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電力使用制限令下の実験値を基に開発する、スマートな新製品

猛暑日が続く東京都心で実施された、ある実験

東京都港区の、とあるオフィスビル。このビルの5階フロアで働くのは、NECファシリティーズの社員80名。客先と電話する人、PCで管理資料を作成する人、同僚と意見交換する人・・・。いわば、よくある職場の風景です。でもよく目を凝らすと、分電盤やフロアのあちこちに見慣れない計測器や無線アンテナが! これは一体、何・・・?

写真:田邊 仁NECファシリティーズファシリティマネジメント事業本部統括マネージャー 田邊 仁

2011年夏、NECグループはオフィスの節電とCO2削減をお手伝いする「エネパル®Office」という新サービスをリリースしました。電力センサーを利用して、オフィスの空調と照明、コンセントに接続したIT機器などの電力消費量、電気料金、およびCO2排出量を時間帯別に「見える化」するというものです。温度・湿度・照度・人感といった環境センサーとも組み合わせ、空調機器などが効率的に機能しているかどうかも検証できます。

2011年7月中旬~8月にかけて、NECファシリティーズのオフィスフロアで、この新サービスを使った実験が行われました。同 ファシリティマネジメント事業本部 統括マネージャー 田邊 仁は、実験の目的をこう語ります。「お客様企業のロケーションに適合した設計や設置、省エネアドバイスのノウハウを蓄積するため、当社が“場”の提供を行ない、実証実験を行なう運びとなりました」。

写真:各センサーと計測機器▲(左)分電盤の内部に取り付けられた無線タイプの電力計測センサー (中央)オフィス中央の柱に取り付けられた無線ネットワークのアンテナと、温湿度センサー (右)無線ネットワークを通して収集したデータを集計する計測機器

写真:「エネパル(R)Office」の、管理画面の例▲「エネパル®Office」の、管理画面の例。オフィスで消費された電力とCO2排出量のデータをセンサーで集計し、管理サーバ(クラウド型)で一元管理。前日/前年実績との比較や、系統ごとのムダな電力が、管理PCのモニタ上で確認できる。削減余地に関する簡易なメッセージが日替わりで表示されるなど、省エネ診断とアドバイスも行なう。

この実験では、同社の社員80名が働く5階フロアを事業部別に3つのグループに分け、個別に電力消費データを計測することで、他グループとの比較検討を行いました。実験を実施した期間は、関東地方で「ピーク時15%カット」の電力使用制限が行われていたのと同時期です。「平日・昼間のピーク抑制と節電のために、企業が策定した自主行動計画に沿って活動すれば、昨年と比べて実際にどれだけの電力使用量が削減できるのかを、グループ単位で細かく把握できるのです。実験によって、このことを実際に検証しました」(田邊)。

40日余りにわたったこの実験では、照明の輝度調整を行い、併せて間引き照明を行なったことで、フロア照度を350Lxまで減光しています。その結果、照明電力の35%を削減することができました。コンセント回路では、22%の電力使用量削減を達成しています。さらに、空調機の設定温度を変更し、フロア温度を約28度にキープしたことで、10%の削減結果を得ています。3グループのトータルでは、平常時と比べて28%の電力使用量抑制効果が得られています。

図版:28%の電力使用量の抑制効果が得られた対策前と対策後の消費電力量の変化▲28%の電力使用量の抑制効果が得られた対策前と対策後の消費電力量の変化

写真:福田 雄児NECフィールディングLCM事業推進本部DC統括推進部長福田 雄児

「エネパル®PCパック」「エネパル®Office」の販売・設置工事を手掛けるNECフィールディング LCM事業推進本部 DC統括推進部長 福田 雄児は、今回の実証実験環境の構築にも深く関わっており、「オフィスの中の電力消費量や温湿度を計測する当社のノウハウに加えて、今後は環境やエネルギーマネジメントを切り口にした機動的なビジネスを、全国400カ所のサービス拠点網を活かしながら展開したい」と話します。

エネルギー管理の先にある統合環境パフォーマンス管理

1か月半にわたるこの実証実験には、もうひとつ、重要なねらいがあります。それは、長期化する電力不足問題に対処できる節電手法と、複雑化する環境関連法令への対策をサポートする、新しい統合環境パフォーマンス管理システム「GreenGlobe® X(仮称)」を商品化することです。実験の正式名称も、「次世代エネルギーマネジメントシステム実証実験」としています。

「エネパル®Office」によるビルやフロア内の消費電力の見える化と、省エネの自律制御に加え、その電力情報をタイムリーに収集し、企業全体の電力消費量やCO2排出量などの環境パフォーマンス指標を見える化する「GreenGlobe® X(仮称)」で、次世代のエネルギー管理を実現しようとするものです。

写真:森 伸明NEC ITプラットフォームソリューション事業部シニアマネージャー森 伸明

NEC ITプラットフォームソリューション事業部 シニアマネージャー 森 伸明が、この新しいエネルギー管理の世界を、次のように話します。「現状では、各職場での努力によって電力使用量を削減することのみが注目されているわけですが、環境経営の面から考えると、温暖化ガス排出への影響や環境コストへの影響など、企業全体で環境負荷に関する全体最適を行う必要があります。全社のC02削減計画や目標に沿ったエネルギー使用状況の監視とマネジメントを行う仕組みは、環境パフォーマンス管理の一環として実現するものです。われわれが商品化しようとしている新しい統合環境パフォーマンス管理のシステムは「エネパル®Office」で収集した30分単位の電力情報を取り込み、C02排出量とともに職場の部門単位に見える化することで、各部門の目標・実績の対比が可能となります。
また、収集した情報は全社で閲覧でき、削減部門がどんな施策を実施してどのようなコストをかけているのかも確認できます。各部門が自律的に管理できる情報の提供と、全社の環境部門がタイムリーに全体最適を図る仕組みが、直近の省エネ活動の先には必ず必要になります」。

図版近い将来に実現する、スマートなエネルギー管理のイメージ図▲近い将来に実現する、スマートなエネルギー管理のイメージ図

37年ぶりの電力使用制限令が発動された時期に、NECファシリティーズのオフィスで取得した詳細な電力使用データは現在、NEC ITプラットフォームソリューション事業部が中心となって、どこに削減幅があるのかという点を中心に、分析を施しています。その分析結果は、電力収集と省エネ自立制御を行う「エネパル®Office」と統合環境パフォーマンス管理「GreenGlobe® X(仮称)」のアルゴリズム開発に適宜反映しています。

さらに、「本庄スマートエネルギータウンプロジェクト(※「スマートコミュニティ。その先端モデルを地方都市から―」参照)」の実証研究などから生まれるエネルギー制御システムと組み合わせて、企業の枠を超えた将来のエネルギー管理(次世代GreenGlobe®)に発展させる構想です。

オフィスの省エネ・節電に関しては、ICTがまるごと、企業ごとの最適なコントロールを自動的に行ってくれる・・・。2012年4月から販売を予定している「GreenGlobe® X(仮称)」が、将来のスマートなエネルギー管理の必須インフラになることを、私たちは目指しています。

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