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長崎市様

長崎市様

業務効率化、コスト削減、住民サービス向上を目指し、
全体最適を実現するオープンな共通基盤システムを構築

長崎市様
業種自治体・公共業務共通業務,その他業務
製品運用管理,セキュリティ,開発環境ソリューション・サービスサーバ仮想化/統合,その他ソリューション

長崎市様は、運用負荷が増大していた汎用機による基幹業務システムから、新しいオープン系システムへの刷新に取り組んでいます。この新基幹業務システムの中核となるのが、デファクトスタンダードのオープン技術を取り入れた共通基盤システムです。全体最適を図り、公平性・透明性・拡張性を確保した共通基盤システムを構築することで、業務の効率化、調達および運用コストの削減、さらには住民サービス向上を可能にする環境を目指しています。

事例のポイント

課題

  • 昭和52年に職員が中心となって構築し、以来、安定した運用を続けてきた汎用機による基幹業務システムは、長年の追加開発により複雑化、硬直化が進み、開発および運用にかかるコスト削減が困難な状況でした。
  • 限られた職員リソースで、年々多様化・複雑化する住民サービスに対応する必要があり、各所管課における業務のさらなる効率化・省力化が求められていました。

成果

  • デファクトスタンダードと呼ばれるオープンな標準技術を取り入れた共通基盤システムを構築し、マルチベンダー環境を実現。公平性・透明性が担保され、運用および調達のコスト削減が可能になりました。
  • 共通基盤システムにシステム共通の機能やデータを持たせて各所管課へ提供できるようになり、業務を自動化・効率化できる環境が整いました。これにより企画業務などを手掛ける時間が増え、住民サービス向上につながることが期待されています。

導入前の背景や課題

標準化されたオープンな共通基盤を中核とする新基幹業務システムの構築に着手

長崎市総務局 総務部 情報システム課 主事 太田 良雄 氏長崎市総務局
総務部 情報システム課
主事 太田 良雄 氏

長崎市様では従来、汎用機で基幹業務システムを稼働してきましたが、長年にわたる運用の中でさまざまな課題を抱えていました。「現行汎用機は昭和52年に導入したもので、その後ベンダーと共同運用する形で追加開発を重ねていきました。近年では、長年にわたって拡張と改修を繰り返してきたことから、システム内部が複雑化し効率的な事務処理や法改正等への迅速な対応が困難になってきており、運用にかかる職員の負担と開発にかかる工数が増大し、コストも高止まりしておりました」と、長崎市総務部情報システム課の太田良雄氏は述べます。こうした状況から平成20年度、長崎市様は基幹業務を再構築する方針を決定しました。

長崎市様は、既存の基幹業務システムが抱える課題を解消するために、汎用機に代わる新たなシステム体系が必要だと考えました。また、基幹業務システム再構築にあたって、『業務効率化』『コスト削減』『市民サービスの向上』という3つの目標を掲げました。情報システム課では、この方針を受けて新たなシステム体系に求められる要素について、課内での議論や他団体への照会・視察、ベンダーへの情報提供依頼を通じた情報収集など慎重に検討を重ねました。その結果、導き出されたのが「オープン化」というキーワードでした。ベンダー固有の技術や仕様に依存しないオープンな技術の採用が、調達時の公平性や効率的な運用、将来の拡張性につながると考えたのです。ただし、オープン化の推進により、個別システムがバラバラに構築される可能性を懸念し、再構築時には“全体最適”の観点が重要であるとの指針を示しました。さらに、オープン系の基幹システムを構築した川口市様をはじめとする先行団体への視察を重ね、“共通基盤システム”の有効性、重要性を認識。共通基盤システムが新基幹業務システムの中核になるとの結論に達しました。こうしたさまざまな検討を経て共通基盤システムの調達仕様書を作成し、平成23年度に公募型プロポーザルを実施しました。

選択のポイント

3つのポイント「実現性の高い基盤」「開かれた基盤」「発展する基盤」を提案

NECは、長崎市様が示した基幹業務システム再構築の方針を受け、重要な要素を「実現性の高い基盤」「開かれた基盤」「発展する基盤」という3つのポイントに整理して提案しました。

【実現性の高い基盤】
共通基盤における標準化は、現時点では稼働事例が少なく確立されているとはいえない状況にあります。先行団体の事例をみても、データ連携や共通機能についてある程度の共通性がみられるものの、機能範囲や深度・粒度、位置付け等は異なっているのが実態です。そのため長崎市様が共通基盤を構築するにあたり、先行団体の構築事例や運用ノウハウなどを最大限に活用し、実効性を高めることが重要になりました。NECは、早くから標準化に取り組み、多くの団体でマルチベンダー環境のシステム開発を手掛けており、その実績を活かして“机上の空論にならない” システムを構築する提案を実施。また、職員の方々が使いやすい「手の届く技術」を採用していることも重要なポイントでした。
「データ連携は、基本的に地域情報プラットフォーム(*)で定義された仕様を採用していますが、他自治体の事例を調べてみると、データ項目が不足していたり、すべての連携がきちんと定義されているわけではないことがわかりました。このような未確定の部分に関して、NECが、他自治体における構築経験やノウハウを活かし、現在の長崎市の業務を踏まえ、地域情報プラットフォームの考え方に適合するようさまざまな提案をしてくれました」と太田氏はNECの提案を評価します。

【開かれた基盤】
たとえ、オープンな技術を採用したとしても、共通基盤システム自体の仕様や要件が公開されていなければ、長崎市様の要望を満たすことはできません。これに対し、NECは、共通基盤システム側からの各種情報に関する仕様書や設計書等のドキュメントを公開することを明言しました。これにより、今後、開発が予定されているさまざまな業務システムとのスムーズな連携が可能になります。さらに「開かれた基盤」を整備することは、地元企業の参入を促し、地場産業の振興、保守運用コストの低減につながることも併せて提案しています。

長崎市総務局 総務部 情報システム課 主事 舩越 貴成 氏長崎市総務局
総務部 情報システム課
主事 舩越 貴成 氏

【発展する基盤】
将来を見据えると、OSに依存しない仮想化など拡張可能な技術を採用し、法改正や他自治体の動向、地域情報プラットフォームのバージョンアップなどに対応できる柔軟な基盤が必要になります。また、共通基盤から業務システムへの要求が肥大化/複雑化し、効率性の阻害や応札業者の制限につながる『共通基盤ロックの排除』が重要であるとの提案が行われました。
長崎市総務部情報システム課の舩越貴成氏は、「ベンダーロックが起きない基盤を構築するという提案は、私どもの方針に則ったものでした。それを『共通基盤ロックの排除』というわかりやすい表現でご提案いただいたと思います」と評価しています。

(*)さまざまなシステム間の連携(電子情報のやりとり等)を可能にするために定めた、各システムが準拠すべき業務面や技術面のルール(標準仕様)のこと。地方公共団体においては、地域情報プラットフォームを活用したシステム再構築を行うことで、業務・システムの効率化を実現するもの。

導入ソリューション

<データ連携基盤>
標準技術に準拠した拡張性の高いデータ連携基盤を構築

データ連携基盤の1つには、ファイル転送機能FTP、データベース連携機能SQLに加え、Web連携機能SOAPなど9種類の通信プロトコルに対応し、汎用性の高いデータ連携機能を有する「WebOTX ESB」が採用されました。WebOTX ESBは、地域情報プラットフォームへの準拠登録に加え、APPLICが進める「相互接続確認イベント」に参加し、成功申請による推奨マークを取得しているスタンダード製品です。

<システム共通機能>
各業務システムと連携し業務効率化を実現

認証管理は、各業務システムへのログイン時に認証情報をLDAPで取得し、各業務システムが保持する権限情報と突き合わせ、必要な認証を行う仕組みを構築。文字管理は、共通基盤に外字管理機能を持たせ、端末起動時に外字を読み込ませる仕組みを導入、すべての業務システムを1つの文字コードで管理・運用できる環境を整備。このように機能単位で部品化できることが、NECの共通基盤の特徴です。

<統合運用管理>
運用管理の自動化と可用性を高める機能を実装

ジョブの実行監視・制御、バッチ処理のスケジュール管理が可能な「WebSAM Jobcenter」、サーバの構成情報・障害情報・性能情報の一元管理を実現する「WebSAM SystemManager」を導入。さらに、ディスク内に仮想テープライブラリを作成し自動バックアップを実現する「NetVault Backup」を導入し可用性を高めています。
また、「WebSAM SystemManager」については、各業務システムにもクライアントソフトを導入することで、新基幹業務システム全体の障害監視を一元的に行うことができ、運用管理の効率性を高めています。

<仮想化>
仮想化技術で検証環境を整備してコストを削減

来年度以降、既に本稼働している共通基盤上に税系システムや福祉系システムなどを順次構築していく計画があり、稼働前の連携試験等検証時にシステムを停止できないため、本稼働システムと同等の環境が必要でした。しかし、同じ環境を物理的に2つ用意すると、倍のコストがかかってしまいます。この課題を解決するために、仮想化技術「VMware」を導入し物理的なサーバ台数やライセンス数を増やさずに検証環境を整備しました。

長崎市が構築した新基幹業務システムの概要図長崎市が構築した新基幹業務システムの概要図

集合写真(左) サーバールーム(右)集合写真(左) サーバールーム(右)

写真後列左より
樋口 成一 係長、森 康郞 主事、舩越 貴成 主事、井本 賢一 主査
写真前列左より
吉田 陽子 主事、太田 良雄 主事、西首 喜美子 主事

導入後の成果

業務負荷の軽減を実現し、将来的なコスト削減を見込む

平成24年8月、共通基盤システムと、その上で稼働する住民記録システムが本稼働を開始。これにより、『業務効率化』『コスト削減』『住民サービスの向上』という目標を実現する環境が整いました。

『業務効率化』に対する成果について、「今回構築した共通基盤システムは、各所管課の業務効率化に直接的に効果があるわけではありませんが、バックグラウンドとしてシステム間の効率的な連携や、安定的に稼働するシステムの提供など新基幹業務システム全体における効率化に寄与しております。新しく導入する各業務システムの機能を最大限に活用できること、また各所管課が業務に集中できる環境を提供することが、共通基盤システムにおける業務効率化の効果といえるのではないでしょうか」と太田氏は述べます。

また『コスト削減』について舩越氏は、「将来的にはパッケージ型の個々の業務システムを競争性が高い調達手法で導入できるようになるので、カスタマイズが必要となることが多い汎用機と比較して、大幅なコスト削減につながると考えています」と今後の効果に期待を寄せています。

さらに『住民サービスの向上』については、「市長から『各所管課の業務を簡略化・省力化し、もっと企画的な業務に時間を割けるようにしてもらいたい』との指示を受けています。今後、各職員が業務効率化により生まれた時間を、新たな公共サービスの企画などに充てることができれば、結果的に住民サービスの向上につながるものと思っています」(太田氏)

今後の展望

先進技術を活用し、さらなる住民サービスの向上を

現時点では、共通基盤システムと汎用機を併用していますが、平成24年度中に共通機能の1つである印刷管理機能を構築し、平成26年度中には、税系システムと福祉系システム及びその他の業務システムを本稼働させ、その後、汎用機を廃止する方向で計画が進められています。

「これまで汎用機での開発や運用に負荷とコストがかかっていたのは、内部がブラックボックス化していたことが、ひとつの要因だったと考えています。これに対し、新しい共通基盤システムは、設計書や仕様書などのドキュメント類をすべて整備し公開しています。また、NECよりデータベースの変更やバッチ処理の追加などを職員が行えるようテンプレートを提供していただいております。これらにより、職員による運用が容易になり、また業務システムを調達する際に共通基盤との連携仕様が明確化されていることで公平な競争が促され、コスト削減にもつながると期待しています」と太田氏。

最後に舩越氏は今後の展望を次のように語ります。
「将来的には、Web連携機能など先進的かつオープンなデータ連携技術を活用し、他自治体との連携や、複数の手続きを集中して行える総合窓口など新しい住民サービスの実現につなげていきたいですね。豊富な実績を持つNECには、新しい技術を活用した住民サービス向上の方法などを提案いただくことを期待しています」

お客様プロフィール

長崎県長崎市

所在地 長崎県長崎市桜町2-22
人口 438,503人(平成25年1月1日現在)
職員数 3,295名(平成24年4月1日現在)
URL http://www.city.nagasaki.lg.jp

(2013年3月29日)

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