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東北三県で進める実証から新たなエネルギー供給モデルの確立を目指す

東北三県で進める実証から新たなエネルギー供給モデルの確立を目指す

東日本大震災の発生以降、エネルギー需給をいかにして最適化するかが大きな課題になっている。有効な解決策の1つが、蓄電池を用いた分散型のエネルギー管理・制御システムだ。NECとオリックスはその有効性を検証するため、クラウドシステムと連携した分散型エネルギー管理・制御の実証事業を、東北三県(岩手、宮城、福島)で進めている。実証事業の背景と現状、今後の展望についてオリックス事業投資本部蓄電池プロジェクト準備室の吉田中室長と、NECスマートエネルギー事業本部マネージャーの石井、実際に現地で蓄電システムの導入業務に従事する塩野入に話を聞いた。
※本インタビューは、2013年2月中旬に実施したものです。

電力需給の最適化に蓄電池を活用

―NECとオリックスは2012年3月に、蓄電池を用いた分散型エネルギー管理・制御システムの実証事業の開始を発表しました。この実証事業は具体的にどのようなもので、現在どこまで進んでいるのですか。

オリックス 事業投資本部 蓄電池プロジェクト準備室 室長 吉田 中 氏

吉田氏:
この事業は、経済産業省の「平成23年度補正予算IT融合による新産業創出のための研究開発事業」の一環として、将来の新しいビジネスに発展しうる取り組みを後押しし、東北地域の復興に資するという目的で始められたものです。
この趣旨を受けてNECとオリックスで検討を開始。東北にはオリックスのお客様が数多くいらっしゃいますが、震災で大きな被害を受けられて、エネルギーの大切さを身にしみて感じています。
そこで蓄電池を活用した分散型エネルギー管理・制御を東北地域で展開するプロジェクトを提案したところ、採択されたのです。

NEC スマートエネルギー事業本部 マネージャー 石井 健一

石 井:
これまでの蓄電システムの活用方法は、パソコンやサーバーの停電時のバックアップが一般的でした。しかし震災以降、電力不足への対応や、再生可能エネルギーへの注目の高まりなどから活用ニーズは変化。今回の実証実験では、「電力需給の最適化」に主眼を置いています。
太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーによる発電は、発電量そのものをコントロールすることが難しく、発電と消費のタイミングにギャップが生じます。
例えば家庭における電力の消費は朝と夜に集中しますが、太陽光発電による発電量は昼間に集中します。蓄電システムを使えばこのギャップを埋めることができます。また電力会社からの電力を使う場合でも、電力使用が逼迫する時間帯における電力使用量を削減する「ピークカット」が可能になります。
さらにこのシステムを多拠点に設置して連携させれば、地域全体の最適化への道も開かれてくるでしょう。

吉田氏:
2012年3月に事業が採択された後、このような趣旨を法人のお客様にお話ししたところ、5社からの賛同が得られました。4月から現地調査とシステム開発に着手し、昨年末から設置を開始しています。設置拠点は合計5カ所、2013年2月末までには設置を完了する予定です。

NEC スマートエネルギー事業本部 塩野入 彩香

塩野入:
これらの拠点に設置された蓄電システムはクラウドに接続されており、地域内のデータの収集と制御を集中的に行えるようになっています。

これによって電力消費のパターンの見える化や、ピーク時における電力使用を控えた消費者に対して対価を支払うといった「デマンドレスポンス」などの実現に向けた検討を進めていく予定です。

オリックスのビジネスノウハウとNECの技術を融合

―なぜこの実証事業を、NECとオリックスが共同で行っているのでしょうか。

吉田氏:
オリックスは、リース事業からスター卜して以来、隣接する分野へ次々と事業展開してきました。1990年代から環境関連の事業を行っており、その一環として太陽光発電に関するビジネスも、「メガソーラー発電事業」「屋根借り方式太陽光発電事業」「太陽光発電システム販売」といった3本柱で展開しています。

これらのビジネスを支えているのは2012年に始まったFIT制度(再生可能エネルギー固定価格買取制度)ですが、この制度が未来永劫存続するわけではありません。長期にわたってビジネスを展開するには、次のビジネスモデルを考える必要があります。蓄電池はそのためのカギになると考えています。そこで蓄電システムのパイオニアであるNECと協業することにしました。

石 井:

NECとしては、オリックスが持つビジネス化に関する幅広いノウハウに期待しています。私どものようなメーカーにはない、オリックスならではのノウハウや金融サービスを生かすことで、蓄電システムに新たな価値を与え、それを流通させることが可能になると考えています。

吉田氏:

お客様の拠点に、膨大なエネルギーを蓄えるシステムを設置するのですから、その信頼性も重要です。国内の電池メーカーは携帯電話向けのリチウムイオン蓄電池などで実績を積んでいますが、その中でもNECは高い信頼性を実現しています。今回特に注目したのはNECが持つ電池技術。この技術を生かした蓄電池を搭載する電気自動車が国内で約2万台走っています。しかし、私が知る限り電池に起因する問題は発生していません。これは大きな魅力です。

石 井:

NECの家庭用蓄電システムは、電池単体だけではなく、システム全体で3階層の安全性を確保しています(図)。これによって衝撃や高温にも耐えられる安全性と耐久性を実現しています。さらに、NECの家庭用蓄電システムはクラウドに接続されており、動作状況やアラームを常に見守っています。今回の実証事業でも、これらの技術を生かしてシステム構築を行っています。

吉田氏:

さらに、NECは蓄電システムだけではなく通信やクラウドといったICTにも長けています。これは特異な業態だといえます。例えば、オリックスの金融事業の一環として蓄電システムをリースしても個別にハードが様々な場所に設置される、言い換えれば縦軸のつながりだけですが、それらをICTで連携させることにより、横軸のネットワークにもなりうるわけです。これにより新たなエネルギービジネスの形も見えてくると考えています。

図版:NECの家庭用蓄電システムの構成拡大図NECの家庭用蓄電システムの構成
「セル」「電池監視・制御回路」「システム」の3階層で、安全性と耐久性を確保している

  • FIT制度(再生可能エネルギー固定価格買取制度)
    再生可能なエネルギー源(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス)を用いて発電された電気を、国が定める固定価格で一定の期間電気事業者に調達を義務づける制度。2012年7月1日に開始されている。

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