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名古屋市立大学病院様

名古屋市立大学病院様

より医療に貢献できるITを目指して
新しい医療サービスの早期実現にSDNが貢献

名古屋市立大学病院様
業種医療・ヘルスケア業務共通業務
製品UNIVERGE製品(LAN/IPテレフォニー)ソリューション・サービスプラットフォームサービス,SDN

医療に対する先進的なIT活用で知られる名古屋市立大学病院様は、医療ITを支えるネットワークの統合を推進。NECの「UNIVERGE PFシリーズ」を導入し、SDN(Software-Defined Networking)による統合ネットワークを構築しました。使いやすいGUIを通じて院内の全ネットワークを可視化し、統合管理できるようにした上、ソフトウェアの制御によって柔軟かつ迅速なネットワークの追加や変更が可能。無線LANやスマートデバイスとも連携でき、医療安全を強化しながら、医療現場のニーズに迅速に応えることができるIT環境を実現しています。

事例のポイント

課題

  • 部門単位のネットワークは専門性が高く、各部門に構築や運用を任せた結果、個別最適化が進んで構成が複雑化。ネットワーク全体を把握し、管理することが困難となっていました。
  • 医療現場で何より優先しなければならないのが、医療安全です。ネットワークを可視化して統合管理を実現することで、安全性をさらに強化したいと考えていました。
  • 技術の進歩が早い医療業界では、現場のニーズに応えて新たな医療サービスを迅速に提供できるインフラが、必要不可欠です。

成果

  • NECのSDN対応製品「UNIVERGE PFシリーズ」を導入し、ネットワークを物理的に統合、部門や用途に応じた仮想ネットワークを設定して一元管理することで、全体最適化を実現しました。
  • 「UNIVERGE PFシリーズ」は物理構成も論理構成も、GUIにより可視化することが可能。院内のインフラ全体の状態を把握できるため、医療安全の向上をさらに強化しています。
  • ネットワークの追加や変更は、SDNによって迅速に行えるようになりました。これにより、新たな医療サービスの提供に追随できるインフラが整いました。

導入前の背景や課題

最新技術を素早く導入し、医療安全に貢献するITの活用を実現するために

名古屋市立大学大学院 医学研究科 消化器外科 診療・情報管理部/戦略企画室  佐藤 幹則 氏 (※現 蒲郡市民病院 外科第2部長)名古屋市立大学大学院
医学研究科 消化器外科
診療・情報管理部/戦略企画室
佐藤 幹則 氏
(※現 蒲郡市民病院 外科第2部長)

名古屋都市圏の中核医療機関として、地域医療を支える名古屋市立大学病院様は、高度先進医療の推進、信頼される医療人の育成に力を注いでいます。
「『笑顔と感動にあふれる病院』を掲げる当院が最も重視しているのが、『医療安全の担保』です。その一環として、高度な医療を安全かつ効率的に提供すべく、医療ITの活用に積極的に取り組んでいます」と同院の外科医であり、医療ITの戦略活用をデザインする佐藤 幹則氏は述べます。
例えば、約10年前に電子カルテシステムを一斉導入。入院と外来のカルテを同時に電子化する先進的な事例として、注目を集めました。また、他の医療機関に先駆けて院内にくまなく無線LANを配備。スマートフォンを三点認証(※1)用の端末として利用しているほか、ナースコールやIP電話としても活用しています。
こうした取り組みは脈々と続いており、現在も同院はさらなるIT活用に取り組んでいます。特に積極的に推進しているのが、従来の管理用途にとどまらない、医療行為に直接役立つITの活用です。
そのためには新しい技術を素早く取り込み、医療サービスとして提供できる環境が不可欠。そこで同院は、ITインフラの柔軟性の向上と迅速な提供を目指し、サーバの仮想化、SOA技術を用いた共通連携基盤を構築しました。
それに続いて着手したのがネットワークの統合です。「サーバ仮想化によって、素早くITリソースを提供できる上、運用管理も容易になりました。そのメリットを目の当たりにして、次はネットワークもそのようにあるべきだと考えたのです」と同院で医療情報技師を務める飯田 征昌氏は話します。
というのも、同院のネットワークは、様々な課題を抱えていたのです。例えば各診療部門のネットワークは、使用する医療機器の専門性が高いことなどから、各部門に構築や運用を任せていました。その結果、各医療機器ベンダの提案に沿って個別最適化したネットワークが乱立し、構成が複雑化していました。機器がどんどん増えてゆき、機能や仕様にもムダが多いと感じていましたが、正確な状態を把握して検証することは困難だったと言います。

名古屋市立大学病院 管理部 医事課 病院情報システム係 技師 医療情報技師(日本医療情報学会) 飯田 征昌 氏名古屋市立大学病院
管理部 医事課
病院情報システム係 技師
医療情報技師(日本医療情報学会)
飯田 征昌 氏

また、機器の追加や設定変更を行う際の作業負荷も増大していました。「医療現場のシステムは、物理的には異なる場所に設置しつつも、1つのサービスとして稼働させなければならないケースが増えています。以前、重症患者のための集中治療室を充実すべく増床したときは、場所の制約から3つのフロアに分散させることになりました。それにネットワークを対応させるには、スイッチを追加設置した上で、大幅な設定変更作業を行わなければなりませんでした」と飯田氏。新しく医療システムを導入する際にも、院内の各スイッチに対して、ネットワーク停止を伴う個別の設定変更作業を行わなければならず、コストや手間がかかる上、迅速にサービスを追加することも難しかったのです。

※1患者誤認や投薬ミスなどの医療過誤を防ぐことを目的とした複合的なチェックシステム。名古屋市立大学病院様はIDによる患者の本人確認を行った上で、医師の指示内容と投与する薬剤のチェックを徹底している。

選択のポイント

ネットワークの統合と可視化、容易な操作性、実績に基づく知見を評価

部門システムの構成変更や新たな医療機器の追加が発生しても、それらの変化に追随したネットワークを迅速かつ容易に提供するには──。このような、医療ITを支える最適なネットワークインフラを実現する方法を探した結果、同院が着目したのがSDNです。SDNはソフトウェアによるネットワークの制御を可能とし、物理構成に依存しない柔軟なネットワークを実現できるからです。
そのソリューションとして、同院はNECの「UNIVERGE PFシリーズ」を用いたSDNを採用しました。
「まず決め手になったのが、GUIによって、物理構成と論理構成を同時に可視化できる点です。ネットワークを仮想化すると、ともすれば構成が見えにくくなってしまうので、論理と物理の可視化はより重要です。ネットワークを仮想化するだけでなく可視化できてこそ、運用負荷は低減され、人為的なミスのリスクも低くなるといえるのではないでしょうか。『UNIVERGE PFシリーズ』は、まさにその要望に応えてくれました。GUIはそれそのものが設計書であり、設計書通りに動いているのが見えるからこそ、安心して運用できます。他社の提案には各ネットワーク機器の設定を一元管理できる製品はありましたが、論理構成まで可視化する機能を持つものはありませんでした」と飯田氏は説明します。
また、SDNの分野におけるNECの実績も、採用を後押ししました。
NECはSDNの商用導入に早くから取り組み、すでに数多くの実績を持っています。それらの実績を通じて、これまで様々な知見を蓄積してきました。「検討段階では、NECの担当者が様々な事例のポイントについての情報を提供してくれました。良いところも悪いところも聞かせてくれたおかげで、当院が目指すべき方向性やSDN導入によるメリットがとても明確になりました」と佐藤氏は評価します。

導入ソリューション

ネットワークを可視化し、SDNと従来技術とのシームレスな連携も実現

「UNIVERGE PFシリーズ」は、ネットワークの制御機能と伝送機能を分離しネットワークの集中制御を可能にする「OpenFlow技術」をもとにNECが独自に開発した技術、「ProgrammableFlow」を実装したネットワーク製品です。
「UNIVERGE PFシリーズ」を導入すると、物理ネットワークを統合して構造を「シンプル化」するとともに、ネットワークを「仮想化」することができます。さらにネットワークの設定や変更作業はGUIで「可視化」し、集中的に行うことができるので、個別の機器にコマンドラインを入力する従来の方式に比べて、運用管理にかかる手間とコストを大幅に低減できます。加えて物理構成と論理構成をデータの流れとともに可視化できるので、院内のネットワーク全体を把握し、医療安全のより一層の向上に貢献することが可能です。

名古屋市立大学病院の主要ネットワークの構成イメージ

また、従来技術との親和性が高い点も特長。例えば、既存のL3スイッチの代わりに「UNIVERGE PFシリーズ」のProgrammableFlowスイッチ(PFS)を利用してルーティング機能を集約するとともに、エッジスイッチには認証機能を持つ従来技術のL2スイッチを配置。無線LANとも連携させることで、スマートフォンなどのモバイル端末などを有効活用することも可能です。
このような、お客様の目的や環境に応じた最適なネットワークソリューションを実現するためには、お客様との綿密な話し合いは欠かせません。
本プロジェクトにおいても、全体のコストを最適化しつつSDNの効果を最大化するために、NECは名古屋市立大学病院様と何度も話し合い、共同でネットワークの設計作業を行いました。

SDNによって部門ネットワークや無線LANなど、院内のあらゆるネットワークを統合

導入後の成果

SDNの活用で、最新の医療サービスを安全かつ迅速に導入できる基盤を実現

「UNIVERGE PFシリーズ」を活用して、同院は院内の全ネットワークを統合。統合したネットワークには、(1)電子カルテ、(2)医療機器、(3)スマートフォンなどのモバイルネットワーク、(4)インターネットや学内LANなどの外部ネットワークという、用途やネットワークポリシーに応じた4種類の仮想ネットワーク(Virtual Tenant Network:VTN)を収容しており、IPアドレスの合計が4000を超える規模になっています。
これまで同院は、各フロアや部門に合計40台以上のL3スイッチを配置してルーティングさせていました。今回はネットワークを物理的に統合するとともに、サーバルームに集約させた8台のPFSにこのルーティング機能を担わせていますが、パフォーマンスの問題はまったくありません。しかも、これらのPFSはあたかも1台のスイッチのように扱うことができるため、従来は個々の機器に実施していた設定作業も集約でき、運用にかかる負荷を大幅に軽減しています。
これらの効果にサーバ仮想化で得られた効果を合わせると、サーバルームの機器収容ラック数は17から6に減り、省スペース、省エネにもつながっています。

サーバルームに設置された「UNIVERGE PFシリーズ」サーバルームに設置された「UNIVERGE PFシリーズ」

このように同院は、ネットワークのコア部分をSDN化することで複雑化していた各部門のネットワークを統合し、情報システム係で一元管理。全体最適化を実現し、ネットワーク資源の有効活用も実現しました。また院内のネットワークインフラ全体の可視化による管理・監視体制の強化を実施することで、医療安全面にも大きく寄与しています。
加えて、ネットワーク機器の追加や仮想ネットワークの追加などの設定変更を行う際は、既存のネットワークに影響を与えることなくGUIから集中的に容易に行えるため、最新技術を活用した高度な医療サービスを、医療現場のニーズに応じて安全かつ迅速に具現化できるようになっています。
例えば、同院は新たにスマートフォンのカメラ機能を利用した医療サービスを構築しています。「以前は患者様のケガの状態や手術記録用写真は、デジカメと電子カルテシステムを接続し、人手で登録していたため、患者様の取り違えなどの医療事故のリスクがありました。現在は、スマートフォンで患者認証を行った上で撮影する仕組みを構築。さらに無線LANを介して病室や手術室などの院内各所から即座に画像を転送させて電子カルテに登録できるようになり、安全性と利便性を両立しています」と佐藤氏は言います。
ほかにも先日、患者様のバイタルデータ(生体情報)を計測する、新しい生体モニター機器の導入に関する検証を実施しました。この機器は、従来のモニター機器とは異なり、無線LANを通じてバイタルデータを送信できる機能を備えています。そのメリットを最大限発揮するためにも、今回の統合されたネットワーク上で問題なく動作するよう準備を進めているのです。「個別の機器やシステムに依存しないネットワークで運用してこそ、あらゆる場面において患者様の状態をほぼリアルタイムに確認できる環境が実現します。こうした新しい医療サービスを積極的に採用できるようになったのが、SDNの何よりのメリットです」(飯田氏)。

今後の展望

医療の様々な用途への活用を検討し、SDNの可能性を追求

今回実現したSDNを活用したネットワークは、医療ITの戦略的な活用を支えるインフラとして位置づけられています。同院では、今後も有効活用を図り、新たな医療サービス開発などに積極的に取り組む考えです。
例えば、同院は同時利用数1000台を超える仮想デスクトップ環境を構築していますが、その応用によって院外からもセキュアに院内システムにアクセスできる環境を整備し、担当医が院外にいる場合でも、診療画像を診て緊急を要する処置を迅速かつ的確に行えるようにしたい、と考えています。このようなSDNを活用したインフラが地域社会に浸透すれば、医療機関同士の連携も容易になり、地域医療連携もさらに活性化するでしょう。
「医療ITにとって最も重要なのは、目的に合った技術・システムを適切に採用していくこと。必ずしも枯れた技術が絶対的に安定しているというわけではありません。新しい技術だとしても、どういう目的のために活用するかを明確にした上での最善の選択であれば、不安を感じることなく積極的にチャレンジするべきだと考えます。そういう意味でNECのSDNは、我々のあるべき姿を実現できる、最善の道具でした。世界のSDN市場を牽引するNECには、今後も我々の有力なパートナーとして、SDNのメリットを最大化する提案をしてくれることを、大いに期待しています」飯田氏は、最後に強調しました。

お客様プロフィール

名古屋市立大学病院

所在地 名古屋市瑞穂区瑞穂町字川澄1番地
開院 1931年7月
病床数 808床(一般病床772床、精神病床36床)
外来患者数(年間) 45万5281人(平成24年度)
入院患者数(同) 24万1135人(同)
平均在院日数 14.2日(同)
手術件数 6820件(同)
病床利用率 83.2%(同)
概要 高度先進医療の提供に努めるとともに、名古屋都市圏の中核医療機関として医療を通じて人々の健康と福祉に貢献する。また医学、看護学、薬学の教育機関としての役割を担い、信頼される医療人の育成と医学・医療の発展に貢献している。
URL http://w3hosp.med.nagoya-cu.ac.jp/

(2014年05月29日)

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