ページの先頭です。
サイト内の現在位置を表示しています。
  1. ホーム
  2. 企業情報
  3. 環境への取り組み
  4. 環境アニュアルレポート2017
  5. 第三者意見
ここから本文です。

第三者意見

NEC環境アニュアルレポート2017に対する第三者意見書

認定NPO法人環境文明21 共同代表
加藤三郎、藤村コノヱ

第三者レビューの様子

世界人口の増加圧力を背景に、経済の規模拡大やグローバリゼーションの進行に伴い、70億人を超す人類社会の持続性に様々な赤ランプが点灯し始めている。

このような危機に対して、国連を中心に国際社会は手をこまねいているわけではない。1980年代から様々な対策を講じてきたが、2015年には文字通り画期的な2つの合意に達した。一つは、同年9月の「持続可能な開発目標(SDGs)の設定」であり、もう一つが同年12月に締結された気候変動対策としての「パリ協定」である。

このSDGsとパリ協定を受けて、国・自治体はもとより先進的企業はその達成に資する活動を開始しているが、NECもグローバル企業として、その持てる経験、技術、人材等を総動員してグローバルな課題解決に向けて真剣に取り組みを開始していることが、本レポートから読み取れる。

昨年、気候変動を中心に見直した長期計画に向けては、やや売上高の減少に伴い単年度の目標で未達となった指標があるものの、長期の目標に向けては全体的にほぼ順調に推移していることが確認できた。

特筆すべきは、NECが目指す7つの社会価値創造テーマとSDGsのつながり、SDGsと気候変動のつながりを示しながら、様々な活動事例を紹介している点である。本レポートのハイライトでは、再エネの導入拡大やエネルギー安定供給に資する大型蓄電システムと災害シミュレーションシステムで、NECの得意分野で直接気候変動問題に貢献する取り組みが紹介されているが、同社のトップが対外的に行っているプレゼンテーション資料を見ると、例えば、NEC独自の「異種混合学習技術」を用いた高精度な需要予測による食品廃棄ロスの抑制や、AIを活用した営農支援など、NECが得意とするAIやIoTなどのICTを活用してSDGsに貢献する取り組みが7つの社会価値創造テーマに沿って進められていることが良く分かる。つまり、事業の中で環境が価値の一つとして当たり前のように組み込まれ、訴求されるようになってきたと言える。この取り組みが環境面で多くの価値を創出することになると言える。今後の具体的な成果に期待し、引き続き活動を見守りたい。

一方で、NECは本レポートの発行に合わせて2050年を見据えた気候変動対策の方向性を打ち出している。自社の取り組みとしてサプライチェーンを含めたサスティナブルな経営基盤を築きながら、サスティナブルな社会の実現に貢献していこうとする真摯な姿勢が見られる。これまで2050年に向けた長期指針・目標がやや曖昧で、NECのこれからの方向性を示す端的な旗印が見えにくい面もあったが。2050年に「サプライチェーンからのCO₂排出量ゼロに向けた削減」を明確に掲げたことで、NECグループの気候変動に関する方向性が明確になり、気候変動に対する企業としてのメッセージが広くステークホルダーへ伝わるのではないかと期待される。

この後は、この目標をいかにして実現していくかが重要であるが、そのためには、SDGsやパリ協定の実現に向けた取り組みの必要性を経営トップから従業員に至る全員が充分に認識し、関心と知識を持って具体的な行動を起こすことが基本である。世界の課題解決の必要性を納得した上での環境行動を促す基本的認識に係るような内容で、教育を徹底することも今後の課題の一つとして挙げられよう。

また、CO₂排出量を実質ゼロにしていくには、製品の効率化や原単位の低減などのこれまでの延長の取り組みでは到底達成できないことは明らかである。2030年そして2050年NECはどのような会社になっていくか、AIが進展する社会で人間とのかかわり方はどうあるべきかなど、根源的な問や未来像を皆で議論しながら、そこに至る道筋を大胆に描き、その実現を目指して試行錯誤しながら力強く前進していくことを期待したい。

ページの先頭へ戻る