Please note that JavaScript and style sheet are used in this website,
Due to unadaptability of the style sheet with the browser used in your computer, pages may not look as original.
Even in such a case, however, the contents can be used safely.

宮城県多賀城市様

宮城県多賀城市様

デスクトップ仮想化とネットワーク統合により
住民サービスの効率性と安全性を飛躍的に向上

業種自治体・公共業務共通業務
製品シンクライアントソリューション・サービスシンクライアント

導入前の課題

災害から復興の迅速化に向けて
自席でのインターネット利用環境を整備

多賀城市 保健福祉部 介護福祉課 課長補佐兼介護保険係長 田畑 裕一 氏多賀城市 保健福祉部
介護福祉課
課長補佐兼介護保険係長
田畑 裕一 氏

宮城県のほぼ中央、太平洋岸に位置し、県庁所在地の仙台市、漁港で知られる塩竈市、そして日本三景の松島などの景勝地を持つ松島町からほど近い多賀城市。1200年以上の歴史を誇る同市は、かつては西の大宰府、東の多賀城として、都人から「遠の朝廷(みかど)」と称される著名な都でした。724年に現在の市名の由来となった国府「多賀城」が置かれ、その後、この多賀城跡や多賀城廃寺跡が国の特別史跡として指定されるなど、全国的にもその存在が知られてきました。
しかし、その多賀城市を2011年3月11日の東日本大震災が直撃します。大規模な津波によって、市の約3分の1が甚大な被害を受け、建物倒壊や電話回線、インターネット回線などの情報インフラの寸断、さらに数多くの人的被害も発生しました。現在も震災からの復興に全力を尽くす同市ですが、日々の業務を支えるIT基盤の位置付けについて、かつて同市の総務部 総務課 情報化推進係 主幹兼情報化推進係長として、さまざまなIT施策の推進役を担った田畑裕一氏(現在は保健福祉部 介護福祉課 課長補佐)は、次のように話します。
「2011年3月以降の多賀城市は、震災からの復興というテーマを抜きにして語ることができません。東日本大震災の発生直後は、被害者の救助や住宅の支援を中心に活動してきましたが、さらなる復興支援に向け、私たち市役所側の業務効率化と住民サービスの向上に日々邁進しています。そして、このような活動を続けるためには、より強固で充実したIT基盤が不可欠でした」
震災以前、同市の情報系ネットワークは、市役所の本庁舎から直接事業者の基地局を経由してインターネット接続されている状態でしたが、震災による津波でこの基地局が破壊され、数日間、電話もインターネットも使用できない状況が発生しました。情報の受発信ができないことは、公共機関にとって大きな痛手でした。

多賀城市 総務部 総務課 情報化推進係 主査 高橋 徹 氏多賀城市 総務部
総務課 情報化推進係
主査 高橋 徹 氏

また以前は、各職員に配布されている業務端末ではセキュリティ対策の点から直接インターネット接続ができず、情報収集やメールによる連絡などについても各課にある共有端末を使用している状況であったため、決して十分と言える環境ではありませんでした。
総務部 総務課 情報化推進係 主査の高橋徹氏は、「以前、インターネット接続できる端末は全庁で約70台、つまり各課に1〜2台しか設置されておらず、必要に応じて共有する形態でした。このため、インターネットを使用する必要がある職員は、わざわざ共有端末の設置場所まで移動してから、業務を行う必要がありました。もし、そこで別の職員が共有端末を使用している場合には、さらにその作業終了を待たなければならない状態が発生していました。震災後は復興対応もあり、それまでとは比べものにならないほど、国や県とのやり取りが必要となっており、メールの送受信や情報収集に向けて、自席でのインターネット接続が不可欠となりました」と話します。
しかし、単純に各自の業務用端末に加えてインターネット接続端末を各職員の席に増やした場合、各席にそれぞれのネットワークに接続する2台の端末が設置されることとなり、机上の限られたスペースでは手狭となります。さらに、端末の台数が増えると保守管理するための手間もかかります。このため、デスク上の作業スペースの確保や運用効率向上という観点から、端末の集約が課題となりました。業務端末の管理面について田畑氏は、「震災後は、非常勤や地方自治法に基づく派遣で参画された職員の方も含め、端末使用者が100人以上も増えたことに加え、支援物資として提供された端末も増加しました。非常にありがたい状況ではありましたが、反面、これらの端末の設定作業や障害対応も激増し、運用負荷が大幅に高まりました」と回想します。

導入の経緯

ネットワーク統合を機に、デスクトップ仮想化による端末統合も併せて検討

多賀城市におけるネットワーク再構築のプラン自体は、以前に導入したネットワーク機器の入れ替えが2011年に予定されていたこともあり、すでに2010年の夏には検討課題になっていたといいます。しかし、2011年の震災によってこれらの計画は一旦見送りとなり、2011年7月に再度検討が開始されます。この段階において同市では、ネットワーク再構築という課題に向け「仮想化技術」がキーとなるという判断を下します。「住民情報系」と「内部情報系」を1つのネットワークとした「基幹系」と、インターネット接続専用の「情報系」の2つに分かれていたネットワーク機器を仮想化技術によって統合するというものです。同市では、ネットワーク関連機器の導入と構築、さらに実稼働後のサポートも含めた対応ができるパートナー企業の具体的な選定を開始。その経緯について、田畑氏は次のように話します。
「2011年7月には、以前のWindows NTドメインサーバをAD(Active Directory)サーバへ切り替える作業をNECに対応していただきました。NECはネットワーク、ハードウェア、ソフトウェアにとどまらず、仮想化に関する豊富なノウハウや実績を備えています。さらに、現在の多賀城市の住民情報系システム、内部情報系システムを構築し、運用いただいていることなど、さまざまな観点から検討を行った結果、今回のプロジェクトを一貫して支援していただけるパートナーとして最適なのは、やはりNECという判断に至りました」
ハードウェアおよびソフトウェアの調達からプロジェクト全体のマネジメントをNECが、また実際のシステム構築をNECフィールディングが担当する形で、2011年7月、多賀城市のネットワーク再構築プロジェクトは本格的にスタート。さらに、当初はネットワーク機器の統合だけを考えていた同市ですが、デスク上の作業スペースの確保や運用管理の負荷軽減に有効というNECからの提案を受け、端末についてもデスクトップ仮想化による統合に取り組むことを決定しました。その後、約2年半の開発期間を経て、2014年1月には無事に刷新プロジェクトのカットオーバーを迎えることができました。

「住民情報系」と「内部情報系」の各ネットワークに接続する端末をセキュアに統合し、インターネット活用を迅速化

一般に自治体のネットワークは、不正アクセス防止などのセキュリティ対策上、「住民情報系」と「内部情報系」の2系統に分かれ、後者の「内部情報系」からインターネット接続(外部接続)できる形態となっています。多賀城市は従来、「住民情報系」と「内部情報系」を1つのネットワークとした「基幹系」と、インターネット接続専用の「情報系」の2系統のネットワークを物理的に分離して運用を行ってきました。各職員の業務端末は「基幹系」へのみ接続されていたため、業務端末からは電子メールなどのインターネット接続ができず、業務端末とは別の共有端末を利用していました。
今回のプロジェクトでは、以前は内部に閉じたネットワークの「基幹系」にあった内部情報系システムをインターネット接続が可能な「情報系」へ移設し、各職員の業務端末から内部情報系システムと電子メールなどのインターネット接続を利用可能としました。さらに、ネットワークの仮想化技術によって1台の物理スイッチに2つのネットワークを収容することで、これらのネットワーク統合を実現。また、本庁舎から直接行っていたインターネットへの接続をデータセンター側に設置し、データセンターを介してインターネット接続を行う形に切り替え、停電など有事の際の対策を実施しました。
業務端末については、以前と同様に1台の端末で「住民情報系」と「内部情報系」の2つを使えるようにするために、「住民情報系」へのアクセスについては、画面転送のみのデスクトップ仮想化を導入。デスクトップ仮想化環境としては、NECが提供する仮想PC型シンクライアントシステム「VirtualPCCenter(VPCC)」を採用しました。
「住民情報系」への接続端末を仮想化することで、1台の物理端末上で「内部情報系」と「住民情報系」の2つの用途をセキュアに両立し、各職員のデスク上の端末スペースを削減するとともに、その利用や管理に当たっての運用負荷を軽減しています。VPCCでは、すべての仮想端末を管理サーバから一括管理し、仮想端末の追加や削除に関わる作業はもちろん、リソース配分、可用性の維持、パッチ適用などシステム管理や運用に必要な作業を支援するための機能を提供しています。これにより、個々の物理端末に関わる現場での障害対応などは不要になり、また物理端末側にデータが蓄積されることによる情報漏えいなどのリスクも低減することができます。現在、同市で使用している業務端末は全体で約200台、そのうち約120台が仮想化され、主に住民記録や福祉関連の業務でこれらを使用しています。


導入後の成果

復興業務の効率化に加え、管理負荷の軽減や
セキュリティ向上も実現

実稼働からまだ3カ月あまりですが、多賀城市におけるネットワーク統合とデスクトップ仮想化の導入効果はすでに現れはじめています。今回のシステム刷新の効果について、田畑氏は次のように話します。
「利用者である職員からは、自席から直接インターネット上の情報を閲覧したり、それらの情報を使って資料を作成したりすることで、通常業務や復興に向けた各種作業を迅速に推進できることができるようになったという喜びの声が多く聞かれます。またシステム運用という面では、単純に2台の端末を導入した場合に発生する設定作業や障害対応の手間が半分になったことも高く評価しています。さらに住民情報に対するセキュリティ面も格段に向上したことなど、これらの効果をトータルで捉えた場合、システム刷新に投下したコストに対し、十分な効果が現れていると実感しています」
復旧や再設定などの端末メンテナンスは、情報化推進係の5名で対応していますが、物理端末の場合は1日に複数回の問い合わせがくることも希ではなく、依頼があれば確認も含めて現場に出向く必要がありました。この点、デスクトップ仮想化によって自席から障害対応を行うことができるようになった点は大きな変化です。
一方、以前の環境では“住民情報システムを利用できること”は、そのまま“住民情報データをUSBメモリなどへ書き出せること”を意味していただけに、個人情報の保護、セキュリティ面での課題がありました。しかし、情報化推進係で調査した結果、ほとんどの業務要件があくまで「住民情報の閲覧」レベルであることが分かったため、デスクトップ仮想化によってUSBメモリなどへの書き出しができなくても問題がないことが明らかになりました。このため同市では、住民情報システムを利用するデスクトップ仮想化端末では、不正行為だけでなくケアレスミスによる情報漏えいのリスクも排除しています。
高橋氏は「インターネットの利用が自席でできるようになった点は、大きな導入効果だと考えています。以前は『今メールを送ったので確認してください』と電話を受けたら、自席を離れて共有端末の場所に行かなければなりませんでした。迅速性が要求される住民サービスや復興関連業務では、今回のシステム刷新で得られたスピード化が非常に重要でした。また、建設部の関係で復興・復旧作業用の図面などを外部の業者とやり取りする機会が数多くありますが、以前のように1台の共有端末を使用していた場合には、とても運用が回らなかったのではないかと効果を実感しています。こうした点でもネットワーク統合およびデスクトップ仮想化は大きな成果をもたらしています。さらにVPCCによる仮想デスクトップ操作時のレスポンスは非常に快適で、まったくストレスを感じないものでした。導入前は『パフォーマンスが劣化しないだろうか?』という心配もありましたが、実際の操作性は以前と変わらず、ユーザーもデスクトップ仮想化を意識することなくスムーズに活用できています」と強調します。
導入効果の最後で、田畑氏は今回のシステム刷新におけるNEC貢献についても言及し、「NECが、多賀城市のシステム刷新に最大限の力を注ぎ対応していただいたことに感謝しています。多賀城市のネットワーク環境、システム稼働状況など、必要となる情報すべてを把握の上、私たち自身では気付かない細かな点まで含め、積極的かつ十分な支援を行っていただきました」と評価します。

住民サービスの利便性向上に向けて
総合窓口の設置も検討

常に充実した住民サービスの実現を念頭に業務を推進し、震災復興という面においても、他県に先駆けてスピーディな対応に注力する多賀城市ですが、今回のシステム刷新プロジェクトによって、ネットワーク統合およびデスクトップ仮想化を無事に完了し、すでにさらなる住民サービス向上に向けた今後のプランが浮上しているといいます。
「震災後の3年間、NECによる協力を得て、ネットワーク体系の刷新を実現しました。ここまでの対応は、行政の情報化という範疇でしたが、次のステップとして住民サービスの向上に向けた地域情報化の促進を考えています。一例ですが、現在分散している窓口を集約して、総合窓口とも呼べるような仕組みを確立できたらと考えています。複数の窓口に行かけなればならなかった手続きを、1つの窓口を介してワンストップで行うことができれば、市民の皆様に大きなメリットをもたらすことができると考えています。行政の情報化の次に、このような地域情報化の推進を目指し、さらなるシステム化に取り組んでいきたいと考えています」(田畑氏)
突如見舞われた震災からの復興、その他にも数々のハードルを市民と一丸となって乗り越えてきた多賀城市。現在も市民サービスの充実に向けて真摯に取り組む同市を支えるシステム基盤として、NECの提供するソリューションが日々大きく貢献しています。

NEC担当スタッフの声

震災からの復興に向けて、お客様と一体となったさらなる挑戦の継続

NEC 東北支社 公共第一営業部 上田 有香
NECフィールディング株式会社 東北支社 仙台支店 ソリューションサポート課 佐々木 聡


今回は、システム構築を推進するという立場でプロジェクトに参画させていただきましたが、何よりもお客様と一体となって本プロジェクトを進めることができたことが、成功につながったと考えています。多賀城市様が発注者と受注者という関係ではなく、共通の目的に向かって進むパートナーとして私たちに対応していただけたことで、開発に関わるさまざまな情報共有や、問題発生時の迅速な解決が可能になったと実感しています。
今回のプロジェクトにおいて、ネットワーク統合およびデスクトップ仮想化導入という新たな挑戦が無事完了し、現在まで安定した形で業務の支援ができているという点が一番の喜びでした。今後も新たなシステム化に向け、引き続き協業が続きますが、多賀城市様における震災復興、さらなる住民サービスの向上という目的に向け、これまで以上に貢献していきたいと考えています。

お客様プロフィール

宮城県多賀城市

所在地 多賀城市中央二丁目1番1号(市役所) 多賀城碑
あやめ園
人口 62,657人(平成26年4月30日現在)
世帯数 25,700世帯(平成26年4月30日現在)
将来都市像 未来を育むまち 史都 多賀城 ~支えあい・学びあい・育ちあい~
~あなたの笑顔が多賀城をすてきにする~
U R L http://www.city.tagajo.miyagi.jp/

(2014年06月16日)

共有する: