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田辺 剛のコラム

流通小売業の現場で、部下としてのAI

アナリティクス サービス コンピテンス センター
田辺 剛

2017年5月9日

「NEC the WISE」が発表されて半年が過ぎ、NECの独自AIのイメージもだいぶ認知されてきたように感じます。その一方、流通小売業の現場で多くのお客様から頂く、AI技術を実務で扱うことに関する課題についてご紹介します。

NECは流通小売業のお客様に対して、独自AIエンジンである「異種混合学習」の需要予測を活用した「日配品需要予測ソリューション」「特売価格最適化シミュレーション」「商品需要予測ソリューション」など、複数のソリューションを展開しています。お客様の経営や企画、IT部門の方々の多くはこうした先進的な取り組みを、マクロな視点でのコスト削減に活かせるであろう期待から、好意的に捉えていただけることが多いです。しかし営業、物流、販売など現場部門の方々からは一様に「予測が外れた場合」について不安に思うといったご意見を頂くことが多くあります。

流通小売業の現場部門のお客様は、古くから日々の業務の中で細心の注意を払い、取り扱う商品に過度な余剰や欠品が発生しないよう、在庫量をコントロールしています。NECの提供する需要予測ソリューションや、他社の多くの需要予測プロダクトを在庫適正化の業務に導入するということは、その業務の担当を、AI作業者に任せるということになります。つまり、現場の責任者が自身の部下として、自身の業務責任範囲の中で、AI作業者という新しい人材を採用することと同じだと言えるのですが、これが本当に信用に足る人材なのか・・・不安に思うのは、至極当たり前のことだと思います。

もちろん、AI作業者にも様々な個性(パーソナリティ)があります。特にディープラーニングなどのブラックボックス技術(予測値の根拠を責任者が確認できない技術)では、いわば、信用に足りるだけの実務経験もなく、言語も通じない人材を、経歴がよいという理由で、いきなり信用しろと言われるようなもので、これは完全実力主義ではない、日本のビジネス慣習においては、扱いづらい人材なのではないでしょうか。一方で、異種混合学習のようなホワイトボックス技術(予測値の根拠を責任者が確認できる技術)の場合は、実務経験はまだないが、会話することで何を考えているかは理解できる人材といったところでしょうか。もちろん信頼するまでには多少の時間が必要ですが、理解できるという点において、より早い時期に信頼できる部下として受け入れられることが期待されます。

流通小売業での需要予測は、自動運転技術やサイバーセキュリティーなどのような、AIの僅かな判断ミスが、直接的に人の生死に関わったり、国家レベルでの危険を発生させたりする領域とは異なります。一方で、流通小売業での需要予測においても、AIの判断ミスの責任を取る現場責任者は常に存在し、判断ミスの原因を追求し、対応に迫られることになります。今後、AI技術がより普及し、人間と共存していくためには、「人間が理解し信用することできる」ということが重要なファクターの一つであると言えるのではないでしょうか。

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