ページの先頭です。
サイト内の現在位置を表示しています。
  1. ホーム
  2. 導入事例
  3. 住友電気工業株式会社様
ここから本文です。

住友電気工業株式会社様

住友電気工業株式会社様

SDNでサービスの重要度や通信量に応じた制御を実現
WANの帯域拡大、信頼性向上、コスト削減に成功

業種 製造業
業務 共通業務
製品 SDN,LAN/WAN,ネットワーク機器(その他)
ソリューション・サービス SDN,ネットワーク(その他),ネットワーク(企業ネットワーク)

事例の概要

課題背景

  • コミュニケーションやIoTの進展によるデータ量の飛躍的な増大が予測される中、WANの帯域拡大と信頼性向上が喫緊の課題だった
  • 従来は信頼性を重視して、ギャランティ型の回線(※1)を中心に採用し、用途別に利用。帯域不足を解消したいが、コスト負担が大きく、十分な帯域拡大の実現が難しかった
  • 800台を超える仮想マシンを運用しているプライベートクラウドシステムの信頼性向上とコスト低減を図るには、BC/DRシステムの改善が不可欠だった

(※1:通信速度や品質が保証されている通信サービス)

成果

帯域拡大とコスト削減を両立

関係会社を含む国内34拠点を結ぶWANにSDNを適用し、総帯域を約2.4倍に拡大しつつコストは約10%削減することができた

3重の回線で信頼性を向上

柔軟なネットワーク運用が可能になったことから、ベストエフォート回線(※2)を有効活用。回線を3重化し、WANの信頼性を大幅に向上できた

BC/DRのコスト削減と確実な切り替えを実現

メインデータセンタ-とBC/DR用データセンター間をSDNによってL2接続。プライベートクラウドシステムのBC/DRコストを33%削減するとともに、障害発生時の切り替えに要する時間を短縮。作業工数の大幅な削減によって人為ミスなどのリスクも低減できた

(※2:通信速度や品質の保証がなく、利用状況などによって変化する通信サービス)

導入ソリューション

拡大する住友電工様のWAN構成

ITサービスを重要度に応じて3つのクラスに分類。ギャランティ型回線とベストエフォート型回線による合計3組の物理ネットワークを用意し、すべての回線に「クラスA>B>C」という優先制御を設定。どの回線にも、どのITサービスのトラフィックを流すことが可能なWANを実現している。

本事例に関するお問い合わせはこちらから

事例の詳細

導入前の背景や課題

いかにネットワークを使いこなせるかが企業の競争力に直結する

住友電気工業株式会社
情報システム部 部長
橘高 淳 氏

創業以来、電線・ケーブルの製造技術をベースに独創的な研究開発を続け、様々な新規事業に挑戦してきた住友電気工業様(以下、住友電工様)。現在は、「モビリティ」「エネルギー」「コミュニケーション」という基本となる3つの事業領域、そして、それらの融合領域である「環境・都市インフラ」、新たに開拓した「ライフサイエンス」「資源」といった事業を手掛け、私たちの暮らしと社会を支えています。

このような幅広い事業を支えるインフラとして、同社が重視しているのがネットワークです。

「そもそもネットワークがなければ、ITシステムは利用できません。データセンターへの回線が切断してしまったら、約3兆円のビジネスの一部が停止してしまうことになります。しかも、IoT(Internet  of  Things)によって様々なデバイスがネットにつながり、日々のビジネス活動の中で生まれる膨大なビッグデータをいかに活用するかが企業競争力を決定づけるようになっています。そのためには、ネットワークの信頼性向上と高速化、およびその有効活用が必要不可欠。現在のビジネス環境においては、『ネットワークをいかに使いこなせるか』が企業の競争力に直結するのです」と同社の橘高 淳氏は話します。

しかし、住友電工様のネットワークは、ギャランティ型回線を中心とした用途別のIPネットワーク。ネットワークの帯域を拡大したくてもコスト負担が大きく十分な帯域確保が困難でした。その結果、バックアップ用の回線の準備はWANの一部分にとどまっているなどの問題がありました。

「ネットワーク帯域を拡大するためには、従来のギャランティ型回線中心の考え方では無理があり、より安価なベストエフォート型回線を活用することが必要でした。そのためには、ベストエフォート型回線の信頼性の問題を解決しなければなりませんでした」と高橋 覚氏は話します。

選択のポイント

実績が豊富なNECのSDNソリューションをWANに採用

住友電気工業株式会社
情報システム部
情報技術部 主幹
川瀬 淳 氏

そこで、同社が考えたのが新しい思想のWAN設計です。従来のように用途ごとに回線を固定的に用意するのではなく、複数の回線に様々なITサービスを柔軟に割り当てながら、多重化できないかと考えたのです。

「この考え方でWANを設計できれば、帯域が足りない、余るというムダがなくなり、回線利用効率を高められます。また、各ITサービスが回線を共有できるため、最少の回線数で多重化が実現でき、コストを適正化しつつ信頼性の向上も図れます」と川瀬 淳氏は話します。

とはいえ、いくら青写真を描くことができても、既存技術では、このような新しいWAN設計を具現化することは困難でした。そこで同社が目を付けたのが、SDN(Software-Defined Networking)ソリューションです。

ネットワーク全体をソフトウェアで柔軟かつ容易に集中制御できるSDNなら、複数の回線に様々なITサービスを柔軟に割り当てて、多重化するという同社の構想した新しいアーキテクチャを実現できると考えたのです。

具体的には、現実的に信頼性で劣るものの、安価なベストエフォート型回線を活用して広帯域化を図りつつ、すべての回線をSDNで統合。その際、ネットワークを2重化ではなく3重化することで信頼性の向上を図ることができます。また、SDNは、スケールアウトも可能なため、必要最小限の構成からスタートできるメリットもあると考えました。

新しいWANに対する、これらの期待を実現するためのパートナーにはNECを選定しました。

「当時、データセンターや企業内LANへのSDNの導入が進み、SDN市場の拡大も予測されていました。そうした中、NECは早くからSDNソリューションに取り組んでおり、すでに多数の導入実績がありました。その中にはライフライン系のWANにSDNの技術を適用した事例があるという話も耳にしました。それを踏まえて、その実例があまりなかった企業WANへのSDN適用を実現できるのはNECしかいないと考えました」と橘高氏は強調します。

実は当時、NECもSDNのメリットをWANで活かすべく、SDNをWANに適用したSD-WANソリューションの開発に着手していました。住友電工様からの相談を受け、NECは、同社の要望を取り入れながら、このソリューションの完成度を高めていくことにしたのです。

導入後の成果

回線の利用効率を向上し、帯域当たりのコストを大幅に削減

住友電気工業株式会社
情報システム部 情報技術部 部長
兼 IoT研究開発センター IoT推進部 部長
高橋 覚 氏

最適なWAN設計を行うために、まず同社が行ったのが、ITサービスごとのトラフィック量の調査です。調査の結果、最もトラフィックが多かったのはEメール、次いでバックアップ、そして、Web閲覧などのインターネット利用だということがわかりました。「重要度が最も高い基幹システムのトラフィックは、トラフィック量としてはそれほどではないなど、新しい発見がありました」と高橋氏は話します。

このトラフィック調査の結果を受けて、同社はITサービスを重要度に応じて3つのクラスに分類。最重要のAクラスには、基幹業務システムに加えて、リアルタイム性が求められる音声(電話)とTV会議を設定。次に重視するBクラスは、バースト性の高い通信が発生する電子メール、ファイルサーバなどの重要サービスを割り当て、最後のCクラスには、セキュリティ関係、バックアップなどの非優先サービスを割り当てました。

スターネット株式会社
技術本部
ソリューション部
ソリューション技術グループ マネジャー
丸山 剛志 氏

回線には、ギャランティ型回線とベストエフォート型回線による合計3組の物理ネットワークを用意し、すべての回線に「クラスA>B>C」という優先制御を設定。どの回線にも、どのITサービスのトラフィックを流すことが可能なWANを設計しました。

「現在は、ギャランティ型回線にAクラスのサービスを配置し、ベストエフォート型回線でB、Cクラスを含めた帯域を確保しています。トラフィックは、日々変化するため、各回線への個別のITサービスの割り当ては、毎月見直します」と川瀬氏は話します。

信頼性の面では、3重の多重化を実現し、障害に備えています。Aクラスは2重障害時でも100%、Bクラスは50%まで帯域を確保するという、クラスに応じたポリシーも定めています。

しかも、このような設定作業を、すべてGUIを通じてできたのもSDNを採用したメリットです。「優先制御と多重化の経路制御のためには、数十拠点に散らばるWANルータそれぞれに600ライン以上の設定コマンドが必要となります。各回線へのITサービス割り当ての見直しは毎月実施しますが、従来の技術で対応するのは現実的ではありません。SDNソリューションなしでは実現できなかったWANだといえます」と住友電工様のネットワーク運用をサポートしているスターネットの丸山 剛志氏は話します。

こうしてSDNによるWAN制御の仕組みが実現した結果、住友電工様のWANは、多重化と優先制御によってITサービスの通信品質を向上させると同時に、関係会社を含む国内34拠点が利用可能な総帯域を約2.4倍に拡大。しかも総コストを約10%削減するという高い成果を上げています。

「特に、従来、コストの制約が大きかった関連グループ会社では、総帯域が6倍以上となっており、IoTやAI技術を活用、関連グループ会社を含む各工場の設備の稼働データや品質データを分析し、生産性や品質を向上させるという新しいチャレンジも、ネットワークの心配をせずに進められるようになりました。」と川瀬氏は強調します。

NECは、同社と共に開発に取り組んだ、このSD-WANソリューションをすでに他のお客様にも提供を開始しています。

SDNをデータセンター間のBC/DRシステムにも適用

同社はWANの最適化と同時に、SDNを活用した重要なプロジェクトをもう1つ進めました。データセンター間のBC/DRシステムの改善です。

「当社は800以上の仮想サーバを伊丹データセンターのプライベートクラウドで運用していますが、その費用の大半をBC/DRシステムが占めるようになっていました。また、プライベートクラウドの規模拡大に伴い、従来のBC/DRシステムでは実際に障害が発生した場合に24時間以内での切り替えが難しくなってきており、BC/DRシステムの見直しが非常に重要な課題でした」と橘高氏は話します。

通常、メインサイトで稼働しているシステムを、BC/DRサイトに切り替える場合は、BC/DRサイトのネットワークセグメントに割り振るIPアドレスに対応させるために、ネットワーク全体の設定変更が必要です。この作業は、工数がかさむため、非常時のバックアップシステムの迅速な立ち上げを阻害したり、人為ミスが発生するリスクを伴ったりします。
そこで同社は、SDNによって、このIPアドレスにまつわる課題を解消。SDNは、物理的に離れている拠点間を同一のL2(レイヤー2)で容易に接続できます。この特性を活かし、メインサイトである伊丹データセンターと、BC/DRサイトである横浜データセンターをL2接続したのです。2つのデータセンターを同じネットワークセグメントとして扱えるようになったことで、BC/DRシステムを立ち上げる際にIPアドレスを全く変更することなく引き継げるようになりました。これにより、従来、かなりの時間と工数を要していた障害時のサイト切り替えを数分で行うことが可能。また、サイト障害時だけでなく、サーバ単位での切り替えも可能となった上、BC/DRサイト側のデータをバックアップとしても利用可能となりました。従来は必要であった、専用のバックアップ装置も不要となり、大幅なコスト削減も実現できます。

「仮想化基盤の機能によって、同様の仕組みを実現するアプローチもありますが、この方法では、すべてのプライベートクラウドを最新バージョンの仮想化基盤で統一する必要がありました。800の仮想マシンを稼働させている当社では現実的ではありません。NECのSDNソリューションは仮想化基盤のバージョンに関係なく、同じメリットを享受できる非常に現実的な選択肢でした」と高橋氏は話します。

こうした取り組みにより、同社はBC/DRに関するコストを約3割削減。災害時にバックアップシステムを立ち上げる際の確実性も向上しました。

SDNによるWAN制御を海外拠点にも展開

今後、同社はSD-WANの海外拠点への適用も検討しています。すでに、タイやシンガポールなど、一部の拠点で取り組みを開始しています。

また、セキュリティ製品と連動して、ウイルスに感染した端末を自動遮断できるSDNは、何より安定操業を重視しなければならない、工場のセキュリティ対策に有効ではないかと考えています。

「我々、住友電工の情報システム部門は、各部門・関係会社の重要課題解決に直結する情報システムの構築、安全・安心な業務推進環境の整備、各種インフラ系ITサービスの拡充、各種施策実施のためのITインフラの整備など、重点施策を掲げて、業務改革にIT面から貢献することをミッションとして掲げています。今回のSD-WANの実現は、まさにこれらを体現したプロジェクト。力を貸してくれたNECには非常に感謝しています。今後も心強いパートナーとして、当社のビジネスを支えてほしいですね」と橘高氏は最後に語りました。

NEC担当スタッフの声

SDNのWANへの適用は「共創」が具現化した好例

NEC
第一製造業ソリューション事業部
関西第一インテグレーション部
マネージャー
松田 寛

NECは、お客様やパートナー様と共にICTで価値を創る「共創」を、ビジネスの大きな柱の1つに位置付けています。今回の住友電工様との取り組みと成果は、まさに共創が具現化した好例。非常にうれしく感じています。

NECは、早くからSDNの価値に注目し、LANだけでなくWANでも、これまでにない価値をもたらすことができるはずだと信じていました。その信念のもと、ソリューションの開発に着手していたのですが、同じ構想を持った住友電工様からお声掛けいただいたことで開発のスピードが加速。経路制御の機能やGUIの使い勝手など、様々な意見やフィードバックをいただけたことで、より使いやすいソリューションに仕上げることができました。

これまでは難しかったWANを流れるトラフィックに対する柔軟な制御が可能になることで、バックアップ回線の有効活用や輻輳(ふくそう)時の優先制御などができ、LANとWANの総合的な管理が可能となります。

特にコスト面で、WANに課題を抱えているお客様は少なくありません。多くのお客様に対して、今回の取り組みで完成し、提供を開始したSD-WANソリューションを積極的に提案し、IoT時代のビジネスをご支援していきたいと考えています。

お客様プロフィール

住友電気工業株式会社

所在地 大阪市中央区北浜4-5-33(住友ビル)

住友電気工業株式会社様

創業 1897(明治30)年4月
資本金 99,737百万円
売上高 連結2,814,483百万円 単独901,892百万円(2017年3月期)
従業員数 連結248,330人 単独5,034人(2017年3月末)
概要 創業120周年を迎えた現在も、何より信用を重んじる「信用確実」「不趨浮利」(ふすうふり)など、脈々と受け継がれた住友事業精神のもと、自動車関連事業、情報通信関連事業、エレクトロニクス関連事業、環境エネルギー関連事業、産業素材関連事業を展開している。
URL http://www.sei.co.jp/

本事例に関するお問い合わせはこちらから

(2017年9月22日)

関連事例

Now Loading

導入事例

ページの先頭へ戻る