコンパイラ技術を活用し、プログラムを書き換えることなく実行する事ができますので、プログラマーの方に対して使いやすさを提供いたします。

また、新アーキテクチャ構造に加え、オープン性の高いLinux OSになったため、今までオープン環境下で培われてきた運用管理方法を大きく変更することなく導入することができます。

(3) 様々な用途に向けた豊富なラインアップ

最後に、(3)豊富なラインアップについてです。

今回、ベクトルエンジンをカード化する構造としたため、様々な用途/システムサイズ/計算ニーズに対応する幅広いラインアップを提供いたします。

いままでのスーパーコンピュータ用途と同様のデータセンターモデルをはじめ、オンサイトモデル3種類/エッジモデル1種類など、ユーザーの手元で活用いただけるモデルも提供し、スーパーコンピュータの高性能を、AI/ビッグデータを解析したい様々なユーザ向けに提供してまいります。

なお、現行機との性能比較としては、プロセッサ演算性能が10倍向上しているのに加え、同一性能比較で、消費電力を5分の1の改善、設置面積を10分の1の改善を実現しました。