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クラウド実証リポート 【第4弾:新たな事業価値創造編】

「ザ・プロに聞く」 NEC 取締役 執行役員常務 富山 卓二

NECは、自らの経営システム改革においてグループ12万人を支える大規模基幹システムを、クラウドを活用して全面刷新した。クラウドの有用性を自ら証明するとともに、NECは刷新によって得たノウハウを多彩なサービスメニューとして提供。お客さまのイノベーションパートナーとしてクラウドを活かした新たな事業価値を、ともに創造していく。
発展するNECのクラウド事業への取り組みを、執行役員常務 富山 卓二に聞いた。

自らの基幹システム刷新を通じて、クラウド適用の豊富なノウハウを獲得

―本格稼働がスタートした基幹システム刷新の目的と成果は?

富山  NECの「経営システム改革」は、経営の見える化やスピードアップを図り、グローバルなイノベーションカンパニーの実現を目的としたものです。その改革は「事業構造改革」、「業務プロセス改革」、「ITシステム改革」の3つのアプローチから、「シンプル」、「グローバル」、「リアルタイム」、「全体最適」という4つのキーワードによって推進しました。

まず事業構造改革では、お客さまへの接点をシンプル化するために営業やサービス、製品部門を統合。海外は5つの地域統括会社が各エリアを統括する形とし、本社とのマネジメントラインのシンプル化を図りました。続いて行なったのが、組織やグループ各社毎に個別に最適化を進めてきた業務プロセスの徹底的な標準化です。ITシステム改革では、これまでグループ会社毎に保有・運用を行なっていた経理/販売/購買のシステムをSAPで再構築し、NEC本社のメインデータセンターにクラウドシステムとして統合・集中化を図っています。グループ社員約12万人を支える新しい基幹システムは2010年10月から本番稼働を開始し、2011年10月には海外拠点を含むNECグループ全体へのシステム展開を完了する予定です。

これにより、関連する間接部門の費用およびITの総所有コスト(TCO)を20%以上削減、内部統制の強化、国際会計基準(IFRS)対応への基礎づくり、グローバルな連結経営管理のスピードアップなどを実現し、NECグループとして一体となった経営を行なっていきます。

―自らのクラウド活用をもとにしたお客さまへの提供価値とは?

富山  お客さまに大きな安心感を提供することです。クラウドを活用した基幹システム構築の豊富なノウハウ、実行した数々の方法論や創意工夫。NECが得た経験は、お客さまにとって最適なIT環境の構築、あるいはグローバルな事業を展開していく上で必要な業務プロセスの標準化など、役立てていただけることが数多くあります。

このような実践経験をコンサルティングサービス、アプリケーションサービス、プラットフォームサービスにも反映し、「クラウド指向サービスプラットフォームソリューション」としてお客さまに提供しています。アプリケーションサービスでは、公共、医療、金融業向けなどの業種別サービス、フロントオフィス業務や新技術を活用した業種共通サービス、中堅・中小企業向けのサービスなど、100種類以上のメニューをラインアップしています。クラウド基盤もモデル化し、クラウドプラットフォームサービス「RIACUBE-V」として新たに開発。今後NECが推進するクラウド指向データセンター(CODC)へ順次展開していくことで、コンピュータリソースを自動で切り出し、短期間で高信頼なプライベートクラウドサービス(IaaS、PaaS)を提供することが可能となります。

NECはこれからも、企業やキャリアなどの大規模基幹システム構築で培った信頼のOMCS(オープンミッションクリティカルシステム)技術、高度なSI力、そして自らの経営システム改革で得た経験を融合しながら、お客さまに最適なクラウド活用を提案、提供させていただきます。

図版:幅広い業種、さまざまなニーズに、クラウドでお応えしています。

―NECの刷新成果に対するお客さまからの評価は?

富山  お客さまのお話を伺っていく中で、グローバル製造業の一企業としてNECが経営システム改革で解決に取り組んだ課題と同じ悩みを、お客さまも共通してお持ちだということを、改めて実感しました。NECグループが業務プロセス改革と経理/販売/購買システムの立ち上げを約2年半という短期間で成し遂げ、クラウド基盤上でシステムの安定稼働を実現したことは、高い評価につながっていると自負しています。

特に、国際会計基準(IFRS)を見据え、グローバル標準プロセスにもとづいてつくり上げたSAPシステムのクラウドサービス「クラウド指向経理サービス」は、グローバル展開が著しい製造業のお客さまを中心に商談が活発になっています。海外に拠点を展開されているお客さまが拠点ごとにITシステムを導入するのではなく、予め集約・統合されたシステムをサービス利用できることが評価され、大手自動車部品メーカ様などに採用をいただいております。

製造業のほかにも、ホテル業向けの基幹業務サービス「ホテル総合クラウドサービス」、自治体向けの基幹業務サービス「GPRIME for SaaS」など、幅広い業種でNECのクラウドサービスが導入され、複数拠点においてアプリケーションサービスを短期間に低コストで活用できるメリットなどが成果を発揮しています。

クラウド活用による基幹領域の強化

クラウドを通じて、お客さまとともに新たな事業価値を創造

―企業向けクラウド事業の今後の展開は?

富山  クラウド活用による新たな事業価値の創造を、お客さまとともに進めていきます。これは、大きく3つの方向性で取り組んでいます。

1つ目は、『業界・業際クラウド』への取り組みです。業務プロセスの標準化や仮想化・ネットワーク技術の進展に伴い、ひとつの企業グループのみならず業界全体で共通の仕組みをクラウドによって利用することが可能になります。

たとえば、住宅関連事業者向けのクラウドサービス「JHOP」では、工務店、設計事務所、建築資材・住宅設備メーカなど住宅建築の関連事業者を対象に、プラン作成CADや電子カタログなどのさまざまな住宅建築関連アプリケーション、予算・販売管理などの業務システムをクラウド上から提供しています。住宅業界のお客さまのノウハウとNECの業種・業務ノウハウ、これをクラウドサービス関連の技術・実績と組み合わせることで、住宅事業に関わる今までにない新しいビジネスモデルを開発することができました。これにより、住宅関連事業者の業務効率化を進めるとともに、新しいIT環境を活用した新たな事業創造によって業界の活性化に貢献しています。

お客さまと協業による新事業の創造

さらに、異なる業界クラウドを連携させてエンドユーザの利便性を向上させたり、新しいユーザインタフェースを提供するような「業際クラウド」も、新たな事業価値を生み出します。これまでNECは、幅広い業界へ数多くのソリューションを提供してきました。そこで蓄積された豊富な業種・業務ノウハウを、NECはクラウドを活用して効果的に結びつけ、新たなサービスとして提供していきます。たとえば、医療業界とホテル業界の連携を考えてみましょう。医療サービスに、クラウドを活用してホテルの業務サービスやノウハウを取り入れることで、ひとりひとりのニーズや嗜好に合った患者サービスや、より高いホスピタリティを早期にかつ低コストで提供できるようになります。付加価値の高いサービス提供によって、患者さんが安らいだ時間を過ごせることは、QOL(Quality of Life)の向上になります。このように、業界を越えたサービス・ノウハウを結びつけることによってエンドユーザの満足度が高まることで、高い事業価値が生まれ、市場における優位性の獲得につながります。

またNECでは、自動車メーカ、商社などと連携しながら、電気自動車(EV)普及によって低炭素社会の早期実現を目指す取り組みも始めています。EVユーザが、いつでもどこでも快適に使える充電環境を実現するため、充電機器のネットワーク、充電会員認証・管理・決済など、ユーザの利便性向上を図りながら環境に貢献にする、クラウドを活用した全く新しいサービスの検討がいま進んでいます。コスト削減や業務効率化のみならず、ビジネスの発展や新しい事業創造にクラウドを積極的に役立てる取り組みを、NECはこれからもますます発展させていきます。

図版:NECが取り組むクラウドサービス展開

―NECグループの総合力はクラウドでどのように活かされる?

富山  2つ目の方向は、『新技術を適用したクラウド』です。NECグループには、センサ、デバイス、電池技術、またネットワーク技術、ソリューションノウハウなど、総合技術力があります。それらの技術をPC、携帯電話、スマートフォン、デジタルサイネージなどのユビキタスデバイスと融合させることで、新たな価値を持ったサービスを提供することができます。

そのひとつに、RFIDの読み取り機能を搭載した携帯電話端末とクラウド基盤を組み合わせた「モバイルクラウドサービス」があります。通信キャリア様と共同開発したこのサービスは、RFIDマルチリーダライタ搭載の携帯電話を商品などに付けられたRFIDタグに「かざす」だけで、営業マンや保守員など利用者の方が各種アプリケーションサービスを、簡単かつ安心・安全に活用できるようになりました。

また昨年、小惑星探査機「はやぶさ」が、無事地球に帰還したことで大きな反響を呼びましたが、NECが持つ宇宙事業の強みをもとに、衛星を活用したクラウドビジネスなど、地球規模の貢献に発展させていきたいですね。

新技術を活用した新しい業務スタイル

3つ目の方向は、『中堅・中小の企業や団体のお客さまへのサービス提供』です。基幹業務パッケージをベースとした「EXPLANNER for SaaS」を中核に、NECは50種類ものアプリケーションサービスメニューを揃えています。ITリソースを自前で「所有」するのではなく、必要な部分だけ「利用」できるというメリットによって、中堅・中小企業においても今後クラウドサービスの利用が拡大する、確かな手ごたえを感じています。中堅・中小企業や団体のお客さまに安心して導入、お使いいただくために、販売パートナー向けの「NEC SaaSパートナープログラム」も現在展開中です。NECとNECネクサソリューションズの約200名のスタッフが推進するこのプログラムでは、販売パートナー各社にサービス運用全般に関する教育やコンサルティング、営業ツールやヘルプデスクサービスの提供などを行ない、クラウドビジネスの早期立ち上げなどをサポートしています。

5極のクラウド指向データセンターを核に、各地の有力企業と連携したビジネスを展開

―クラウド事業におけるNECのグローバル展開は?

NEC 取締役 執行役員常務 富山 卓二

富山  クラウド指向データセンター(CODC)は日本をはじめ、中華圏、北米、中南米、欧州、アジア太平洋のグローバル5極に立ち上げる予定です。グローバルなサービスネットワークで結ばれたCODCでは、地域を問わず均一なサービス提供が可能になり、日系企業や多国籍企業がグローバルな事業展開を行なう際など非常に高い利便性を発揮します。

また、世界各地の有力企業や機関との新たな取り組みも次々に始まっています。米国最高位の学術研究病院とは、病理画像診断支援システムの臨床実験を共同で行なっており、今後このシステムをクラウドサービスとして提供することで、病理データを医師間で共有するチーム医療の向上や、遠隔医療の普及にも貢献していきます。また米SomaLogic社とは、クラウドサービスを活用した新しいヘルスケア事業で協業し、同社の高度なタンパク質解析技術とNECのIT技術を連携させた次世代血液検査サービスを提供する予定です。さらに、スペインの通信キャリアとは、クラウドを通じた新たなビジネスモデルを創造するなど、世界各地へビジネス展開を進めています。

NECグループは、長年にわたって培ってきたITとネットワークの技術力をベースに、「C&Cクラウド戦略」を推進しています。この「C&Cクラウド戦略」にもとづき、お客さまのイノベーションパートナーとして新たな事業価値を創造するとともに、より高度な社会基盤としてのITシステム構築、サービス提供など、人と地球にやさしい情報社会の実現に貢献していきます。

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