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株式会社 関東地区 昔がえりの会様

株式会社 関東地区 昔がえりの会様

農業を持続可能な産業にするための仕組みを構築
経営視点の生産管理と若手への栽培ノウハウの継承を実現

株式会社 関東地区 昔がえりの会様
業種農業業務生産管理,マーケティング,その他業務
製品その他製品ソリューション・サービスその他ソリューション

農業生産法人 関東地区 昔がえりの会様(以下、昔がえりの会様)は、農業を産業化するための経営手法の確立、栽培ノウハウや技術の継承を目指し、NECと共同で「農業経営支援クラウドサービス」を構築しました。これにより、出荷日から逆算した栽培工程の立案や、圃場ごとの栽培・収穫・出荷状況の把握、さらには原価管理を基に最適なコストシミュレーションなどを行える仕組みが実現。この仕組みを基にベテラン生産者が長年にわたって培ってきた栽培ノウハウを、若手生産者とも容易に共有できる環境を整備しました。

事例のポイント

課題

  • 単に農作物を生産するだけでなく、農業を産業として捉え、綿密な原価管理、品質と納期管理、リスク管理に基づく農業経営管理を行える環境が必要だと感じていました。
  • 農業従事者の高齢化が進んでいることもあり、ベテラン生産者が長年の経験の中で蓄積してきた暗黙知のような「勘」を見える化し、若手に継承していきたいと考えていました。

成果

  • 経験の少ない生産者でも、マスターデータを基に、出荷日から逆算した適切な栽培計画の立案が可能になります。また、各工程の原価が可視化されることで、採算性を意識した生産が可能になりました。
  • 暗黙知となってしまいがちなベテラン農業従事者の栽培ノウハウ、知見を若手生産者と可視化・共有化することができました。

導入前の背景や課題

持続可能な産業にするための農業経営手法の確立と共有を目指す

株式会社 関東地区 昔がえりの会 代表取締役社長 小暮 郁夫 氏株式会社 関東地区 昔がえりの会
代表取締役社長 小暮 郁夫 氏

埼玉県児玉郡上里町を中心に同郡美里町、さらには隣接する本庄市などに23戸の会員農家を抱える農業生産法人の昔がえりの会様。スーパーやデパートを通じて農作物を消費者に販売するだけでなく、全国にチェーン店を展開する大手外食企業と販売契約を結び、カット野菜向けのキャベツ、白菜、レタス、青ネギなどを供給しています。農作物の生産に当たっては、緑肥の作付けや良質な堆肥と、稲わら、籾殻、落葉などの天然有機物を活用した「生きた土づくり」を行っている上、農薬の使用量を減らすなどして「健康な農産物づくり」を実践。「おいしい」「高栄養価」「安全・安心」な農作物を消費者に提供しています。
このような農作物へのこだわりに加えて、農業経営手法の確立、ノウハウや技術を次世代の生産者に継承していくことも現在、同社の重要なテーマとなっています。
「ともすれば、農家は農作物を生産することだけに意識を向けがちです。農業を1つの産業として持続可能なビジネスにするには、播種や栽培、肥培に関わる経費や人件費、農機経費、運搬費、地代などの原価を定量的に捉え、自然災害などのリスクも織り込みながら、『いくらで販売すればビジネスとして成立するのか』適切な取引価格を設定し、面積あたりの収益拡大や人時生産性の向上を目指していく必要があります」と昔がえりの会の小暮 郁夫氏は強調します。

株式会社 関東地区 昔がえりの会 所長 辻村 公秀 氏株式会社 関東地区 昔がえりの会
所長 辻村 公秀 氏

続けて同社の辻村 公秀氏も、ノウハウや技術の継承について、次のように語ります。
「これまで、農業に関するノウハウや技術は、長年の経験の中で『ベテランの勘』として生産者個人が蓄積してきました。しかし、農業従事者の高年齢化が急速に進んでいることを考えれば、若手育成は大きな課題。その知見をしっかりと次世代に引き継いでいかなければなりません」。
そこで、同社が取り組んだのが、原価管理などを適正に行いつつ、生産に関するノウハウを見える化、共有化できる農業経営支援システムの構築です。

選択のポイント

実績の入力だけでなく、原価や収益を管理できる点を評価

実は小暮氏は、納期管理、原価管理、収益管理、品質管理にまつわる様々な工夫を実践し、ムダをなくしながら、求められる品質の農作物を予定通りに納品するためのノウハウを蓄積。それらをExcelに反映して、独自の仕組みを構築していました。
そこで、新しいシステムの構築に当たっては、それらのノウハウをベースにシステム要件を整理し、コンセプトをまとめた上で複数のベンダーに提案を依頼しました。
各社の提案を綿密に比較検討した結果、昔がえりの会様が採用を決めたのがNECの提案です。最大の決め手となったのが、NECがすでに農業経営支援のベースとなるシステムを保有していたことです。
「他のベンダーが農業支援として提供しているシステムのほとんどは作業実績の入力をメインとする営農日誌や農薬散布管理などの延長線上のもの。私たちが求めているものではありませんでした。一方、NECのソリューションは、生産管理に加えて原価や収益管理の考え方も盛り込まれており、このソリューションをベースとすれば、我々の理想とする農業経営管理を行えると感じました。また、我々と協働で最適なシステムを作り上げていくというNECの姿勢も心強く、採用を決めました」と小暮氏は話します。

導入ソリューション

広範な側面から農業経営を強力に支援するソリューション

昔がえりの会様とNECが共働で開発した「農業経営支援クラウドサービス」は、農作物の品質や収量の管理、さらには収益という経営視点に立った計画の立案をサポートするソリューションです。
例えば、あらかじめ生産者の経験に基づいて生産マスタープランを登録さえしておけば、必要収量と出荷日の入力により、そこから逆算して播種やトラクターによる耕耘、施肥、収穫など各栽培工程の時期や期間を提示するとともに、工程ごとの必要経費などを自動算出。作業に関わる人件費や必要となる資材コストなどを踏まえて、採算性をシミュレーションした上で、作業実績を入力・管理していくことが可能です。
同時に、圃場ごとの栽培・収穫・出荷状況の把握も容易。栽培計画と実績を対比しながら、農業経営の評価・分析を実施して、収益率向上に向けた改善策の検討を進めることもできます。

写真多くの生産者の「経験」や「勘」がシステム上で見える化され、
藤巻氏のような若手生産者に継承されていく

導入後の成果

ベテラン農業従事者のノウハウを若手がスムーズに生かせる

株式会社 関東地区 昔がえりの会 農産生産部 藤巻 里佳子 氏株式会社 関東地区 昔がえりの会
農産生産部
藤巻 里佳子 氏

現在、昔がえりの会様は、「農業経営支援クラウドサービス」のパイロット運用を開始。農業を持続可能なビジネスにし、その方法論を若手生産者や多くの農家で共有するための第一歩を踏み出しました。
「契約栽培では、いつまでに、どの野菜を、どれだけ納品してほしいという依頼に正確に対応しなければならないのですが、出荷日を入力すれば、いつ、何を行えばいいのかがわかり、私のように経験の少ない生産者でも迷うことがありません。また、各工程で発生する経費などもシステム上に明示されるため、『これまでは、肥料を使いすぎていたんだな』ということに気付き、自ずと原価意識をもって作業に当たる習慣がつきました」と運用を担当している若手生産者の一人である藤巻 里佳子氏は言います。
外食産業などの求める加工業務用野菜は、高い価格競争力が求められますが、システムを通じた原価管理、意識の変化によって、要求に対応できる原価管理力を身に付けることができたと考えています。
また、昔がえりの会様は、土壌の栄養バランスを加味しながら、最適な輪作体系をパターン化し、システムに登録しています。「生産者は、最適なパターンを選択し、速やかに生産に取りかかれるようになっています。こうした知恵は、ベテラン農業生産者の暗黙知となってしまいがちなもの。それが、システム上で見える化され、経験の浅い若手でもスムーズに実践していける点も大きな魅力です」と辻村氏は、大きな成果を感じています。

今後の展望

スマートデバイス活用などを見据えたシステム拡充を継続

昔がえりの会様は、パイロット運用を通じてマスターデータの入力やシステムの改善を実施した後、会員農家全体へとサービスの利用範囲を拡大していく考えです。「利用が拡大すれば、各会員が培ってきた多くのノウハウを集約し、共有していける体制が整います。会員農家の経営や野菜の品質もさらに向上するでしょう」と小暮氏は語ります。
機能面では、土壌の水はけの善し悪し、作付け履歴、肥料の残留度や酸性度などを調べた土壌診断結果など、各圃場の特性を記録した「圃場カルテ」や、各栽培工程における行動指針をまとめた「栽培マニュアル」の整備などを進め、農業経営支援クラウドサービスと併用。また、農業経営支援クラウドサービス上のデータをExcelにインポートして、グラフや表を多用したレポートにまとめ、「圃場の年度ごとの収量やコスト比率」などを直感的に把握していけるような分析の仕組みも整備していくと言います。
さらに、将来的には、圃場からスマートフォンやタブレットで情報の閲覧ができればとも考えています。
「デバイスのGPS機能や地図機能を活用し、自動で圃場の情報画面が立ち上がるなど、アイディア次第で様々な可能性が広がります。NECの支援の下、農業経営を強力に支援する、より使いやすい仕組みを実現していきたいですね」と最後に小暮氏は力強く語りました。

お客様プロフィール

株式会社 関東地区 昔がえりの会

所在地 〒369-0311 埼玉県児玉郡上里町勅使河原717
設立 1999年7月
資本金 6000万円
従業員数 23人(パート含む)
株主 44名
概要 「健康な農産物づくり」と「より良い農業ができる仕組みづくり」を目指して設立された農業生産法人。会員である農家に対して幅広い領域での営農支援を行うほか、自社所有地や地主から借り受けた農地での農作物生産にも携わっている。
URL http://mukashigaeri.jp/

(2015年02月26日)

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