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NEC グローバル経営改革≪第二弾≫

JapaneseEnglish

業務プロセス、システムの標準化に基づく
グローバルSCM改革でグローバル競争力を強化

NEC グローバル経営改革≪第二弾≫
業種製造業業務設計・開発・製造,生産管理
製品ERP(会計・人事・給与・販売・生産等)パッケージ,PLM/CAD(製品開発)ソリューションソリューション・サービスERP(会計・人事・給与・販売・生産等)パッケージ,PLM/CAD(製品開発)ソリューション

NECグループでは、“顧客基点のものづくり”をグローバルに広げていくことを念頭に、業務プロセスと生産管理システムの標準化を核とするグローバルSCM改革に着手。その第一弾として、コンピュータ生産に関わるマザー工場であるNECコンピュータテクノを中核とした、ITプラットフォーム事業における生産管理システムの刷新を実施しました。これにより顧客基点のプル型生産方式に対応する生産体制をさらに強化するととともに、グループ全体の生産業務プロセス・システムの標準化に向けた土台を整備。今後は、世界中どの工場においても同一製品の生産を可能にする、いわゆる“生産マップフリー”にむけた環境を展開していきます。

事例のポイント

課題

  • グループ内の事業において生産にかかわる業務プロセスやシステムがバラバラに運営されており、グローバル競争力強化の“足かせ”となっていました。
  • 生産領域の業務プロセスや生産管理システムが異なっているため、拠点間での生産調整が容易に行えませんでした。
  • 営業、生産、物流の各業務にまたがる統合的なプロセスが存在しないため、ムダが多く、リードタイムを短縮することも困難でした。

成果

  • グループ全体の生産業務プロセス・システムの標準化に向けた土台を整備できました。
  • 製造現場で作業中の製品に関する発注元の顧客情報や出荷便の情報が明示されるようになったことで、お客様や納期についてのより強い意識が各担当者に醸成されました。
  • 標準化したプロセス、システムを、今後、国内、海外の生産拠点に展開していくことで、生産マップフリーによるグローバル規模での最適生産を実現していける環境を実現していきます。

導入前の背景や課題

業務プロセスやシステムの個別最適が競争力強化の“足かせ”に

NEC SC統括本部 シニアマネージャー 兼 生産本部 シニアマネージャー 嵯峨 幸治NEC
SC統括本部 シニアマネージャー
兼 生産本部 シニアマネージャー
嵯峨 幸治

携帯電話から、PC、サーバー、ストレージ、さらには海底ケーブルや人工衛星に至る幅広い製品群を生産し、市場に供給しているNECグループ。民需量販品から、受注設計型のシステム品まで、生産形態が全く異なる製品を扱うNECの各事業部門では、これまで工場や関係会社それぞれが独自に生産にかかわる業務プロセスを培い、そのプロセスに適合した生産管理システムを構築し、事業を展開してきました。

「このようにグループ内の事業のなかで生産に関わる業務プロセスやシステムがバラバラに運営されているという状態は、グローバル市場を見据えたさらなる競争力の強化を図る上で、大きな“足かせ”となっていました」とNEC SC統括本部の嵯峨 幸治は語ります。

「BCPの観点から言えば、『この工場でしか物が作れません』ではお客様には通用しません。万が一何か不慮の事態が発生しても、『止めずに作る』『どこでも作れる』を実現していかなくてはなりません。また、BCPに限らず製品の需要変動に応じて、柔軟に生産する拠点を調整していくことも必要です。しかし従来は生産に関わる業務プロセスや生産管理システムが異なっていたために、このような『あるべき姿』を実現できないでいました」

NECコンピュータテクノ株式会社 生産本部・生産管理部 マネージャー 奈良 克夫NECコンピュータテクノ株式会社
生産本部・生産管理部
マネージャー 奈良 克夫

こうした経営視点での課題に加え、実際の生産現場においても、業務プロセスやシステムの個別最適化に伴う課題が浮上していました。これについてNECコンピュータテクノの生産本部・生産管理部に所属する奈良 克夫は次のように語ります。

「営業、生産、物流といった一連の業務をまたぐ統合的なプロセスが存在せず、業務システムも個別に運用されている環境では、お客様の要求に応えるという観点においても何かとムダが多く、受注から納品までのリードタイムを短縮するという取り組みもままなりません。ムダな作り置きをせず、また日本各地の工場で生産した製品を、クロスドッキングしていち早くお客様にお届けするには、物流の流れを変え、生産のやり方を大きく変えていく必要がありました」

選択のポイント

グローバル規模での“顧客基点のものづくり”を目指す

NEC 生産本部 シニアマネージャー 兼 SC統括本部 シニアエキスパート 澤永 正行NEC
生産本部 シニアマネージャー
兼 SC統括本部 シニアエキスパート
澤永 正行

こうした問題を克服するため、NECでは、事業部門や工場ごとに異なっていた生産管理領域の業務プロセス、生産管理システムの標準化を実施し、グループ全体の統合化を図る“グローバルSCM改革”に着手しました。この改革を断行することにより、グループ全体でのQCD(Quality Cost Delivery)の見える化や業務改善による収益拡大、世界の工場で、均一した高いレベルでのものづくりの実現、ひいてはグローバル規模での最適生産体制の確立などを目指そうと考えたわけです。

「NECではすでに15年前から工場現場における生産革新やデリバリ改革、サプライヤ改革を柱とした“ものづくり革新”の取り組みを行ってきましたが、今回の取り組みでは“顧客基点のものづくり”をグローバルに広げていくことを、その中心的なテーマに据えています」とNEC生産本部の澤永 正行は紹介します。

そうした改革に向けた初動の取り組みとして、まずNECでは、その提供する製品の特質に応じて、製品の生産にかかわる活動をI類からIV類までの4つの類型に分類しました。具体的には、携帯電話などの量産型製品をI類、サーバーやストレージ、金融端末などの受注組立生産(BTO:Build To Order)型の製品をII類、メインフレームコンピュータや放送機器などのセミカスタム製品をIII類、そして人工衛星など宇宙に関わる分野の製品をはじめとする受注設計型のフルカスタム製品をIV類と定め、それぞれの類型ごとに生産にかかわる業務プロセス、および生産管理システムの標準化を行うことにしたのです。

その最初の取り組みの領域としてNECが選んだのが、4つの類型のうちII類に相当する、ITプラットフォーム事業でした。同事業では、NECグループ内でコンピュータ開発・生産事業を牽引するNECコンピュータテクノを中心に、各種サーバー製品やメインフレーム、金融・流通業向け専用端末や、家庭用蓄電システムなどの機器の製造・販売を手がけています。

「着手できるところから、早急に改革の取り組みを進め、試行錯誤を行いながら、他の類型の事業部門に対してベストプラクティスとなり得るモデルを示したいと考えました。NECコンピュータテクノは、ITプラットフォーム事業に関わるマザー工場として他工場に対し範を示すためにも、取り組みをスタートさせるには絶好の場であると考えたのです」(嵯峨)

導入ソリューション

生産やデリバリの「あるべき姿」を描いて標準プロセスを構築

まず、生産業務プロセスの標準化に向けてNECでは、標準型に相応しいプロセスの「あるべき姿」についての綿密な検討を重ねました。

具体的な標準化の手法としては、前述の通り、製品・工場ごとの多種多様な生産形態を、Ⅰ類からⅣ類までに大別。次に製品在庫を持たずにお客様の要求納期にあわせて製造する「プル型生産」の実現を念頭に、標準製造BOM-マスタ管理-受注-所要計画など、連続する工程を14個のプロセスブロックに定義し、それらブロックごとに部材の調達や在庫の管理を行うかたちでシナリオを作成していくというアプローチをとりました。

このブロック単位のプロセスを適宜組合せていくことで、多種多様な生産形態の違いを吸収し、全社共通の生産業務プロセスのシナリオを実現できるような方向性を目指しました。

一方、そうした業務プロセスの実践を支える標準システムは、生産管理に強みを持つERPパッケージ「IFS Applications」をベースに構築。そのポイントとしては、以下の3点があげられます。

まず1つ目は、プル型生産方式に対応するために、営業と工場をシームレスにつなぐ仕組みを実現すること。具体的には、営業側で入力した受注情報に対し、生産管理側で作成した「生産枠情報」に基づくリアルタイムでの納期回答が可能となっています。生産枠は、製品やキーパーツとなるモジュール、部品に対し、資材の調達状況や在庫情報を考慮して設定され、外部システムから随時受け取る所要情報によって立案される所要計画、生産計画に基づいて更新されます。それが納期回答システムに日次で送信され、営業への納期回答が行われます。

回答された納期は100%順守。営業・生産・物流すべてがその納期必達に向け同期して動いていきます。従来の見込み生産とは異なり、過剰在庫を抱えたり、納期を守るために生産ラインや段取りを変更して無理をするというような無駄を無くすることができました。

2つ目は、MESとかんばんシステムの連携を行っていること。これに関しNECでは、1日単位での生産管理をシステム側でまかない、時単位、分単位の管理についてはMESで行うというという切り分けを行っています。そのうえで、BTO製品については、現場の生産をコントロールするMES側で、搬入確定情報を元に「トラベラ」と呼ばれる最終製品を対象とした製造指示を発行します。トラベラでは「どのお客さま向けの製品が、何台、何日何時の物流便に載せて出荷する」という明示されます。 それに従って生産現場では製造を実施。製造で使用する部材は、かんばんにより、自律的に必要最小限の適正在庫が維持されます。その一方、生産管理側では、MESから製造指示情報や作業実績を受け取ります。こうした仕組みによって、出荷便に合わせた短いリードタイムでの効率的な生産を実現しています。

最後に、3つ目のポイントは、設計と製造の間のインタフェースを構築している点です。NECでは従来、設計品目情報、販売品目情報に紐づけられる製造部品表(BOM)が拠点ごとに異なり、生産の流動化が困難であるという問題を抱えていました。そこで、全社標準のデータ構造による基本構成BOMを設定。この基本構成BOMに、各拠点が製造で必要な情報を付加して拠点別の製造BOMとして展開し、生産管理システムに連携する仕組みをPLMソリューション「Obbligato III」上に構築しました。これにより、設計に関わる変更を生産工程に迅速かつ柔軟に反映することが可能となっています。

ITプラットフォーム事業における生産管理システム 全体概要

ITプラットフォーム事業における生産管理システム 全体概要

設計-製造インターフェースの概要

設計-製造インターフェースの概要

設計部品表(設計BOM)を工場ごとの生産部品表(生産BOM)に変換し、生産管理システムに連携するインタフェースをPLMソリューション「Obbligato III」を活用して構築している。

“顧客基点のものづくり”の実現に向けたNECのものづくり革新の考え方

“顧客基点のものづくり”の実現に向けたNECのものづくり革新の考え方

お客様の要求に敏感に反応し、全体が1つのシステムとして自律的に機能する生産の仕組み作りが目指されている。

導入後の成果

グループ全体の生産業務プロセス・システムの標準化に向けた土台を整備

以上のような生産管理革新の取り組みによりNECコンピュータテクノでは、顧客基点のプル型生産方式に対応する生産体制を実現。その結果、100%の納期回答および納期の100%遵守を達成しています。また、設計変更の内容を生産工程へと迅速に反映できるようになり、顧客ニーズに対応したスピーディな生産が可能となっています。

加えて、今回の取り組みの成果は、生産現場で作業にあたる担当者の意識改革にも及んでいます。「例えば、従来の現場では、いま自分たちが製造している製品を発注したお客様がどこの誰で、また製品がいつ市場に出ていくのかといったことも知らない状態で作業にあたっていました。それがいまでは、MESが発行するトラベラによってお客様の名前と物と納期が生産現場でつながるようになり、ものづくりの重要性に対するより強い意識が各担当者に醸成されるようになりました」(奈良)。

今回のシステム構築によりNECでは、今後グループ全体の生産領域における業務プロセス、およびシステムの標準化に向けたシステム機能のベース部分と、生産類型Ⅰ・Ⅱ機能の実装を完了しました。これによりグループ全体の標準化に向けた土台が整備されたことになります。今後このシステムを順次適用していく各拠点では、既存の仕組みの活用により、ITシステムの構築に関わるコストが大幅に圧縮することが可能になります。

今後の展望

取り組みノウハウをモデル化、テンプレート化して顧客に提供

今回標準化したプロセスおよびシステムは、今後国内のみならず、同様の生産形態を持った海外の拠点へも展開していく予定です。それが実現した際は、生産マップフリーによるグローバル規模での最適生産が可能な環境が整備されます。

「さらに、1品当たりの生産により大きな手間を要し、リードタイムが長くなるIII類、IV類の中にも、生産を効率化できるものもあるはずです。今後は、その適用に向けた検討なども積極的に進めていく予定です」(澤永)

一方、NECでは、一連の取り組みの中で培ったノウハウを、多様な生産形態、事業形態に合わせてモデル化し、それをテンプレートとして顧客に提供していくという取り組みも推進。「これにより、お客様企業の生産管理革新、グローバルSCM構築に向けた取り組みをソフト、ハードの両面から支援していきたいと考えています」と最後に嵯峨は語りました。

今回ITプラットフォーム事業における生産管理システム刷新に携わったプロジェクトメンバー今回ITプラットフォーム事業における生産管理システム刷新に携わったプロジェクトメンバー

企業プロフィール

日本電気株式会社

所在地 東京都港区芝五丁目7番1号
従業員数 単独 23,361名/連結 102,375名(平成25年3月末現在)
創立 1899年7月
資本金 3,972億円(平成25年3月末現在)
売上高 単独 1兆8,553億円/連結 3兆716億円(平成24年度実績)
事業内容 パブリック事業、エンタープライズ事業、テレコムキャリア事業、システムプラットフォーム事業
URL http://jpn.nec.com/

(2013年9月27日)

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