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SPECIAL INTERVIEW 東京2020とともに踏み出す新しい一歩 SPECIAL INTERVIEW 東京2020とともに踏み出す新しい一歩

鈴木 浩 NEC 東京オリンピック・パラリンピック推進本部 本部長 米村 敏朗 氏 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 理事 / チーフ・セキュリティ・オフィサー

危機管理のための想像と準備 危機管理のための想像と準備

東京2020の危機管理は課題山積失敗すれば、大会のすべてを失いかねない

米村 敏朗 氏(よねむら としろう)

米村 敏朗 氏(よねむら としろう)

東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 理事 / チーフ・セキュリティ・オフィサー

米村氏東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の成功には、危機管理が絶対に不可欠だと考えています。危機管理のための大会ではありませんが、万が一にも失敗すれば、大会のすべてを失いかねません。
私はいつも、危機管理とは「想像と準備」だと申し上げています。オリンピック・パラリンピックのような巨大イベントで、どのような事態が起こり得るのかを想像することが重要です。さらに重要なのは、想像に基づいてどこまで具体的な準備、対策をとることができるのか、ということです。東京2020の危機管理について想像を巡らせば、これはまさに課題多し、と言わざるを得ません。

鈴木NECは東京2020のゴールドパートナーとして、「パブリックセーフティ先進製品」「ネットワーク製品」の2つのカテゴリーを中心に大会の成功に向けて貢献していきます。
これらの製品は、これまでも安全・安心な社会の実現のため、さまざまな機関に導入いただき、実績を重ねてきました。東京2020に向けて、「世界一、安全・安心な大会へ」を合言葉に、全社一丸となって邁進していきます。私は「さりげなく、かつしっかりと安全を守るのがICTの役割」と思っています。危機管理の準備と対策をテクノロジーで支え、人々が負担や威圧感を感じることなく、しっかりと守られていると実感できることが理想ではないでしょうか。

米村氏人口1300万人を超える巨大都市・東京に、世界中から膨大な人数の選手や関係者、観客が押し寄せる。来場者は最大で1日92万人※1と見込まれています。政府要人などの重要人物も来るでしょう。こうしたすべての人々の安全・安心を確保した上で、円滑な大会運営と快適な滞在を保障し、国民の日常生活にも支障が出ないようにしなければならない。そのためにどのような準備が必要なのかを考えなければなりません。 ひとつ言えるのは、この問題は組織委員会や東京都、政府などの当事者だけでは対応できるものではない、ということです。民間企業や関係機関、諸外国の政府など、あらゆる関係者とパートナーシップを形成し、情報共有と連携をはかっていく必要があります。 NECは警察や入国管理などに、そのテクノロジーを提供し、社会の安全・安心の確保に貢献している企業と認識しており、東京2020の危機管理においても、重要なパートナーとしての役割を担っていただけると、心強く感じています。

テロの脅威 テロの脅威

不測の事態を未然に防ぐために培ってきた技術に磨きをかけていきます

鈴木 浩(すずき ひろし)

鈴木 浩(すずき ひろし)

NEC 東京オリンピック・パラリンピック推進本部 本部長

米村氏東京2020において、私が最も懸念していることのひとつはテロの脅威です。テロ対策は一にも二にも情報ですが、テロリストは一番弱いところ、警備の手薄なところを狙ってきますから、競技会場やその周辺を警備するだけでは不十分です。首都機能を有した東京などの重要なエリアにおいて、不審な人物がいないか、不審な動きが無いか、常に神経を尖らせておく必要がありますが、これは非常に困難な業務です。

鈴木安全・安心を確保するために最も重要なことは、いかに早く不審者や不審物を検知し、テロをはじめとした不測の事態を未然に防ぐことだと考えています。
NECは顔認証など生体認証による要注意人物の識別や、映像解析による不審な人物の行動と不審な物体を検知する技術を実用化しており、事件や事故の発生の未然防止に貢献しています。顔認証システムはブラジルの主要14空港をはじめ、世界の40を超える国々で、100以上のシステムをご利用いただいています。また映像解析技術はアルゼンチン・ティグレ市に設置された多数の監視カメラ映像の解析に利用されているほか、日本でも2016年5月の伊勢志摩サミット開催の際に、警視庁と連携し実証実験を行い、実用化の段階にあります。

米村氏監視カメラを使うにしても、テクノロジーを生かして、大量の監視カメラ映像から不審な人物の動き、不審な物体などの検出が容易になれば、警備関係者にとって大きな助けになります。また関係者全員が映像によって人の動きや警備の全体状況を共有できる「見える警備」にもつながるでしょう。

鈴木2020年には、収集した情報を人にとって分かりやすい情報にするなど、警備関係者のお役に立つように、また多くの人々に安全・安心を実感していただけるように、こうした技術にさらに磨きをかけていきます。

群衆警備 群衆警備

真夏の大会、来場者に配慮した混雑回避やスムーズな来場を 真夏の大会、来場者に配慮した混雑回避やスムーズな来場を

米村氏群衆の警備も重要です。開会式や競技開催の時間帯、スタジアムの周辺などに多くの観客が集まることが予想されますが、大きく分けて2つの懸念があります。 ひとつは雑踏で起こる事件や事故の防止です。人でびっしりと埋めつくされた道路などは非常に危険で、ちょっとしたトラブルがもとで多数の死傷者が出る事故につながりかねません。こうした事態を防ぐためにも、群衆の動きを広い範囲にわたって「見える化」し、異常な混雑時には迅速に迂回路に誘導するなど、事件や事故を未然に防ぐための準備が必要です。やはり、現場と監督者が緊密に連携するため「見える警備」が重要ということですね。

世界の首脳の来日期日に実施
安全を実証した先進警備システム

鈴木おっしゃるとおり、大規模イベントでは、殺到する多くの来場者に起因する事件や事故の未然防止は重要課題です。NECの群衆行動解析システムは、監視カメラなどにより得られる映像から、個人のプライバシーを侵害することなく、群衆の混雑状況や動きを「見える化」し、さらには突発的な変異などをリアルタイムに検知するものです。2016年5月に開催された「伊勢志摩サミット」においても、このシステムの実証実験を行い、有効性を確認しました。東京2020でも混雑が予想されるエリアにカメラを設置し、このシステムを導入すれば、群衆の警備や誘導を安全かつ円滑に行うことができると考えています。

米村氏いまひとつの懸念は、行列の緩和です。大きなイベントでは入場の際、本人確認や所持品検査などのために来場者が長時間並ぶことも珍しくありません。しかし、東京2020の開催は真夏です。来場者が炎天下に長時間並ばされるようなことになれば、熱中症も心配されますし、大会全体の評価にも関わるでしょう。

世界NO.1の精度を誇る顔認証システムが
安全で円滑な入場管理をサポート

※米国国立標準技術研究所(NIST)のベンチマークで1位を獲得

鈴木NECの顔認証システムは、イベント来場者の本人確認にも有効です。すでにコンサートなどに活用いただいており、本人確認や迅速な入場に役立っています。さらに現在、「ウォークスルー顔認証システム」というテクノロジーが実用化目前の段階にあります。これはカメラの前に立ち止まることなく、歩きながら顔認証を可能とするシステムです。リオデジャネイロ2016オリンピック・パラリンピック競技大会期間中には「Tokyo 2020 JAPAN HOUSE」の記者会見場で活用されました。※2 IDカードの盗難や偽造などによる「なりすまし」を防ぎつつ、メディア関係者が入場する際の本人確認をスムーズに行うことができました。

米村氏スムーズな入場とセキュリティの確保とを両立するために、NECが得意とする生体認証などのテクノロジーの活用について検討していくことも必要ですね。 NECへの期待をいろいろと申し上げましたが、東京2020を成功させ、人々に安全・安心を実感していただくこと、これがゴールです。私たちも全力を尽くしますので、今後もご協力のほど、よろしくお願いいたします。

鈴木東京2020は、東京にとって二度目のオリンピック・パラリンピック競技大会です。世界のお手本となるような大会運営と「おもてなし」を実現できるよう、NECも総力を挙げて貢献していきます。

  • ※1 編集者注:東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会作成「立候補ファイル」に記載
  • ※2 運用面の理由から、IDカードの読み取りを行いました。