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NECのスマートハウスへの取り組み

NEC 執行役員常務 國尾 武光

(第2回 日経スマートシティシンポジウムより)

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NEC 執行役員常務 國尾 武光NEC 執行役員常務國尾 武光

NECは、基本的にITとネットワークの会社ですが、NECグループビジョン2017として「人と地球にやさしい情報社会をイノベーションで実現するグローバルリーディングカンパニー」というスローガンを掲げています。

この実現に向けてICT分野の製品やソリューションとエネルギー分野の様々な製品やサービスを提供する事業を積極的に融合させていこうと考えています。

本日は、NECが考えるスマートエネルギー事業の中でも、みなさまの生活に直結していくスマートハウス事業への取り組みについて、そのアウトラインや現状、今後の展望などについて紹介します。

エネルギーの自立・分散・多様化を支えるソリューションを提供

NECが考えるスマートエネルギー事業とは、「エネルギーの自立・分散・多様化を支えるソリューション」を提供することで、エネルギーの効率利用や温室効果ガスの削減に貢献していこうというものです。

従来は、電力会社の系統からすべての電力が供給されていましたが、最近は太陽光発電による電気を貯める蓄電池や、燃料電池などがユースポイントに近いところにおかれるケースが急増しています。

これは、系統の電力からもらうだけではなくて自分も自立し、使われる環境ごとに分散し、さらに発電方法の仕組み自体も多様化していると見ることができます。

このように、エネルギーを自立・分散して多様化が進む発電の仕組みを、安全かつ的確にマネージメントし社会全体のスマート化をスムーズに実現していくのが、NECの役割りであり貢献できるポジションだと考えています。

そのために、NECでは以下の4つのスマートエネルギー事業へ注力しています。

  • 電極・蓄電システム
  • エネルギー・マネジメント・システム(EMS)
  • EV・PHV充電インフラ
  • ユーティリティ向けソリューション

本日は、スマートハウス領域を中心に家庭用蓄電システムと、それを支えるホームエネルギー・マネジメントシステム(HEMS)への取り組みを紹介します。

「貯めて賢く使う」がスマートハウス事業の基本コンセプト

NECのスマートハウスへの取り組みは、「貯めて賢く使う」という概念を意識しています。みなさまへ提供できる製品としては、5.53kW/hの蓄電能力を備えた蓄電システムとECHONET Lite規格(*1)に対応した「クラウド型HEMS」を発売しています。
HEMSによる電力消費量の「見える化」は、宅内のエネルギー機器をきめ細かくコントロールする上では不可欠な仕組みだと考えており、蓄電システムと連携することで、居住者に負担の少ない、より効率的な宅内エネルギーの活用を促進していきます。(図1)

図1:スマートハウス領域への取り組み拡大する図1:スマートハウス領域への取り組み

クラウド連携を実現した安心・安全の家庭用蓄電システム

NECは、1990年代からPCや携帯電話用のバッテリを生産し、電池事業へ注力してきました。この技術をベースに、より大きなエネルギーを蓄える大型電池の研究を進め、EV・PHV(*2)の高い安全性が要求される自動車用電池の事業を展開しています。

さらに、もうひとつの柱として家庭やビル、充電スタンド、系統などに常設する定置用電池・システム事業を推進しています。いずれも、将来的には電池とICTとを組み合わせ、スマートエネルギー事業における多彩なソリューションの展開へとつなげる構想です。

量産をスタートした小型蓄電システム(家庭用蓄電システム)は、経済性・耐久性に優れ信頼性も高く、安心・安全に使用できる特長を備えていますが、重要なポイントはネットワークでクラウドと連携できることで、リモートによる見守りサポートが常に行なわれる安心管理という点です。(図2)

従来の家電は、ほとんどがスタンドアロンで使われていましたが、家庭にも高速ネットワークが普及した今日、設置された蓄電システムとクラウドをネットワークでつなぎ、エネルギーの「見える化」を通じて電力消費全体を最適かつ安全にコントロールすることが可能です。

たとえば、蓄電システムがどれぐらいの性能を出しているか、なにか問題が発生していないかを常時遠隔でチェックできますので、住まい手はそれらを意識することなく安心して生活できます。

また電気料金の変更などがあった場合でも、居住者が煩わしい設定をすることなく、もっとも経済的な使い方をクラウド側から蓄電システムへ自動設定できるなど、生活状況や社会情勢と連動した最適なエネルギー管理を実現するのもクラウド連携ならではのメリットです。

図2:小型蓄電システム(家庭用蓄電システム) 本格量産機を販売開始拡大する図2:小型蓄電システム(家庭用蓄電システム) 本格量産機を販売開始

電力の「見える化」の次には全体の最適化をめざすHEMS

HEMSの前にまずEMS事業への取り組みについて紹介します。NECは長年、エレベータ制御や様々な安全性を追求するビル管理システムを手がけてきました。その管理制御の範囲に、エネルギー機器を含めたビル全体の管理システム、ビルエネルギー・マネジメントシステム(BEMS)がHEMS事業の出発点です。

とにかく見えるもの以外はコントロールが出来ませんので、HEMSもまず「見える化」から取り組みました。

そして現在は、ECHONET Liteの規格に準拠し、宅内のエネルギー機器を制御することでエネルギー使用における無駄をなくし、節電を促進します。また数日先の天気予報を踏まえ、環境変化に伴うエネルギー機器の動作をHEMSで制御することで、家庭内の最適なエネルギー管理を実現できます。

当然、これらのシミュレーションには過去データの解析や傾向分析を行なう、HEMSクラウドとの連携が不可欠となります。NECのHEMSクラウドと住宅メーカーなどのパートナー様のノウハウを組み合わせ、こうした分析サービスも既に提供されています。(図3)

図3:HEMS事業への取り組み拡大する図3:HEMS事業への取り組み

さらに、HEMSクラウドで実現する家庭ごとの電力制御や最適化は、やがてコミュニティや地域全体を最適化する広範なエネルギークラウドへと成長していくと思います。

NECでは、多彩な事業実績をベースにHEMS・BEMSアグリゲータ事業も展開しており、より賢く電力を使用できる環境を整えていければと考えています。

実証実験への取り組み

HEMSを含むスマートシティに関する実証実験は世界中で行われており、NECはその多くに参加しています。日本ではYSCP(*3)でHEMSやBEMS、EV、蓄電システムなどが連携し、大規模な街全体を包括する実証実験へ参画しています。

また、NEDO(*4)による米国ニューメキシコ州での地域EMSをはじめ、北米・南米、ヨーロッパ、アジアなど世界各国の多彩な実証実験へ参加しています。(図4)

これら実証実験を通じて感じることは、いまだハードウェアを中心にビジネスを考えがちだという点です。

日本発の標準プロトコルECHONET Liteを装備した製品をアピールしても、なかなか世界の国々では理解が深まらないように思います。むしろ、それらの機器を使って何ができるのか、クラウド連携の便利なアプリケーションやサービスとともに、家庭や街の最適化を実現できる具体的なソリューションとしてグローバルに展開していくことが重要であり、各国に受け入れられやすいのではないかと考えています。

また、近未来の課題には人口急増による「都市問題」があります。2050年には、世界人口は90億人に達し、都市に住む人口が全体の70%になるとも言われています。都市問題は先進国だけの問題ではなくなり、水や食料とともにエネルギー需要の急増も世界的な課題になると見られます。

これを解決するためには、最小単位のHEMSから街全体の地域EMSまで、スマートな社会基盤の整備が必須になると考えています。

図4:グローバル事業・実証実験の取り組み拡大する図4:グローバル事業・実証実験の取り組み

単にHEMSという仕組み、あるいは蓄電システムやスマート端末のみが重要なのではなく、より広範な視野でエネルギーを通信と同じウェイトで捉えていくべきだと思います。NECが保有する、ICTや教育や、交通システム、流通、金融、自治体といった各分野のノウハウなど既存のアセットと、グローバルな実証実験で培った経験をいかし、エネルギー分野のみならず未来へ向け、社会全体をスマート化する流れに、これからも大きく貢献していきたいと考えています。(図5)

図5:クラウドで実現する新しいエネルギー社会拡大する図5:クラウドで実現する新しいエネルギー社会

  • *1エコーネットコンソーシアムが策定したスマートハウス向け制御用の通信プロトコルで、ISO規格およびIEC規格として国際標準化されている。
  • *2PHV=プラグインハイブリッド自動車
  • *3YSCP=経済産業省「次世代エネルギー・社会システム実証」横浜スマートシティプロジェクト(YSCP: Yokohama Smart City Project)
  • *4NEDO=独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

(2012年11月19日)

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