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惑星大気を調べ、地球の未来を知る 惑星分光観測衛星「ひさき」(SPRINT-A)

執筆文 松浦晋也

大気のない宇宙空間から金星や火星、木星などを観測することで、
地球の歴史を調べる世界初の惑星観測用の宇宙望遠鏡です。

世界初の惑星専用の宇宙望遠鏡

空は青いですね。それは大気が波長の短い青い光を散乱させているからです。青空は私達が大気のある星に住んでいる証拠です。大気があるからこそ私達は生きることができます。

一方、大気は私達が遠くを見るのを邪魔します。遠くの山は霞んで見えるし、大気が揺らぐと遠くの景色も揺らぎます。宇宙を観測するとなると、大気は邪魔者になります。大気を通さずにじかに宇宙を見たければ、望遠鏡を宇宙に打ち上げる必要があります。これが宇宙望遠鏡です。

2013年9月14日、鹿児島県肝付町にある内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられた「ひさき」※(SPRINT-A)は小型の宇宙望遠鏡です。望遠鏡の主鏡は直径20cm。アマチュア向けの天体望遠鏡と変わらない大きさです。しかし、観測対象を絞り込むことで、世界初の科学的成果を狙っています。

まず観測する光を、極端紫外線という波長のとても短い紫外線に絞ります。この波長の光は地球の大気にさえぎられて宇宙でないと観測できないからです。観測対象は金星、火星、木星などの惑星です。太陽からは電気を帯びた極小の粒子が大量に吹き出しています。これが「太陽風」です。太陽風が惑星の大気にぶつかると、極端紫外線で光ります。「ひさき」はその光を観測します。

実は惑星の大気は、太陽風によって徐々にはぎ取られ、宇宙空間に流れ出しています。これにより何億年もの長期間では、惑星大気の組成は変化していると考えられています。その様子は、その惑星に磁場があるかないかで大きく変わってきます。金星は磁場がほとんどないので大気に直接太陽風がぶつかって大気がはぎ取られていきます。また、木星は太陽系の惑星でもっとも強い磁場を持っています。火星はごく弱い磁場と希薄な大気を持っています。それぞれに特徴を持つこれらの惑星を極端紫外線で観測することで、太陽風、惑星磁場、惑星大気がどのように相互作用しているかが解明できるようになり、それは、太古に地球が出来てから現在に至るまでの大気の変化を調べることにもつながります。「ひさき」は、他の惑星を調べることで地球の歴史を調べる宇宙望遠鏡なのです。

  • 「ひさき」は、衛星が打ち上げられた内之浦の岬の名前「火崎」であり、この衛星の観測対象が、太陽(ひ)の先(さき)であることから命名されました

2013年11月19日、「ひさき」は木星及び金星の分光観測を行い、初の観測データを取得しました。

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