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スマートシティは「実証」から「実装」段階へ

~ALL JAPANで世界市場を切り拓く機会~

海外展開における課題と成功のカギ

―スマートシティは、日本だけでなく海外展開をできるのではないかという話をよく耳にします。海外においてスマートシティが事業として成長するためには何が必要だとお考えですか。

國 尾:
日本企業は多くの情報を持っていますが、エネルギーと情報を組み合わせたスマートシティが日本発の産業として世界に貢献できるのではないでしょうか。スマートシティという概念、その概念を具現化するサービスやハードウェア・インフラをトータルなパッケージとして輸出することが重要です。ただし、1つの企業でこれほど広範なエリアをカバーすることはできないので、パートナーとの協業は欠かせません。三井住友銀行様のような金融機関が、コーディネーターとして積極的に関与し、概念から輸出できるような体制をサポートしてくれることを私たちも期待しています。

雨倉氏:
もちろん、ご期待に添いたいと思っています。ただし、そこには1つの課題があります。それは、誰が事業主体になるかということです。

三井住友銀行 プロジェクトファイナンス営業部 成長産業クラスター室 上席推進役 雨倉由明氏

最近のインフラマーケットでは、メーカーが設備などを売って終わりではなく、メーカー自身が自ら納めた設備を運営する方式がトレンドです。となると、モノを売りたいと考えていたメーカーは“事業者”としての役割を求められます。一方、日本のメーカーは事業者になることに慣れていません。

こうした事情から、特に海外プロジェクトでは事業主体がなかなか決まらないというケースも少なくありません。しかし、しかるべき企業がしかるべきタイミングで事業主体としての役割に踏み出してくれることも実はスマートシティの実現に向けて不可欠な要素です。それにより、他の企業との組み合わせが生きてくるからです。

國 尾:
言い換えれば、誰がリスクを取るのかということですね。当社も事業を手掛ける以上、一定のリスクを取る覚悟で新しいビジネスに向き合っていきたいと思っています。

―他の企業や地域といかに協業し、プロジェクトを進めるか。難しい部分もありますが、いくつか進行している海外プロジェクトもあるようですね。

國 尾:
弊社では以前から各地域のパートナーと協業してインフラ安定化のニーズに応えてきました。スマートシティでも海外プロジェクトに積極的に参加し、パートナーや政府系の実証実験を通じて経験やノウハウを積み市場参入の機会をつくっています。すでに欧州などでは電力会社向け系統用蓄電システムを手がけており、実装段階に入っているプロジェクトもあります。

東京工業大学 特命教授 柏木孝夫氏

柏木氏:
こうした動きが、日本企業の間で一層大きくなることを期待しています。世界の主要国は国家戦略としてグリーンイノベーションを推進しており、日本が後れをとるわけにはいきません。ローカルの企業と協力しながら、スマートシティの実現に向けて汗をかく。日本企業がその主要メンバーとして参画できるかどうか、いまが正念場だと思います。

―今後、こうした動きが加速していく中で、日本企業が海外プロジェクトに参画するケースも増えてくるでしょう。こうした際に気を付けなければならないのは、どういった点でしょうか。

國 尾:
国際協力と地元との協力、その両方をバランスよく組み合わせることが重要ですね。戦略を持ってグローバルなルールづくりに参加し、日本がリーチできるような要素を世界標準の中に盛り込む。スマートシティのような事業に一人勝ちはありません。いかにWin-Winのパートナーシップを構築するかが問われています。

雨倉氏:
ローカリゼーションに関連して言えば、各国各地域によって求められるものは違います。例えば、「安全な街に住みたい」と誰もが思っていても、安全の中身、その要求レベルは国によって違っているはずです。現地の政府や自治体、そして住民が何を求めているのかをしっかり把握することが出発点だと思います。

柏木氏:
現地のニーズについては、銀行に多くの情報が寄せられているのではないですか。

雨倉氏:
確かに、世界各地のオフィスや取引先などから情報が入ってきます。その情報を確認した上で、「その種の課題なら、A社が解決策を持っている」と分かれば両方の橋渡しをすることもあります。日本の技術の裾野は広い。小規模で知名度は低くても、世界水準の技術を持った企業がたくさんあります。海外のニーズと国内企業の情報、その両方にアクセスできるという立場を生かしてスマートシティ事業をサポートする。その際、地方企業の実態に詳しい地方銀行と連携することも考えられます。それもまた、金融機関としての貢献の形だと思っています。

―海外プロジェクトになると国内とはずいぶん勝手が違うと思いますが、その点はいかがでしょうか。

柏木氏:
これに加え、契約のとらえ方や商慣行の違いにも注意を払うべきですね。これがもとで、挫折を味わう日本企業は少なくありません。国によっては、政府と企業のどちらに話せばいいのか定かでないこともある。現地企業との間で取り決めたことが、政府の介入で白紙に戻ることもあります。こうしたリスクを避けるために、ある日本企業は日本と現地の両国政府大臣が合意したことを見届けた上で、プロジェクトに乗り出しました。ケース・バイ・ケースですが、こうしたアプローチが求められる場面もあるでしょう。

國 尾:
エネルギー関連規制への対応も極めて重要だと思っています。国ごとに規制が異なり極めて複雑で参入障壁の高い領域ですが、事業を展開していく上でそうした規制への対応は不可欠です。現地の規制などを熟知したローカルの企業とも協力しながらプロジェクトを進める必要があると考えています。

―それでは、海外ならではのリスクや落とし穴を回避し、スマートシティ事業をグローバルで成功させるためのカギとは、どのようなものでしょうか。

國 尾:
初めに「住民のライフスタイルを賢くする」と述べましたが、そのためには雨倉さんがご指摘のように現地の人たちの暮らしを理解した上で、生活者視点に立った街やインフラを設計しなければなりません。そこを大事にしつつ、いかにグローバリゼーションとのバランスを最適化するかが課題です。

NEC 執行役員常務 國尾武光

従来の日本企業では、ローカライズ主体のアプローチが多かったように思います。さらに言えば、特定の顧客のために、特定のモノをつくるというビジネスが大きな比重を占めています。

こうした“一点もの”のソリューションを磨くことは重要ですが、グローバルで事業を拡大する際には両方の最適なバランスを考え抜く必要があります。ローカライズ過剰は高コストにならざるをえません。それは、現地の人たちも望まないでしょう。グローバル標準を活用してコスト競争力やスピードを獲得しつつ、ローカルにおいて必須の要素と統合する。つまり、“一点もの”ではなくパッケージ型の“One to Many”の発想に立ったアライアンスやエコシステムが求められています。

雨倉氏:
組み合わせの最適化は擦りあわせと言い換えられるかもしれません。それは、日本企業の得意技でもあります。また、これらを実現させるためにも、現地パートナーとのアライアンスやM&Aをはじめとした協力体制の構築が欠かせません。当行でもコンサルティングや現地パートナーとのアライアンスサポート、マーケット調査サービスなどを提供し、事業の確立にむけてサポート体制を強化しています。

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