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製造業、卸売業が意外と知らない、小売ビジネスの常識
ファッション商品の販売管理と店頭在庫最適化のための3原則 第2回

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毎シーズンの流行の変化に相対しながらシーズンという限られた販売期間で決着をつける、リスクが大きく管理が難しいと言われるファッションビジネスにも原理原則はあります。本コラムでは製造や卸売(BtoB)ビジネスをしていると見逃しがちな、消費マーケットを考える上で大切なファッション小売業のリスクマネジメントの基本をご紹介します。

価格戦略:プライスポイントの重要性

売上金額目標を数量化する上で大事なことは販売単価をどう設定するか?という価格戦略です。当然、高ければ買うことのできる客数は減りますので販売数量は少なくなり、逆に安ければ買うことができる客数が増えるので販売数量は増えるものです。したがって、どのあたりで顧客の支持を得るかはブランディングであり、経営の最重要課題です。

価格戦略を決める時の最も一般的な手法は、プライスレンジ、プライスライン、プライスポイントを決めることです。通常は品種別に考えますが、プライスレンジとは最高価格と最低価格の幅を決めること、プライスラインとはその中に何種類の価格を設けるかを決めること、そしてプライスポイントとはどの価格に集中して品揃えを行うか?すなわち最多価格を決めることです。

この中でもプライスポイント=最多価格帯 が重要なのはお判りでしょう。プライスポイントは消費者から見たブランドや店舗のイメージであり、ブランドとお客様の価格の約束であり、販売計画のよりどころです。このプライスポイントが明確であれば、お客様への価格メッセージが十分に伝わります。

例えば、お客様がシャツを欲しくなった時、あの店に行けば、シャツがいくらくらいで買うことができると覚えておいていただければ、来店につながります。また、そのプライスポイントにブレがなく、安心していただければ、お客様はお買いもの中にもいちいち商品の値札の値段を気にせずに品定めに集中できます。

つまり、お買いもののストレスのひとつがなくなりますので、買い上げに繋がりやすくなります。

価格政策が無策と言える、よくありがちな状態は原価の積み上げで販売価格を決めることです。原価はそれぞれなので、得たい利益率を勘案して一律に積み上げて価格設定をしたら何が起こるでしょうか?商品によって価格がまちまち、中には何でこれがこの値段なの?とお客様が理解できない価格がつく場合もあるでしょう。お客様は「?」と思った時、購買意欲も減退してしまうものです。

そのため、価格戦略の明確なブランドや店舗では、品種ごとに毎シーズン品ぞろえするプライスポイントを明確にして、多数の品揃えをそこに集中し、その上でその前後に価格帯を分散させるのです。

一般的に40%以上の商品が設定したプライスポイントに集中していれば、来店されたお客様に価格メッセージは伝わるとされています。プライスポイントが明確であれば、例えそれよりも高い商品があっても、プライスポイントからの付加価値が明確であれば、お客様は高い理由を理解でき、違和感を覚えません。

プライスポイントが明確なファッション専門店を挙げると、お店全体が1プライスのシャツで有名なメーカーズシャツ鎌倉、品種ごとに絞り込んでいるユニクロやZARAです。

店頭での毎日の販売計画実行事例

アパレル専門店の店頭では毎日、日割り売上予算の達成、未達成を一喜一憂しながら販売活動に当たっています。毎日の予算は気合では達成できませんし、もちろん無策でも達成できません。そんな状態で、もし、達成できたとしたら、むしろ 予算が低すぎるか、まぐれと言うべきでしょう。

筆者の知る目標達成に意欲のある店長さんたちの共通点は、毎日の売上予算金額を必ず販売目標数量化していることです。

それは上述の売上金額目標の販売数量目標化と同様のプロセスで、日割り予算をまず、直近の売上傾向に基づきアウター、トップス、ボトムス、服飾雑貨の部門構成比で部門別目標にします。

その後、それぞれの部門別目標をやはり直近にお客様の需要のある品種で品種別目標にします。更に直近の品種別平均単価で割って数量化します。品種別販売数量目標化した後は、それぞれの数量を実際に店舗に在庫の十分にあるどの商品で売上を立てるのかを考えます。

自身の店舗でよく売れている売れ筋商品、全店で売れている売れ筋商品の中から選定し、それらの商品を通りがかりのお客様や入店されたお客様の目に付きやすい場所に魅力的に見えるように陳列して来店を待つのです。

1) 日割り予算 ⇒ 2) 直近の部門別売上構成比に基づき部門別売上金額目標 ⇒ 3) 同様に品種別売上金額目標 ÷ 直近の品種別平均単価 ⇒ 4)品種別販売数量目標 ⇒ 5) 品種別に店舗に在庫のある具体的商品に当て込む

進捗に基づき軌道修正をかける

計画は立て終わって安心してはいけません。大事なのは進捗確認と軌道修正です。販売計画を品種別販売数量にまで細分化したことによるメリットは、すぐに実際の販売数量とのかい離と原因に気付くことができることです。多くの優秀店長さんたちは、立てた計画をいつ見直しするかも決めています。

一日の計画を午前と午後に分けたり、一日の売上のおおよそ半分に達する時間帯を知っていて(夕方4-5時ごろ)その前後に分けたり、その中間地点が来たら、達成している品種とそうでない品種を評価し、後半の作戦を立て直します。そしてその日の最後まであきらめずに店頭の商品を通じて仮説検証を繰りかえすのです。

それだけしても達成できる時とそうでない時はありますが、この計画立案と実践を行っている店長さんとそうでない店長さんの目標達成率の違いは歴然としています。

ユニクロはなぜ期間限定値下げをするのか?

売上予算金額を販売数量目標化して進捗に基づき軌道修正をかける。これが小売業のダイナミズムです。第2話の最後に、この小売業の王道アプローチを会社ぐるみで行っている事例を紹介しましょう。

ユニクロは毎シーズンすべての商品に関してカラーサイズ別に週間売上数量の目標を立てています。そしてそれに基づいて生産計画が組まれています。そのため、シーズンに入って店頭販売がスタートすれば 毎週、その週の売上数量目標と実績とのかい離が誰の目から見ても明らかです。

ユニクロではかい離が明らかになると、そのかい離を取り戻すために、目標通り売れなかった商品に関しては期間限定値下げを行い、販売数量を上げることで計画軌道を取り戻そうとします。売上数量が計画軌道に戻ったら元の価格に戻します。一方、売れすぎた商品はカラーサイズ単位で毎週追加生産を工場に指示します。

つまり、しょっちゅうセールを行っているように見えるユニクロでは、実は緻密な計画とそのかい離を早期に解消するために期間限定値下げが行われているのです。

業界には売上目標が予算通りに行かないと間もなく店内全品30%セールを行うようなチェーンストアもありますが、これでは全体の売上は上がっても売れている商品と売れていない商品の格差が縮まりません。むしろ売れている商品が売れすぎてその後、売れ筋欠品するまでです。

どちらが業績がよいかというともちろんユニクロです。

ユニクロのように週単位で全ての商品、カラ―サイズまでとはいかなくても、事前に数量計画を立て、早期にかい離が発見されて対応策を打つことができれば早期に問題が改善されることになりそうです。

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